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概要

2026年5月23日〜29日の医療機器業界では、欧州・英国の医療機器規制改革、国内のSaMD関連情報更新、AI診断支援の社会実装、医療機器開発支援事業の公募、安全性回収情報など、実務に関わる動きが相次ぎました。

特に、MDR/IVDRの適合性評価手続の標準化、AI Actの医療AI対応、英国の国際的信頼経路、PMDAのプログラム医療機器ページ更新は、海外展開やSaMD開発を進める企業にとって重要な確認ポイントです。

また、国内ではAIアプリや治療支援システムの実証・特許取得、AMEDによる医療機器開発支援の公募が進む一方、海外ではImpellaやOmnipodの回収、AR手術ガイダンスや手術支援ロボットの承認・認証取得など、規制対応と市場拡大の両面で注目すべき一週間となりました。

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1. 法改正・通知関連

EU・英国の医療機器規制が相次ぎ動く(MDR/IVDR適合性評価の実施規則採択、AI Act簡素化、英国改革案)

欧州委員会は5月4日、MDR/IVDRの適合性評価手続を標準化する実施規則を採択し、見積提供から認証までのタイムラインを明確化しました。同時期に欧州議会・理事会はAI Act簡素化で合意し、医療機器向け高リスクAIの要件遵守期限を2028年8月へ延長しました。英国も「国際的信頼経路(豪州・カナダ・米国の評価結果の活用)」を含む医療機器規制の大幅改革案を公表しました。これらの最新動向を5月27日付で法律事務所がまとめています。

<参照記事>

PMDA/プログラム医療機器関連サイトの更新(2026年5月25日付)

PMDAが「プログラム医療機器(SaMD)」関連ページ(review-services/devices/0048.html)を5月25日付で更新したことが報じられました。プログラム医療機器の開発・申請に関わる事業者は、更新内容の確認が求められています。

<参照記事>

標榜可能な診療科名に係る医療法施行令の改正(「睡眠障害」を追加、6月1日施行)

厚生労働省は5月26日、医療法施行令を改正し、内科等と組み合わせて広告できる疾病・病態(感染症、腫瘍、糖尿病、アレルギー疾患)に「睡眠障害」を追加すると発表しました。看板・広告での「睡眠障害」標榜が可能となり、施行日は令和8年6月1日です。

<参照記事>

最適使用推進ガイドライン通知の周知依頼(バンデフィテムセル/ラグネプロセル)

厚生労働省医薬局医療機器審査管理課発出の令和8年5月19日付通知として、「バンデフィテムセル」「ラグネプロセル」2品目の最適使用推進ガイドラインが周知されました。関連学会経由で5月26日に周知依頼が掲載されています。

<参照記事>

PMDAが「アレックスビー筋注用」添付文書改訂を指示

PMDAは安全性情報の更新に対応し、医療用製品「アレックスビー筋注用」の添付文書改訂を通知しました。同日付の薬事日報では、岡山大学・島根大学病院などによる県域を超えた医薬品共同調達(全国初)の動きも報じられています。

<参照記事>

2. 医療機器関連

コスメディ製薬、美容業界初「完全中空型マイクロニードル」を完成、OEM・ODMサービスを開始

京都市の国内メーカー・コスメディ製薬が、医療機器技術を応用した美容業界初の「完全中空型マイクロニードル」の開発完了を発表しました。74本の全ニードルから溶液を吐出でき、塗布だけでは浸透しにくい高分子・低分子成分溶液をピンポイントで皮膚に注入できます。2026年7月からOEM・ODMサービスを開始する予定です。

<参照記事>

アルフレッサHD、耳鼻咽喉科の医療機器メーカー・永島医科器械を子会社化

アルフレッサ ホールディングスが、耳鼻咽喉科領域の医療機器メーカー・永島医科器械の全株式を取得すると発表しました。永島医科器械は創業100年以上の実績を持ち、大学病院を中心に採用されています。買収によりメディカル品分野での競争力強化と、医療用医薬品卸売事業との連携による販売機会拡大を見込んでいます。

<参照記事>

Berry、クラウド型eQMS「QMSmart」をメディカルショージャパン&ビジネスエキスポ2026に出展

国内スタートアップの株式会社Berryが、医療機器メーカー向けクラウド型品質管理システム「QMSmart」を同展示会に出展します。AIを活用した文書管理・CAPA管理・教育訓練機能を備え、スタートアップや中小医療機器メーカーの業務効率化を支援します。会場では実機デモと規制適合チェック機能のライブ体験を予定です。

