概要
2026年10月24日〜10月30日の医療機器業界では、PMDAの医療機器WEB申請プラットフォーム(DWAP)の運用停止とサイバーセキュリティ対策の強化が大きな話題となりました。不正アクセスを受けてDWAPの運用が停止され、承認申請・届出における代替手段への対応が求められています。また、中医協では長期留置型の胸水・腹水ドレナージカテーテルの新たな保険適用が了承されました。
国内の医療機器関連では、住友重機械工業のBNCT治療システム「NeuCure」の一部変更承認や、mediVRのVRリハビリ支援プログラムの製造販売承認が注目されました。海外では、心電図解析AIや肺超音波AIなどのFDAクリアランス取得が相次ぎ、プログラム医療機器(SaMD)やAI医療機器の開発・実用化が進んでいます。
医療ベンチャー分野では、ウェアラブル治療機器の資金調達や、Strykerなど大手医療機器メーカーによるM&Aが活発化しました。一方、海外大手の決算ではサイバー攻撃による事業への影響も明らかになっています。さらに、AMEDやNEDOによる医療機器開発支援の公募も進んでおり、医療機器メーカーや薬事担当者が押さえておきたい規制動向、製品開発、補助金・市場動向を幅広く紹介します。

1. 法改正・通知関連
PMDA、医療機器WEB申請プラットフォーム(DWAP)の運用を停止
PMDAは10月29日、令和8年10月23日から26日にかけて医療機器WEB申請プラットフォーム(DWAP)への不正アクセスが確認されたとして、脆弱性対応のため当面の間DWAPの運用を停止すると公表しました。現時点で情報漏えいや既存データの改ざん・破壊は確認されていませんが、再開時期は未定で、復旧には相当の時間を要する見込みです。新規の承認申請・届出は厚生労働省の「FD申請ソフト」で申請書・届書を作成するよう案内されています。申請・届出中の資料の差し替え手続は、決まり次第案内される予定です。
<参照記事>
- 医療機器WEB申請プラットフォーム(DWAP)の運用停止について
- https://www.pmda.go.jp/about-pmda/news-release/0105.html
PMDA、サイバー攻撃を踏まえたセキュリティ対策方針を公表
PMDAは10月26日、サイバー攻撃による情報漏えい事案が相次いでいることを受け、セキュリティ対策方針を公表しました。重大な脆弱性が確認された場合などの緊急時には、更新プログラムの適用や外部からのアクセス制限を優先して行い、十分な事前周知のないまま情報システムの全部または一部を一時停止することがあるとしています。停止中の代替手段や手続は個別に案内するとしており、申請・届出の電子システムを使う企業は今後の案内に注意が必要です。
<参照記事>
- サイバー攻撃による情報漏えい等の事案を踏まえたPMDAにおけるセキュリティ対策方針について
- https://www.pmda.go.jp/about-pmda/news-release/0104.html
厚労省、不正アクセスによる情報漏えい事案を踏まえセキュリティ対策の徹底を注意喚起
厚生労働省は10月30日、大量の個人情報を扱う事業者の情報システムへの不正アクセスで個人データが窃取される事案が続いていることを受け、所管事業者や関係団体に向けた注意喚起を掲載しました。セキュリティ更新プログラムの速やかな適用、多要素認証などの認証対策の強化、データ保護の徹底、経営層主導の取組を求め、委託先を含むサプライチェーン全体での対策強化を促しています。医療機関や医療情報システムの提供事業者には、医療分野のサイバーセキュリティ対策の案内も示されています。
<参照記事>
- 不正アクセスによる情報漏えい等の事案を踏まえたセキュリティ対策の徹底について(注意喚起)
- https://www.mhlw.go.jp/stf/kinkyu/20261030.html
中医協、長期留置型の胸水・腹水ドレナージカテーテルを新機能区分で保険適用へ
10月28日の第660回中医協総会で、医療機器及び臨床検査の保険適用が了承されました。日本ベクトン・ディッキンソンの「PleurX ドレナージカテーテル」がC2(新機能・新技術)として令和8年12月1日に収載予定で、カテーテル53,600円、吸引システム5,040円(C1)が原価計算方式で設定されます。特定保険医療材料に「249 胸水・腹水ドレナージカテーテル(長期留置型)」の機能区分が新設され、吸引システムは在宅医療での交換を想定して別表Ⅰ・別表Ⅷにも追加されます。臨床検査では、ベンタナ OptiView FOLR1(FOLR1-2.1)がE3(新項目)として11月1日収載予定です。
<参照記事>
- 中央社会保険医療協議会 総会(第660回) 議事次第
- https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76950.html
医薬品医療機器制度部会、感染症危機対応医薬品等(MCM)の法制度の在り方について議論
厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会は10月27日、令和8年3月に閣議決定された「感染症危機対応医薬品等(ワクチン、治療薬、診断薬等)開発・生産体制強化戦略」(MCM戦略)を踏まえ、必要な支援と法制度の在り方の主な検討事項(案)を議論しました。検討事項には、平時から薬事承認を迅速に行う仕組み、国際共同治験を含む治験・臨床研究体制、原材料を含む自立的な供給確保体制、複数年度にわたる国の支援の制度的枠組みが挙がっています。診断薬もMCMの対象に含まれ、感染症部会側では冬頃のとりまとめが予定されています。
<参照記事>
- 令和8年度第2回 厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会の開催について(Web併用)
- https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76682.html
生命・医学系研究の倫理指針見直しに向けたタスクフォースが始動
厚生労働省は10月28日、「生命科学・医学系研究等における個人情報の取扱い等に関する合同会議」第1タスクフォースの第1回会合を10月30日に開催すると案内しました。近年の個人情報保護制度の見直しを踏まえ、「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の改正に向けた具体的な論点を検討します。会議は非公開で、資料と議事概要は後日公表される予定です。医療機器の臨床研究や既存データを用いた性能評価に関わる企業にも影響しうる見直しです。
<参照記事>
- 第1回 生命科学・医学系研究等における個人情報の取扱い等に関する合同会議 第1タスクフォース
- https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76975.html
PMDA、12月の簡易相談(医療機器等)の実施予定を掲載
PMDAは10月28日、医療機器・体外診断用医薬品等の簡易相談について12月の実施予定を掲載しました。医療機器・体外診断用医薬品と認証基準該当性の簡易相談は、業務第二課宛ての水曜13:30〜15:00のメール受付で予約します。実施日の約2週間前(認証基準該当性は約4週間前)を目安に申し込み、実施可否の連絡から3勤務日以内に手数料の払込みと申込書の提出が必要です。
<参照記事>
2. 医療機器関連
住友重機械工業、加速器BNCT治療システム「NeuCure」の一変承認を取得 再発髄膜腫を追加
住友重機械工業は10月30日、BNCT治療システム「NeuCure」とBNCT線量計算プログラム「NeuCure ドーズエンジン」について、使用目的に再発髄膜腫を加える一部変更承認を10月28日付で取得したと発表しました。大阪医科薬科大学が実施した医師主導治験の結果に基づき、2026年3月に申請していました。再発を繰り返す難治性の髄膜腫に対し、新たな治療選択肢となることが期待されています。
<参照記事>
- 加速器を用いたBNCT治療システムおよびBNCT線量計算プログラムの医療機器製造販売承認の一部変更に関する承認を取得~再発髄膜腫の追加~
- https://www.shi.co.jp/info/2026/6kgpsq000000oljk.html
ニプロ、国産ECMOシステムと尿路結石用バスケットカテーテルが2026年度グッドデザイン賞
ニプロの「バイオセーバーECMOシステム」と「GRASTARバスケットカテーテル」が2026年度グッドデザイン賞を受賞しました。ECMOシステムは国立循環器病研究センターと共同開発したもので、国産品で初めて最長14日間の連続使用で承認を取得しており、コンソールの小型一体化が評価されました。バスケットカテーテルは国内最細径の4本ワイヤ型で、内視鏡内の灌流を確保し腎盂内圧上昇による合併症リスクの低減に寄与します。
<参照記事>
- 【ニプロ】2製品が「2026年度グッドデザイン賞」受賞
- https://www.yakuji.co.jp/entry141159.html
日本光電、「カルジオライフAED」の世界累計出荷台数が100万台を突破
日本光電は、AED「カルジオライフAED」の全世界での累計出荷台数が100万台を超えたと発表しました。2002年にAED事業を始めて以来、遠隔監視システム「AED Linkage」、家庭用AED、オートショック機能付きAEDなどを順次展開してきました。救命の啓発活動にもあわせて取り組んでいます。
<参照記事>
- 日本光電のカルジオライフAED、世界累計出荷台数が100万台を達成
- https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2610/27/news038.html
オムロン ヘルスケア、グループ初のインド工場で血圧計の量産を本格開始
オムロン ヘルスケアは、インド・チェンナイに設けたグループ初のインド生産工場で、インド市場向け上腕式血圧計の量産を始めました。5つの生産ラインを立ち上げ、松阪工場やベトナム工場の生産技術・品質管理のノウハウを導入します。2028年までに生産能力を10倍に拡大し、将来はネブライザの生産やグローバル市場向けの供給拠点へ広げる計画です。
<参照記事>
