概要
2026年10月3日〜10月9日の医療機器業界では、歯科用骨補填材の評価指標の公表、AI搭載プログラム医療機器(SaMD)のFDA認可、大型M&A、医療機器開発を支援する補助金・公募など、国内外で重要な動きが相次ぎました。
規制・薬事関連では、厚生労働省が「歯科用骨補填材に係る評価について」を通知し、製品形態ごとの評価項目や非臨床試験の考え方を示しました。また、PMDAは外国製造業者の認定・登録情報を更新し、年末年始の治験計画届の提出について注意喚起しています。SaMD分野では、MRI画像解析や心電図解析のAIソフトウェアが相次いでFDAの510(k)クリアランスを取得し、英国でも医療AIのライフサイクル規制に向けた動きが進んでいます。
企業動向では、GE HealthCareによるSOFIE Biosciencesの約9億4,500万ドルでの買収発表や、手術支援ロボットを開発するMMIの1億2,500万ドルの資金調達が注目されました。さらに、AMEDの「ヘルステック・チャレンジ」や難治性疾患向け医療機器の研究開発支援、NEDOの国際共同研究開発の公募も開始されています。
今週は、医療機器の承認申請に求められる評価の明確化、医療AIの実用化、研究開発資金の確保が重要なテーマとなりました。本記事では、医療機器メーカーや薬事担当者、SaMD開発企業が押さえておきたい最新ニュースを、実務への影響とともに解説します。

1. 法改正・通知関連
厚労省「歯科用骨補填材に係る評価について」(令和8年10月7日 医薬機審発1007第2号)
厚生労働省医療機器審査管理課が、歯科用骨補填材の承認申請に向けた評価指標を通知しました(10月9日掲載)。対象は吸収性骨再生用材料、人工骨インプラント、歯科用骨再建インプラント材などのうち、歯科の骨補填を目的とするものです。口腔内常在菌のいる環境で使う点が整形外科用と異なることを踏まえ、評価項目を示しています。顆粒・ブロック・硬化性ペーストごとに、化学組成、結晶相、気孔構造、機械的強度、溶解性/分解性、エンドトキシン、残留EO、ユーザビリティなどの確認事項を挙げています。非臨床評価では、自然治癒しない骨欠損モデルや口腔内を模擬した環境での試験を求めています。法令上の基準ではなく、申請時の参考となる考え方と位置づけられています。
<参照記事>
- 歯科用骨補填材に係る評価について
- https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T261009I0020.pdf
再生医療等製品の先駆け審査指定、JUNTEN BIOからAlliedCelへ承継(令和8年10月7日 事務連絡)
2020年に先駆け審査指定制度の対象品目に指定された「誘導型抑制性T細胞」(予定効能:肝移植後の免疫抑制剤の減量・中断)について、株式会社JUNTEN BIOへの指定を取り消し、引き継ぎ者のAlliedCel株式会社を改めて指定しました。指定番号「先駆審査(31再)第1号」はそのまま引き継がれます。開発主体が変わった場合の先駆け指定の扱いを示す事例です。
<参照記事>
- 再生医療等製品に係る先駆け審査指定制度対象品目の指定取消し及び先駆け審査指定制度対象品目の指定について
- https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T261009I0010.pdf
薬事審議会 再生医療等製品・生物由来技術部会を10月15日に開催(ステミラック注の承認可否を審議)
厚労省は10月8日、薬事審議会 再生医療等製品・生物由来技術部会を10月15日に開催すると発表しました(非公開)。審議事項は、再生医療等製品「ステミラック注」の製造販売承認の可否と再審査期間の指定の要否、「nexiguran ziclumeran」の希少疾病用再生医療等製品への指定の可否です。条件及び期限付承認を受けた製品のその後の承認判断として注目されます。
<参照記事>
- 薬事審議会 再生医療等製品・生物由来技術部会を開催します
- https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76385.html
PMDA、認定・登録外国製造業者リスト(2026年10月1日現在)を公表
PMDAは10月6日、医薬品等・医療機器等・再生医療等製品の外国製造業者の認定/登録番号リスト(2026年10月1日現在、PDF・Excel)を掲載しました。有効期限満了の5ヶ月前までに更新申請されていない認定・登録は黄色セルで示されます。海外製造所を使う製造販売業者は、承認・認証申請や一変の前に、利用する登録番号の有効期限と更新状況を確認しておく必要があります。
<参照記事>