<参照記事>

福商の一般医療機器「HeartMark Recovery Wear」、Makuakeで応援購入総額1,000万円突破

東京都荒川区の株式会社福商が展開する一般医療機器のリカバリーウェアが、クラウドファンディング「Makuake」で応援購入総額1,000万円を突破しました。高純度セラミック配合繊維による遠赤外線の温熱作用で血行促進をサポートし、半袖トップス・ハーフパンツは各1,780円からと手頃な価格帯です。2,200人超の支援者から評価されました。

<参照記事>

フォラケア・ジャパン、視覚障害者の健康管理を支援する音声読み上げアプリ「きこえるヘルス」を提供開始

株式会社フォラケア・ジャパンが、視覚障害者向けスマートフォン音声読み上げアプリ「きこえるヘルス」を提供開始しました。Bluetooth接続で対応測定機器から体温などの健康指標をアプリに転送し、合成音声で結果を案内します。パルスオキシメータ、耳式体温計、血糖測定器など複数の管理医療機器・高度管理医療機器との連携を予定し、利用者の自立的な健康管理を支援します。

<参照記事>

World Health Expo Osaka 2026 EUパビリオンに欧州企業約50社が最先端イノベーションを出展

大阪で開催される「World Health Expo Osaka 2026」のEUパビリオン(EU Business Hub主導)に、欧州の中小企業・スタートアップ約50社が初参加です。デジタルヘルス、医療機器、診断、創薬などの先進ソリューションを展示します。日本の超高齢社会と医療DXの進展を背景に、日本企業との長期的パートナーシップ構築を目指し、7月1日にはマッチメイキングイベントも開催予定です。

<参照記事>

3. SaMD関連(プログラム医療機器)

日本医療政策機構(HGPI)、「AIによる診断支援時代を見据えた論点」を公表

日本医療政策機構(HGPI)が、産官学民のアドバイザリーボードでの議論を踏まえ、プログラム医療機器(SaMD)をはじめとするAI診断支援の社会実装に向けた6つの重要論点を提示しました。
エビデンス構築、PMDA審査体制、市販後運用、市民・患者の信頼醸成、保険償還制度、データ活用基盤の各領域を取り上げ、既存制度の改善と非線形な制度改革の同時推進が必要と指摘しています。

<参照記事>

株式会社OtoCheck、小児中耳炎の早期発見を支援する「耳の健康チェックAIアプリ」の実証を開始

OtoCheckが、相模原市・神奈川県・eiiconの支援のもと、神奈川県内の保育施設2施設で6ヶ月間の実証を開始しました。
耳用カメラ付き耳かきで鼓膜画像を撮影し、AIが解析することで小児中耳炎の早期発見と保護者の受診判断を支援します。実証ではアプリの精度向上と保護者負担の軽減効果を測定します。

<参照記事>

Qsolと熊本大学、複数職種を担う「マルチAIエージェント治療支援システム」で特許取得

Qsol株式会社と国立大学法人熊本大学が、医師・薬剤師・臨床工学技士など複数の医療専門職の役割を担うAIエージェントが協調して治療方針の立案を支援するシステムで特許(特許第7835948号)を取得しました。
医療現場の多職種カンファレンスに近い検討プロセスを再現し、医師の最終確認を前提に設計されています。医療情報システムガイドラインの遵守を明記しているが、SaMDとしての認可状況には言及していません。

<参照記事>

ジャパン・メディカル・カンパニー、慶應義塾大学と乳児頭蓋変形のAI鑑別精度を検証する共同研究

株式会社ジャパン・メディカル・カンパニーと慶應義塾大学医学部形成外科学教室が、第二弾の共同研究として、位置的頭蓋変形と頭蓋縫合早期癒合症の鑑別精度を検証します。
3Dプリンタ製の頭蓋骨模型と医用画像情報を組み合わせた評価設計で診断精度に影響する因子を分析します。同社の「赤ちゃんの頭のかたち測定アプリ」等のプログラム開発における精度向上に活かす予定としています。

<参照記事>

4. 医療機器が関連する補助金

令和8年度「優れた医療機器の創出に係る産業振興拠点強化事業」公募開始(AMED)