- オムロングループ初のインド生産拠点で血圧計生産ラインが本格稼働
- https://kyodonewsprwire.jp/release/202610278794
シード、「Eye coffret 1day UV M」に乱視用を含むクリアレンズ2種を追加 11月6日発売
シードは、1日使い捨てサークルコンタクトレンズ「シード Eye coffret 1day UV M」のシリーズにクリアレンズ「Clear」と乱視用の「TORIC Clear」を加え、11月6日に発売すると発表しました。乱視用には同社独自の「ダブルスラブオフ」デザインとバックトーリック型を採用し、軸の安定と装用感・酸素透過性の両立を図りました。
<参照記事>
- シード、Eye coffretからクリアレンズ2種を2026年11月6日に発売へ
- https://news.dellows.jp/898280/
Berry、医療機器メーカー向けクラウド型eQMS「QMSmart」を「Made in Mt.Fuji ふじのくに医療・介護福祉機器展」に出展
Berryは、11月5日に静岡県沼津市のプラサヴェルデで開かれる「Made in Mt.Fuji ふじのくに医療・介護福祉機器展-富士山麓産学官金連携フォーラム2026-」に出展すると発表しました。自社の医療機器製造販売の現場から開発したeQMS「QMSmart」の実機デモを行い、QMS省令・ISO 13485への適合チェックや根本原因分析などのAI機能を実演します。医療機器分野への新規参入を目指すものづくり企業も対象としています。
<参照記事>
- 医療機器メーカーが開発したクラウド型eQMS『QMSmart』を「Made in Mt.Fuji ふじのくに医療・介護福祉機器展-富士山麓産学官金連携フォーラム2026-」に出展
- https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000079.000113536.html
3. SaMD関連(プログラム医療機器)
mediVR、VRリハビリ用「mediVRカグラフィードバック」がクラスIIプログラム医療機器として製造販売承認を取得
株式会社mediVRは10月29日、「mediVRカグラフィードバック」が10月15日付で厚生労働省の製造販売承認を取得したと発表しました。ハードウェアを含まないソフトウェア単体の承認です。一般的名称は「感覚刺激誘導式運動訓練支援プログラム」で、類別は疾病治療用プログラム、クラスII、承認番号は30800BZX00248000です。VR空間内の目標へ手を伸ばす運動訓練で、課題を達成したときの成果を視覚・聴覚・触覚の3つの感覚で同時にフィードバックします。申請から約10か月での承認でした。
<参照記事>
- 株式会社mediVR、「mediVRカグラフィードバック」のクラスII医療機器製造販売承認を取得
- https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000051411.html
米FDA、Tempusの心電図AI「ECG-MR」に510(k)クリアランス 未診断の僧帽弁閉鎖不全を検出
Tempus AIの「Tempus ECG-MR」が米FDAの510(k)クリアランスを取得しました。標準12誘導の安静時心電図を解析し、未診断の中等度以上の僧帽弁閉鎖不全症の可能性を2値で示します。対象は心血管疾患リスクのある65歳以上の成人で、画像検査などの精査に回すべき患者を早期に拾い出す用途です。同社の心電図AIでFDAクリアランスを得た製品はこれが4つ目です。
<参照記事>
- FDA Clears Tempus ECG-MR AI Software for Identifying Undiagnosed Mitral Regurgitation
- https://citoday.com/news/fda-clears-tempus-ecg-mr-ai-software-for-identifying-undiagnosed-mitral-regurgitation
米FDA、Deep Reasoning AIの頭頸部CTA画像処理AI「NeuroDR」を510(k)クリア
Deep Reasoning AIのNeuroDRが米FDAの510(k)クリアランスを取得しました。CT血管造影の撮影後に自動で起動し、骨・軟部組織・静脈を除去したうえで、内頸動脈と椎骨動脈の3D MIP、ボリュームレンダリング、曲面再構成像をDICOMでPACSへ送ります。前方循環と後方循環を分けて表示し、医師が既に見つけた病変の確認と評価、経過観察や治療計画を支援します。
<参照記事>
- FDA clears Deep Reasoning AI’s neurovascular CTA software
- https://www.auntminnie.com/clinical-news/ct/news/16050236/fda-clears-deep-reasoning-ais-neurovascular-cta-software
Deep Breathe、肺エコーで「lung slidingの消失」を検出するAIで米FDAクリアランス