PMDA、年末年始の治験計画届等の提出について依頼
PMDA審査マネジメント部は10月5日、年末年始(2026年12月29日〜2027年1月3日)をはさむ治験計画届等の提出について案内しました。対象は薬物、機械器具等、加工細胞等の届書です。30日調査対象の届書はできる限り12月1日(火)までに提出するよう求めています。その他の届書と治験安全性最新報告の受付は12月28日(月)まで、年始は2027年1月4日(月)からです。医療機器治験を予定する企業は、医療機関との契約締結日の設定に注意が必要です。
<参照記事>
- 治験計画届書等の受付業務について
- https://www.pmda.go.jp/review-services/trials/0021.html
PMDA、Early Consideration「少数例臨床試験に関する留意事項」説明会資料を掲載
2026年3月に公表したEarly Consideration「少数例臨床試験に関する留意事項」について、8月28日に開いた説明会の当日資料を掲載しました(10月5〜6日)。掲載資料は、Early Considerationの内容解説、事前質問への回答、製薬協タスクフォースの実践例などです。ランダム化比較試験の実施が難しい場合に、少数例試験の計画や対面助言・承認申請でどのような説明が求められるかを示しています。希少疾患向けの医療機器や再生医療等製品の臨床評価を計画する際にも参考になります。
<参照記事>
- Early Consideration「少数例臨床試験に関する留意事項」説明会開催のお知らせ
- https://www.pmda.go.jp/review-services/symposia/0207.html
PMDA、2025年度レギュラトリーサイエンス活動報告書(日本語版PDF)を公表
PMDAは10月6日、2025年度レギュラトリーサイエンス活動報告書の日本語版PDFを掲載しました。医薬品、医療機器、再生医療等製品に関する研究、ガイダンス作成、国際調和などの取組みをまとめたもので、英語版PDFも公開されています。審査側が重視している論点や今後の方向性を把握する資料として使えます。
<参照記事>
- レギュラトリーサイエンスについて
- https://www.pmda.go.jp/rs-std-jp/outline/0001.html
令和8年度 薬事功労者厚生労働大臣表彰、医療機器関係から7名が受賞
厚労省は10月5日、令和8年度の薬事功労者厚生労働大臣表彰の受賞者65名を発表しました。医療機器関係からは7名が受賞しています。表彰式は10月19日に厚生労働省講堂で行われ、受賞者名簿も公表されています。
<参照記事>
- 令和8年度 薬事功労者厚生労働大臣表彰を行います
- https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76394.html
2. 医療機器関連
INFIX、汎用冷凍手術ユニット「TargetCool(ターゲットクール)」の製造販売承認を取得
株式会社INFIXは、汎用冷凍手術ユニット「TargetCool」について、2026年9月17日付で医療機器製造販売承認を取得したと10月9日に発表しました。 用途は、疼痛や炎症の一時的な低減と、良性皮膚病変の局所凍結治療です。製造業者は韓国のRecensMedical, Inc.で、INFIXが国内の製造販売業者となります。
<参照記事>
- 「TargetCool(ターゲットクール)」医療機器製造販売承認取得のお知らせ
- https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000169692.html
日本マイクロポートCRM、新世代植込み型除細動器「TALENTIA ICD」の国内初症例を実施
日本マイクロポートCRMは、新世代植込み型除細動器「TALENTIA ICD」の国内初の植込みが大阪けいさつ病院で行われたと発表しました。 予測寿命はVRモデルで19.1年、DRモデルで18.5年です。リード評価アルゴリズム(LPE)とBluetooth通信を備え、植込み後の長期的な患者管理を支援します。 執刀医は、徐脈と遅い心室頻拍(Slow VT)の両方を考慮して治療を設定できるBTO(Brady Tachy Overlap)機能に、臨床的な意義があると述べています。
<参照記事>
- 【日本マイクロポートCRM】新世代植込み型除細動器「TALENTIA ICD」、大阪警察病院で国内初症例を実施
- https://www.yakuji.co.jp/entry140304.html
富士フイルム、「富士ドライケム IMMUNO AG カートリッジ RSV/hMPV」を発表