AMEDが医療機器の産業振興拠点を強化する令和8年度公募を開始しました。人材育成拠点・スタートアップ支援拠点・オープンイノベーション中核拠点の3トラックで、革新的機器、デジタル/ロボティクス技術、循環器・脳神経領域などの開発拠点形成を支援します。支援規模は拠点に応じて年間最大1,600万〜8,100万円規模です。応募締切は令和8年6月25日13時(厳守)です。

<参照記事>

令和8年度「橋渡し研究プログラム(preF・シーズF・シーズB・シーズC)」採択課題を公表(AMED)

AMEDが橋渡し研究プログラムの採択課題(計31課題)を公表しました。医療機器開発が複数含まれ、preFでは「早産児の安全性を担保する保育器を実現する装置」(筑波大学)、「新規呼気補助装置を用いた低侵襲人工呼吸システムの開発」(東北大学)などが採択されています。シーズFでは脳卒中後の重度上肢機能障害に対するBrain-Computer Interfaceの医師主導治験も採択されました。

<参照記事>

令和8年度「ヘルスケア社会実装基盤整備事業」公募開始(AMED)

予防・健康づくりの社会実装に向けた研究開発基盤整備事業(ヘルスケア社会実装基盤整備事業)の公募が開始されました。スマートフォンアプリやウェアラブルデバイスなどデジタル技術を活用したヘルスケアサービスについて、科学的エビデンスに基づく開発・評価が行われる環境整備を目的とし、今回は睡眠領域における指針策定を公募します。応募締切は令和8年6月30日正午(厳守)です。

<参照記事>

令和8年度「ワクチン・新規モダリティ・治療薬等研究開発事業(一般公募)」公募開始(AMED)

重点感染症に対する治療薬・診断薬の開発を支援する一般公募が開始されました。診断薬については治療薬・ワクチンとの併行開発を中心に、臨床性能試験まで一連の研究開発を支援する対象が含まれ、体外診断・検査機器領域の開発が関連します。応募締切は令和8年7月24日12時00分(日本時間)です。

<参照記事>

  • 令和8年度 「ワクチン・新規モダリティ・治療薬等研究開発事業(一般公募)」(重点感染症に対する感染症治療薬・診断薬の開発 )に係る公募について
  • https://www.amed.go.jp/koubo/03004/02/B_00007.html

NEDO連携事業、医療現場の事務作業を支援する高性能日本語LLMを開発(NEDO)

NEDOと10の連携機関が、患者情報を安全に管理できる環境で運用可能な医療用日本語LLMを開発したと発表しました。専門医試験で最大90.8%の正答率を達成し、主要商用LLM(91.4%)に迫る水準に到達しました。患者情報の記憶リスク評価や自動マスキング機能、5万件超の独自安全性ベンチマークを実施し、JLAC11コード自動変換(80.3%)、症例データ自動整理(92.2%)など医療業務支援の実現可能性を確認しました。

<参照記事>

5. 海外市況

J&J(Abiomed)、Impella補助人工心臓ポンプを回収 ― 1例死亡でFDAが早期警告

ジョンソン・エンド・ジョンソンのAbiomed部門が、SmartAssist搭載の「Impella CP」セット一部を回収しました。パージ圧低下による重篤な傷害・死亡リスクが理由で、2024年1月~2026年4月の107,277件中12件の苦情(0.01%)、5月7日時点で1例の死亡が報告されました。FDAは通常の回収分類ではなく「早期警告(early alert)」として開示しました。

<参照記事>

韓国SKIA、タブレット型AR手術ガイダンス「SKIA HEAD」がFDA 510(k)クリアランス取得

韓国の医療技術企業SKIAが、術前画像を3D解剖モデル化して患者の体表に投影するタブレットベースのAR手術ナビゲーションシステム「SKIA HEAD」でFDA 510(k)クリアランスを取得しました。医療グレードセンサーを提供するStructureとの提携を通じて米国市場参入を図ります。従来の据置型ナビ機器を不要にする点が特徴です。

<参照記事>

Siemens Healthineers、AiMとMRIガイド下ロボット脳神経外科で提携/Proceptが治験登録完了

Siemens HealthineersがAiM Medical Roboticsと提携し、Magnetom MRIとAiMのロボットプラットフォームを連携しました。神経刺激リード留置や生検、腫瘍アブレーション等のMRIガイド下手技を狙います。あわせてProcept BioRoboticsが前立腺のアクアブレーション療法を比較する「WATER IV」試験で280例の登録を完了、結果は2027年春のAUAで発表予定です。