カナダのDeep Breatheは10月28日、肺超音波でlung slidingの消失を検出し、気胸の評価を支援するAIソフトウェアについて米FDAのクリアランスを取得したと発表しました。同社は、lung slidingの消失の検出に特化したAIとして初のクリアランスとしています。スマートフォンにつなぐハンディ型プローブで動作し、ベッドサイドや救急搬送の現場で使えます。同社にとって12か月で2件目のFDAクリアランスです。
<参照記事>
- AI Makes Emergency Lung Diagnosis Breakthrough as Deep Breathe Wins FDA Nod for Pneumothorax Detection Tool
- https://healthaicentral.com/news/ai-makes-emergency-lung-diagnosis-breakthrough-as-deep-breathe-wins-fda-nod-for-?utm_source=chatgpt.com
Coreline Soft、大動脈の定量解析AI「AVIEW Aorta Metrics」で13件目のFDAクリアランス
韓国Coreline Softの「AVIEW Aorta Metrics」が10月16日付で米FDAの510(k)クリアランスを取得したと、10月26日に報じられました。胸部CTから大動脈を自動でセグメンテーションし、解剖学的区域ごとに径を計測します。同社の米国向け胸部CTポートフォリオは、これまでの肺結節検出や冠動脈石灰化解析から心血管領域へ広がります。同社にとって米FDAのクリアランスは13件目です。
<参照記事>
- Coreline Soft Secures 13th US FDA Clearance, Expanding AI-Powered CT Imaging into Aortic Assessment
- https://biopharmaapac.com/news/21/8599/coreline-soft-secures-13th-us-fda-clearance-expanding-ai-powered-ct-imaging-into-aortic-assessment.html
Clarius、ハンディ超音波アプリの搭載AIモデルを30種に拡大
Clarius Mobile Healthはアプリのバージョン13.1で、ワイヤレス型ハンディ超音波スキャナ向けのAIモデルを30種に増やしました。2025年12月時点の16種からの拡大で、内訳は臨床計測12種、解剖構造のオーバーレイ表示14種、ワークフロー支援4種です。一部のモデルは米FDAのクリアランスまたはCEマークを取得しています。使える機能は、スキャナの機種・販売地域・規制当局の認可状況によって異なります。
<参照記事>
- Clarius expands handheld ultrasound app to 30 AI models
- https://www.auntminnie.com/clinical-news/ultrasound/news/16050255/clarius-mobile-health-clarius-expands-handheld-ultrasound-app-to-30-ai-models
インドネシア保健省、ソフトウェア医療機器の流通許可ガイドラインを公表
インドネシア保健省は、ソフトウェアベースの医療機器の流通許可に関するガイドライン(保健大臣決定 HK.01.07/MENKES/951/2026)を10月20日に掲載しました。承認に必要な技術要件と手続きを定めています。記事は、サイバーセキュリティ、相互運用性、ソフトウェア更新の管理が背景にある論点だと指摘しています。SaMD、医療機器に組み込まれたソフトウェア、AI搭載機器の製造業者には、適用範囲の確認と、申請書類・変更管理・表示の見直しを勧めています。新規申請や更新を予定する企業は、既存登録の扱いと移行措置を現地代理人と早めに確認する必要があります。
<参照記事>
- インドネシア MOH SaMD, AI搭載医療機器のガイドラインを公表
- https://www.qualtech.co.jp/regulatory/asean/9144/
4. 医療ベンチャー関連
StimCardio、心房細動向けウェアラブル治療機器でシリーズA 3,000万ドルを調達
米StimCardioは2026年10月29日、超過応募となったシリーズAで3,000万ドルの調達を完了したと発表しました。リード投資家はMetis Medtechで、Catalyst Health Venturesと複数の事業会社が参加しています。手首装着型の非侵襲ニューロモデュレーション機器「Rhyvive」について、ピボタル試験NeuroPulse 2を実施し、FDAへのDe Novo申請を準備する資金に充てます。
<参照記事>
- StimCardio Closes Oversubscribed $30 Million Series A Financing to Advance Wearable Therapeutic for Atrial Fibrillation