富士フイルムは、1つの鼻腔ぬぐい液検体でRSウイルスとヒトメタニューモウイルスを同時に検査できる抗原検査カートリッジを発表しました。 写真の現像技術を応用した「銀増幅イムノクロマト法」で標識を約100倍に増幅し、高感度での検出を可能にしています。専用装置「IMMUNO AG1/AG2」で自動判定でき、最短3.5〜15分で結果が出ます。発売は2026年11月末(富士フイルムメディカル経由)の予定です。
<参照記事>
- 富士フイルム,「富士ドライケム IMMUNO AG カートリッジ RSV/hMPV」新発売1つの検体でRSウイルスとヒトメタニューモウイルスを同時に検出できる抗原検査キット
- https://www.innervision.co.jp/products/release/20261109/
シーメンスヘルスケア、1.5T MRI「MAGNETOM Flow.Elite」がENERGY STAR認証を取得
シーメンスヘルスケアは、2025年11月に国内で発売した1.5テスラMRI装置「MAGNETOM Flow.Elite」が、米国EPAの省エネルギー認証制度ENERGY STARの認証を取得したと発表しました。同社は、医用画像診断装置として世界初の取得としています。 液体ヘリウムの使用量を従来の最大1,500Lから0.7Lに削減し、運用中の補充も不要としました。国内の導入施設では、MRI関連の電力消費が前機種比で平均約36%減ったと報告されています。
<参照記事>
- Siemens Healthineersの1.5T MRI装置「MAGNETOM Flow.Elite」が医用画像診断装置として世界初*のENERGY STAR®認証を取得~省エネルギー性能とヘリウムに依存しない設計で,持続可能な医療経営に貢献~
- https://www.innervision.co.jp/products/release/20261110/
Berry、頭蓋形状矯正ヘルメット「ベビーバンド」で国際見本市「MEDICA 2026」に出展
Berryは、3Dスキャンデータをもとに3Dプリンターで一人ひとりに合わせて製造する頭蓋形状矯正ヘルメット「ベビーバンド」(承認取得済み)を、MEDICA 2026(11月16〜19日、独デュッセルドルフ)の「MEDICA START-UP PARK」に出展すると発表しました。 ジェトロの出品支援を受けての出展です。国内では42都道府県、320施設以上の医療機関に導入されています。
<参照記事>
- 頭蓋形状矯正ヘルメット『ベビーバンド』、ドイツ・デュッセルドルフの国際医療機器見本市「MEDICA 2026」に出展
- https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000075.000113536.html
ウィーメックス、日本救急医学会総会でリアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」を出展
ウィーメックスは、10月27〜29日に出島メッセ長崎で開催される第54回日本救急医学会総会・学術集会でブースを出展し、リアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」を紹介します。 10月28日にはランチョンセミナーを開催し、地域救急医療での遠隔診療支援や、離島での遠隔医療と外傷外科教育への活用について講演が行われます。
<参照記事>
- 【ウィーメックス】「第54回日本救急医学会総会・学術集会」にブース出展‐ランチョンセミナーを開催
- https://www.yakuji.co.jp/entry140314.html
3. SaMD関連(プログラム医療機器)
AIRS Medical、MRI体組成解析AI「SwiftSight Body Composition」でFDA 510(k)クリアランス取得
韓国AIRS Medicalは、MR画像から内臓脂肪・皮下脂肪、腹部・大腿の筋肉量と筋質、左右の筋バランス、肝脂肪(プロトン密度脂肪分画)を定量するAIソフトウェアについて、FDAの510(k)クリアランスを取得したと発表しました。5分未満の撮像とAIによる自動解析を組み合わせ、年齢・性別を合わせた参照集団との比較をパーセンタイルで示すレポートを出力します。最初の導入先は米SimonMed Imagingの予定です。
<参照記事>
- AIRS Medical secures FDA clearance for MRI software
- https://www.auntminnie.com/imaging-informatics/artificial-intelligence/news/15836632/airs-medical-inc-airs-medical-secures-fda-clearance-for-mri-software