<参照記事>

Ōura、FDA方針転換を受け血圧トラッキング機能を追加へ

Ōuraが新型スマートリングに合わせ、夜間の血圧パターンを収縮期/拡張期の数値表示なしで追跡するウェルネス機能を投入する計画を発表しました。FDAの2026年1月の方針転換により、本機能は医療機器規制の対象外で提供されます。別途、高血圧検出ツールについてはFDA規制下の臨床試験を進めており、ResMedとも睡眠ヘルス領域で提携しました。

<参照記事>

Abbott、血糖・ケトン同時測定の2分析物センサー「Libre Duo」が欧州CEマーク取得

Abbottが、グルコースとケトンを同時測定する2分析物センサー「Libre Duo」「Libre Duo 10 Day」で欧州CEマークを取得しました。連続グルコース・ケトンモニタリングが可能な初の2分析物センサーで、15日装着型は18歳以上、10日型は2歳以上が対象です。年内に欧州で発売予定、米国FDA審査は2026年下半期に完了見込みです。

<参照記事>

Insulet、漏れリスクで「Omnipod」インスリンパッチポンプ700万台を回収

Insuletが、チューブ上部の微小な亀裂でインスリンが体外に漏れる恐れがあるとして、Omnipod 5/DASH/Insulin Management Systemのパッチポンプ約700万台を回収しました。世界生産の8.5%にあたるロットが対象で、入院や糖尿病性ケトアシドーシスを含む24件の重篤有害事象が報告されました。年内最大5,000万ドルのコストを見込むが、2026年の通期見通しへの影響はないとしました(2026年に入って2度目のチューブ関連回収)。

<参照記事>

香港Cornerstone Robotics、手術支援ロボット「Sentire」が欧州CEマーク取得

香港拠点のCornerstone Roboticsが、一般外科・婦人科・胸部外科・泌尿器科の低侵襲手術向け手術支援ロボット「Sentire」で欧州CEマークを取得しました。英Portsmouth Hospitals University NHS Trustと臨床試験で連携し、2025年に英子会社も設立しました。2025年11月の2億ドル調達を経て、Intuitive SurgicalやCMR Surgical、Moon Surgicalが競合する欧州市場に参入します。

<参照記事>

6. 弊社ブログ記事

【見落とし厳禁】動物由来原料の医療用具・医薬品|承認書整備と自主点検の期限を解説

動物由来成分を含む医療用具・医薬品について、現在の科学技術水準に基づく承認書整備と自主点検の実施が求められている点を解説しています。対応期限は「自主点検が通知後3か月以内、一部変更承認申請が1年以内」とされ、ドナースクリーニングや不活化工程の確認、原産国・動物種の記載更新といった実務対応が必要となります。

<参照記事>

【PMDA審査対策】植込み型心臓ペースメーカの臨床試験は不要?|承認申請Q&Aで分かる省略条件と実務ポイント

植込み型心臓ペースメーカの承認申請における臨床試験の要否を、新規製造元・機能追加・シリーズ製品といった区分ごとに整理しています。新規参入企業は基本機能の試験が必須だが、軽微な機能追加で他社の承認前例がある場合は試験を省略できます。同等性・同一性を説明する資料の完成度が審査上の重要ポイントになると解説しています。

<参照記事>

【PMDA対応】LASIK用マイクロケラトームは承認必須?|承認不要との違いと無承認リスクを解説

LASIK手術に用いるマイクロケラトームの承認要否を解説しています。従来の角膜表層切除術など4術式に限定すれば承認不要だが、LASIK用途を標榜する場合は承認申請が必須となります。製品の効能表示とLASIKの関連性が判断基準であり、添付文書やカタログに「LASIK対応」と記載すると無承認医療機器に該当するリスクが生じると注意喚起しています。

<参照記事>

弊社について

一般社団法人薬事支援機構(RSO)は、「未来の医療を支える技術の実現をサポート」というビジョンのもと、医療機器の薬事領域に特化したコンサルティングサービスを提供しています。

SaMD(Software as Medical Device)、レーザー等の能動機器、カテーテルをはじめとした非能動医療機器など、幅広い医療機器を対象に、開発初期段階から承認申請後までの一貫した伴走型コンサルティングを行っています。

医療機器業界の複雑な規制環境において、お客様の製品が円滑に承認を得るためのプロフェッショナルなサポートを国内向けに展開。製品の特性や開発フェーズに合わせた最適なアドバイスと戦略を提供しています。

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    一般社団法人薬事支援機構は医療機器専門の薬事コンサルティング会社です。
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