- https://www.morningstar.com/news/pr-newswire/20261029sf84177/stimcardio-closes-oversubscribed-30-million-series-a-financing-to-advance-wearable-therapeutic-for-atrial-fibrillation
Leeds大学発のadsilico、仮想患者で医療機器を評価するAIシミュレーションでシリーズA 1,000万ポンドを調達
英Leeds大学発のadsilicoは、PXN Venturesが主導したシリーズAで1,000万ポンドを調達しました。既存株主のNorthern GritstoneとParkwalkも参加しています。多様な仮想患者集団で医療機器の性能を評価するin silico試験の基盤「Virtual Chimera」の開発に充て、臨床試験の一部をシミュレーションで補う手法の普及を目指します。
<参照記事>
- Leeds AI spinout adsilico raises £10M to test medical devices on virtual patients
- https://tech.eu/2026/10/26/leeds-ai-spinout-adsilico-raises-ps10m-to-test-medical-devices-on-virtual-patients/
キヤノンマーケティングジャパンのCVC、脳卒中リハビリのBMI/BCI機器を手がけるLIFESCAPESに追加出資
グローバル・ブレインは2026年10月30日、運営するCanon Marketing Japan MIRAI Fundを通じて、慶應義塾大学発のLIFESCAPESへ追加出資したと発表しました。LIFESCAPESは、頭皮上のセンサで検出した神経活動に同期して手指の電動装具を動かすBMI/BCIリハビリ機器を開発しており、医療機関向けの機器は2024年に認証を取得しています。今後はキヤノンマーケティングジャパンと連携して事業の拡大を支援します。
<参照記事>
- BMI/BCI技術を応用した脳卒中リハビリ機器を開発・製造・販売する株式会社LIFESCAPESへ追加出資
- https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000628.000047342.html
Stryker、腱板修復補強デバイスのZuriMED買収を完了
Strykerは10月27日、スイスのスタートアップZuriMEDの買収を完了したと発表しました。ZuriMEDの「FiberLocker System」は、ポリエステル製の線維インプラントをマイクロステープラーで軟部組織に固定し、腱板修復を補強する機器で、2024年に510(k)クリアランスを取得しています。スポーツ医学・肩関節領域の製品群を強化する狙いで、買収額は開示されていません。
<参照記事>
- Stryker completes ZuriMED takeover
- https://www.medtechdive.com/news/stryker-completes-zurimed-takeover/872835/
RadNet、遠隔画像診断のOnradを3億5,000万ドルで買収へ
米画像診断サービス大手RadNetは、病院向けの遠隔画像診断(テレラジオロジー)事業者Onradを、現金と自社株500万株による前払い3億5,000万ドルで買収すると発表しました。2027年の業績目標の達成に応じて最大2億1,000万ドルを追加で支払います。Onradは130人超の放射線科医のネットワークを持ち、270以上の顧客に読影サービスを提供しています。買収により、RadNetは3つ目の事業セグメントとして放射線科プロフェッショナルサービスを新設します。
<参照記事>
- RadNet expands into teleradiology with $350M Onrad deal
- https://www.medtechdive.com/news/radnet-expands-into-teleradiology-with-350m-onrad-deal/872990/
Davion Healthcare、スマート創傷被覆材などの知的財産を2,500万ドルで取得
10月22日にNasdaqへ直接上場したデジタルヘルス企業Davion Healthcareは10月26日、英Humaskanの株主から2つの技術の知的財産を取得したと発表しました。対象は、温度センサとNFCタグを内蔵しスマートフォンで感染の兆候を追跡する電池不要の創傷被覆材「WoundSkan」と、尿・唾液によるスクリーニング用ラテラルフロー検査「Spektra」です。対価は現金250万ドルと新株約2,250万ドル相当で、上場後最初の買収案件となります。
<参照記事>
- Davion Healthcare Announces US$25 Million Acquisition of Humaskan Medical Technology IP