MRI2CT、通常の脊椎MRIから3D骨画像を生成するAI「NextMR」でFDA 510(k)クリアランス取得
MRI2CT社のクラウド型AIプラットフォーム「NextMR」が510(k)クリアランスを取得しました。1.5T/3Tの通常のMRIシーケンスから、腰椎・仙骨の3D骨画像を60秒未満で生成し、追加のCT撮影による被ばくを避けられるとしています。米国・イスラエルの施設で収集したMRI/CTペア145例の後ろ向きデータセットで、皮質骨の精度がサブミリ単位であることを示しました。
<参照記事>
- MRI2CT Receives FDA Clearance for AI-Powered Imaging Platform
- https://www.itnonline.com/content/mri2ct-receives-fda-clearance-ai-powered-imaging-platform
Wellysis、AI心電図解析SaMD「S-Patch CardioAI」でFDA 510(k)クリアランス取得
Samsung SDS発の韓国Wellysisは10月8日、心電図データを解析して不整脈を評価するAIソフトウェア「S-Patch CardioAI」が、2026年9月25日付でクラスIIとしてFDAの510(k)クリアランスを受けたと発表しました。適応上、Web/モバイルアプリの事業者がCardioAIを組み込むことができ、遠隔患者モニタリング事業者、独立診断検査施設(IDTF)、CROでの利用を想定しています。料金はサブスクリプションと検査単位の課金で提供する計画となっています。
<参照記事>
- Wellysis Secures FDA 510(k) Clearance for AI-Powered ECG Analysis Software, S-Patch CardioAI
- https://www.prnewswire.com/news-releases/wellysis-secures-fda-510k-clearance-for-ai-powered-ecg-analysis-software-s-patch-cardioai-302902323.html
英国政府、医療AI規制に関する国家委員会の44勧告をすべて受け入れ MHRAは「AI Airlock」第3フェーズの募集を開始
英国政府は、医療分野のAI規制に関する独立国家委員会が示した44の勧告をすべて受け入れると表明しました。AI搭載医療機器について、市販後の性能監視を重視するライフサイクル型の規制へ移行する方針を示し、段階的な承認経路の導入も検討しています。MHRAは市販後監視とライフサイクル規制に焦点を当てた規制サンドボックス「AI Airlock」第3フェーズの申請受付を始めました(第1陣の選定は2026年11月)。AI機器の変更管理に関するガイダンス案は2026年12月までに公表し、実施ロードマップの全体版は2027年春に示す予定です。
<参照記事>
- UK accepts AI commission regs as MHRA opens Airlock Phase 3
- https://htworld.co.uk/leadership/legal/uk-accepts-ai-commission-regs-as-mhra-opens-airlock-phase-3-htai26
日本発SaMDの米国事業化 Boston Medical Sciencesの大腸CT用CADeがFDAのBreakthrough Device指定とTAP採択
Boston Medical Sciencesが開発中の「無下剤バーチャル内視鏡™検査システム」(下剤なしで撮影した大腸CT画像からポリープ検出を支援するCADe)は、FDAのBreakthrough Device指定(2026年5月公表)とTAP(Total Product Life Cycle Advisory Program)採択(同6月公表)を相次いで受けました。日本発のSaMDで両方を受けた例は少数です。記事では、FDAの承認後もCMSの償還枠組みが整うまで数年かかり、その間の資金繰りが構造的なリスクになるといった、米国での薬事・事業化設計の論点を紹介しています(本製品は日米とも未承認。記事は企業PR)。
<参照記事>
- 日本発SaMDの米国事業化を目指して FDA Breakthrough DeviceとTAP
- https://aitimes.media/2026/10/05/20163/