- https://finance.yahoo.com/healthcare/articles/davion-healthcare-announces-us-25-113000070.html
5. 医療機器が関連する補助金
AMED「医療機器開発推進研究事業(ヘルステック・チャレンジ)」公募、筑波大学での説明会情報を追加(10月27日更新)
スタートアップと起業意思のあるアカデミア研究者を対象とするAMEDの公募で、10月27日に筑波大学での説明会情報が追加されました。対象はアンメット・メディカル・ニーズに対応しグローバル市場を狙う革新的医療機器(特に治療機器)と、医療機関・家庭で広く使われるAI活用プログラム医療機器(SaMD)の2分野です。直接経費の上限は1課題あたり令和8・9年度が各380万円、令和10年度が760万円です。応募締切は11月4日正午までとなっています。
<参照記事>
- 令和8年度 「医療機器開発推進研究事業(ヘルステック・チャレンジ)」に係る公募について
- https://www.amed.go.jp/koubo/03002/01/B_00020.html
AMED 令和9年度「難治性疾患実用化研究事業」公募、医療機器分野は4区分(10月28日更新)
10月7日に始まった令和9年度公募の説明会資料が10月28日に掲載されました。医療機器分野は、シーズ探索のC-1、プログラム医療機器のC-2、治験準備のC-3、医師主導治験等のC-4の4区分です。直接経費の年間上限はC-1・C-2が2,000万円、C-3が6,000万円、C-4が8,000万円です。応募締切は11月24日正午までとなっています。
<参照記事>
- 令和9年度 「難治性疾患実用化研究事業」に係る公募について
- https://www.amed.go.jp/koubo/03001/02/B_00013.html
医療機器センター、2027年度「医療技術研究開発助成」の募集を開始(10月27日)
公益財団法人医療機器センター(JAAME)の医療機器産業研究所が、若手研究者向け研究助成の募集を10月27日に始めました。対象は大学・病院・研究機関・高専に所属し、40歳未満または博士号取得から10年未満の研究者で、企業所属者は除きます。助成額は萌芽・探索型が100万円で10件程度、実用化展開型が300万円で2件程度です。締切は12月14日正午までとなっています。
<参照記事>
- 2027年度 研究助成 医療技術研究開発助成 募集のご案内
- https://www.jaame.or.jp/mdsi/activity/tech-grant_application.html
NEDO「ディープテック・スタートアップ支援基金/国際共同研究開発」、公募資料を差し替え(10月29日更新)
英国・ドイツ・フランス・韓国・シンガポールなど15か国・地域の企業と組むスタートアップの国際共同研究開発を補助する公募で、10月29日に基本方針の資料が差し替えられました。医薬品と再生医療等製品の開発は原則対象外だが、医療機器・医療検査技術・創薬支援技術は、経済産業省所管の鉱工業技術との複合技術であれば対象にります。補助率は3分の2以内、上限は1件1億円です。締切は2027年1月20日正午までとなっています。
<参照記事>
- 2026年度「ディープテック・スタートアップ支援基金/国際共同研究開発」の公募について
- https://www.nedo.go.jp/koubo/CA2_100541.html
AMED、再生医療等の製造技術基盤(補助事業)で4課題を採択(10月26日)
「再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業(製造技術基盤)(補助事業)」の令和8年度採択課題として、応募14件から4件が選ばれました。商業生産に必要な培養装置・分注装置などの機械装置や資材の国産化を狙う事業で、採択課題はAAVベクター製造、LNPの連続製造、迅速無菌試験などを扱います。
<参照記事>
- 令和8年度 「再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業(再生・細胞医療・遺伝子治療産業化促進事業)(製造技術基盤)(補助事業)」の採択課題について
- https://www.amed.go.jp/koubo/03003/01/C_00012.html
6. 海外市況
Stryker、2026年第3四半期決算を発表 ― 売上7.7%増もガイダンスを下方修正
Strykerは10月29日、2026年第3四半期の売上高が65億ドル、オーガニック成長率7.7%、調整後EPS 3.52ドル(前年同期比10.3%増)だったと発表しました。MedSurg・Neurotechnology部門が9.2%増の37億ドル、整形外科部門が5.7%増の29億ドルとなりました。経営陣は「期待に届かなかった」と述べ、通期見通しをオーガニック成長6.5〜7.0%、調整後EPS 14.80〜14.90ドルに改めました。10月には自社株買い枠を30億ドル追加しています。
<参照記事>
- Stryker reports third quarter 2026 operating results
- https://www.biospace.com/press-releases/stryker-reports-third-quarter-2026-operating-results
Boston Scientific、サイバー攻撃で第3四半期の成長が鈍化 ― 2027年を「底」と予想
Boston Scientificの2026年第3四半期売上高は51.4億ドル(1.5%増)、調整後EPSは0.73ドルで市場予想の0.75ドルを下回りました。8営業日にわたりグローバルネットワークが停止して製造・出荷ができなくなったサイバーセキュリティインシデントが、オーガニック成長を約300bp、EPSを約0.07ドル押し下げました。第4四半期もオーガニック売上は1〜3%減の見通しで、CEOは2027年が「サイクルの底」になるとの見方を示しました。Penumbra買収の完了は2027年初頭にずれ込む見込みです。
<参照記事>
- Earnings call transcript: Boston Scientific Q3 2026 profit miss sends shares lower
- https://www.investing.com/news/transcripts/earnings-call-transcript-boston-scientific-q3-2026-profit-miss-sends-shares-lower-93CH-4979466
Dexcom、第3四半期売上11%増 ― 通期売上見通しを引き上げ、10億ドルの自社株買いを発表
Dexcomは10月29日、2026年第3四半期の売上高が13.44億ドル(前年同期比11%増)、うち米国が14%増、米国外が5%増だったと発表しました。非GAAPの希薄化後EPSは0.73ドル(前年同期0.61ドル)です。通期売上見通しを52.0〜52.5億ドルに引き上げ、最大10億ドルの自社株買いも発表しました。インスリン非使用の2型糖尿病患者を対象としたG7のCONNECT試験がNEJMに掲載されたことや、G7 15日間システムが米国外で初めて2件の承認を得たことも報告しています。
<参照記事>
- Dexcom Reports Third Quarter 2026 Financial Results
- https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/0001093557/000109355726000193/dxcm09302026-exhibit991.htm
SEKISUI Diagnostics、COVID-19/インフルエンザA・B同時検出迅速検査で510(k)クリアランス
SEKISUI Diagnosticsは10月27日、前鼻腔スワブからSARS-CoV-2とインフルエンザA・B抗原を判別検出するラテラルフロー検査「OSOM COVID-19/Flu A&B Combo Test」が510(k)クリアランスを取得し、発売したと発表しました。POCでのCLIA免除を受けており、終了に向かう緊急使用許可(EUA)品の置き換えとして位置づけています。
<参照記事>
- SEKISUI Diagnostics Announces 510(k) Clearance and Launch of the OSOM® COVID-19/Flu A&B Combo Test
- https://www.prnewswire.com/news-releases/sekisui-diagnostics-announces-510k-clearance-and-launch-of-the-osom-covid-19flu-ab-combo-test-302918541.html
7. 弊社ブログ記事
視力補正用コンタクトレンズ基準が廃止|一変申請は必要?メーカーが確認すべき対応を解説
薬機法第42条第2項に基づく「視力補正用コンタクトレンズ基準」が令和8年2月4日に廃止されたことを受け、厚生労働省が示した既承認品の取扱いを解説しています。基準の廃止を理由に直ちに一変申請をする必要はなく、次に一変申請を行う際に、承認書の「性能及び安全性に関する規格」欄等で基準を引用している箇所を、直径・頂点屈折力などの具体的な規格に書き改めることになります。自社承認書の棚卸しから一変時の書き換えまで、実務対応の手順も紹介しています。
<参照記事>
- 視力補正用コンタクトレンズ基準が廃止|一変申請は必要?メーカーが確認すべき対応を解説
- https://blog.rso.or.jp/%e8%a6%96%e5%8a%9b%e8%a3%9c%e6%ad%a3%e7%94%a8%e3%82%b3%e3%83%b3%e3%82%bf%e3%82%af%e3%83%88%e3%83%ac%e3%83%b3%e3%82%ba%e5%9f%ba%e6%ba%96%e3%81%8c%e5%bb%83%e6%ad%a2%ef%bd%9c%e4%b8%80%e5%a4%89%e7%94%b3/
【医療機器メーカー必見】回収情報の掲載ルールが変更|GTIN・ロット番号の記載方法とは?