エルピクセル調査:受診者の55%が「異常なし」の後も見落としを不安視 AIダブルチェック導入施設に約8割が安心感
画像診断支援AI「EIRL」シリーズを展開するエルピクセルは、画像検査を受けたことがある500名を対象にした調査の結果を公表しました。「問題なし」と言われた後も見落としが不安になることがある人は55.2%で、そのうち80%がAIによるダブルチェックを行う病院に安心感が増すと答え、65%がAIを導入している施設を選びたいと回答しました。全体の57.0%は、AIダブルチェックに1回500円以上を負担してもよいと答えました。AI医療機器の保険外での費用負担や受診者の受容性を考える材料になります(AI製品を提供する企業による調査)。
<参照記事>
- 【調査レポート】「異常なし」でも半数以上が抱く『検査の見落とし不安』、AIダブルチェック導入施設に約8割が「安心感」
- https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000097.000010005.html
4. 医療ベンチャー関連
Wandercraft、米外骨格メーカーEkso Bionicsを買収
仏Wandercraftは、米Ekso BionicsをChronoScale Holdingsの子会社から買収しました。買収条件は公表されていません。統合後は、リハビリ施設向けの「Atalante X」「EksoNR」と、個人向けの「Eve」「Indego Personal」の4製品を提供し、世界700以上のリハビリ・研究施設で使われる体制になります。米国ではMedicareの装具給付(HCPCSコードK1007)を使った個人用外骨格の普及も支援する方針です。
<参照記事>
- Wandercraft Acquires Ekso Bionics to Create Global Medical Exoskeleton Leader
- https://hlth.com/insights/news/wandercraft-acquires-ekso-bionics-to-create-global-medical-exoskeleton-leader
GE HealthCare、PET放射性医薬品CMOのSOFIE Biosciencesを9億4,500万ドルで買収へ
GE HealthCareは2026年10月5日、SOFIE BiosciencesをTrilantic North Americaから現金9億4,500万ドルで買収すると発表しました。SOFIEは米国内15拠点・21台のサイクロトロンでPET放射性医薬品を受託製造しています。GE HealthCareは第III相試験中のPETトレーサー「FAPI-74」の米国権利も取得します。クロージングは2027年上半期の予定です。
<参照記事>
- GE HealthCare To Acquire SOFIE Biosciences For $945 Million
- https://pulse2.com/ge-healthcare-to-acquire-sofie-biosciences-for-945-million/
MMI、マイクロサージェリー用ロボット「Symani」でシリーズD 1億2,500万ドルを調達
Medical Microinstruments(MMI)は2026年10月8日、BioStar Capital主導のシリーズDで1億2,500万ドルを調達したと発表しました。S3 Ventures、Angelini Ventures、非公表の事業会社も参加しています。Symaniはリンパ管再建や末梢神経修復などの軟部組織マイクロサージェリー向けで、世界で約50台が導入済み、約3,500件の手術実績があります。資金は臨床試験(アルツハイマー病を対象とするREMIND試験を含む)と商業展開に充てます。
<参照記事>
- MMI Secures $125M to Push Surgical Robotics Beyond Laparoscopy
- https://briefglance.com/articles/mmi-secures-125m-to-push-surgical-robotics-beyond-laparoscopy
非侵襲型の超音波BCIを開発するBridge Neurotech、1,350万ドルで始動しButterflyと提携
Bridge Neurotechは、General Catalystらから1,350万ドルを調達して活動を公表しました。機能的超音波イメージング(fUSI)で頭蓋骨越しに脳活動を読み取り、AIで解析する非侵襲型の脳コンピュータインターフェースを開発します。Butterfly Networkとは、同社の「Ultrasound-on-Chip」技術をライセンスする複数年契約を結びました。最初のヒト試験は米カリフォルニア州で被験者を募集中です。