令和8年1月28日付けの厚生労働省通知により、回収時にPMDAのウェブサイトへ掲載するインターネット掲載用資料に「GTIN及び該当するロット番号」の項目が加わりました。4月1日以降に提出する資料は更新後のテンプレートで作成する必要があり、医療機器の製造販売業者はIKWサイトの版を使います。欄が空でもエラーにならず出力テキストから項目が消える点など、提出前に確認すべき実務上の注意点を解説しています。
<参照記事>
- 【医療機器メーカー必見】回収情報の掲載ルールが変更|GTIN・ロット番号の記載方法とは?
- https://blog.rso.or.jp/%e3%80%90%e5%8c%bb%e7%99%82%e6%a9%9f%e5%99%a8%e3%83%a1%e3%83%bc%e3%82%ab%e3%83%bc%e5%bf%85%e8%a6%8b%e3%80%91%e5%9b%9e%e5%8f%8e%e6%83%85%e5%a0%b1%e3%81%ae%e6%8e%b2%e8%bc%89%e3%83%ab%e3%83%bc%e3%83%ab/
【2026年薬機法改正】感染症評価報告制度が変更|30日以内の報告義務と医療機器メーカーの対応を解説
改正薬機法の施行に伴い、令和8年5月1日から「感染症定期報告」が「感染症評価報告」に改められ、新感染症・一類感染症に関する研究報告や外国措置を知った場合の30日以内の報告が新設されました。対象となるのは生物由来製品に指定された医療機器の製造販売業者です。30日報告と調査単位期間ごとの報告という2系統の報告事項と、社内手順の切り替えのポイントを解説しています。
<参照記事>
- 【2026年薬機法改正】感染症評価報告制度が変更|30日以内の報告義務と医療機器メーカーの対応を解説
- https://blog.rso.or.jp/%e3%80%902026%e5%b9%b4%e8%96%ac%e6%a9%9f%e6%b3%95%e6%94%b9%e6%ad%a3%e3%80%91%e6%84%9f%e6%9f%93%e7%97%87%e8%a9%95%e4%be%a1%e5%a0%b1%e5%91%8a%e5%88%b6%e5%ba%a6%e3%81%8c%e5%a4%89%e6%9b%b4%ef%bd%9c30/
弊社について
一般社団法人薬事支援機構(RSO)は、「未来の医療を支える技術の実現をサポート」というビジョンのもと、医療機器の薬事領域に特化したコンサルティングサービスを提供しています。
SaMD(Software as Medical Device)、レーザー等の能動機器、カテーテルをはじめとした非能動医療機器など、幅広い医療機器を対象に、開発初期段階から承認申請後までの一貫した伴走型コンサルティングを行っています。
医療機器業界の複雑な規制環境において、お客様の製品が円滑に承認を得るためのプロフェッショナルなサポートを国内向けに展開。製品の特性や開発フェーズに合わせた最適なアドバイスと戦略を提供しています。