<参照記事>
- Bridge Neurotech raises $13.5M to read brains with ultrasound, no implant
- https://thenextweb.com/news/bridge-neurotech-13-5m-ultrasound-brain-computer-interface
入院患者の容体悪化を予測する医療AIのHealthleap、Sequoiaらから3,800万ドルを調達
医療AIスタートアップのHealthleapは、シードとシリーズA(3,000万ドル)を合わせて総額3,800万ドル(約56億円)を調達しました。SequoiaやHummingbirdが参加しています。病棟のバイタル・検査値・看護記録をAIで解析して悪化リスクをスコア化し、注意が必要な患者を抽出します。電子カルテとの連携を前提とし、まず内科病棟から導入を進める計画です。
<参照記事>
- 医療AIスタートアップHealthleapが約56億円調達—Sequoia参画、臨床リスク予測の収益化モデルと日本の示唆
- https://aifrontnews.jp/healthleap-38m-raise/
英Sava、針を使わない血糖センサーでシリーズB 3,600万ドル Ascensiaが主導
英ロンドンのSavaは2026年10月9日、PHCホールディングス傘下のAscensia Diabetes Careが主導するシリーズBで3,600万ドルを調達したと発表しました。累計調達額は6,800万ドルです。従来のCGMより約10分の1の長さのマイクロセンサーで、指先穿刺に代わる血糖測定を目指しています。Ascensiaは欧州での販売も担います。製品は未承認で、今後大規模臨床試験を行い、非補助的使用でのCE取得を目指します。
<参照記事>
- Ascensia leads $36M Series B in Sava to replace fingerstick glucose testing
- https://techfundingnews.com/sava-36m-series-b-ascensia-fingerstick-glucose-cgm/
CSL、米国の血漿採取装置をテルモからHaemoneticsへ切り替え
豪CSLは、Haemoneticsとの関係を拡大し、同社の最新血漿採取(プラズマフェレーシス)プラットフォームを2027年末までに米国の全採取センターへ導入すると発表しました。現在使っているTerumo BCTの「Rika」システムからの移行にあたり、テルモ側とも円滑な移行を支援する合意を結んでいます。CSLは、採取ネットワークの効率を高める施策の一つとしています。
<参照記事>
- CSL updates its US plasma collection network partnership
- https://www.vermoegenszentrum.ch/en/stock-exchange-and-markets/news/csl-updates-its-us-plasma-collection-network-partnership
5. 医療機器が関連する補助金
AMED、令和8年度「医療機器開発推進研究事業(ヘルステック・チャレンジ)」の公募を開始
AMEDは10月8日、スタートアップや起業を目指すアカデミア研究者を対象とする「ヘルステック・チャレンジ」の公募を開始しました。対象は、アンメットニーズに応える革新的医療機器(特に治療機器)と、医療機関・家庭で広く使われるAI搭載のプログラム医療機器(SaMD)の2分野です。研究開発費は令和8・9年度が各年度上限380万円、令和10年度が上限760万円(直接経費)で、各分野0〜6課題程度を採択予定です。応募締切は11月4日正午(e-Rad経由)、10月15日にオンライン説明会が開かれます。
<参照記事>
- 令和8年度 「医療機器開発推進研究事業(ヘルステック・チャレンジ)」に係る公募について
- https://www.amed.go.jp/koubo/03002/01/B_00020.html
AMED、令和9年度「難治性疾患実用化研究事業」の公募を開始(医療機器の治験枠を含む)
AMEDは10月7日、令和9年度「難治性疾患実用化研究事業」の公募を開始しました。医療機器分野は、シーズ探索(ステップ0、上限2,000万円/年)、プログラム医療機器(上限2,000万円/年)、治験準備(ステップ1、上限6,000万円/年)、医療機器の治験(ステップ2、上限8,000万円/年)の4区分に分かれています。締切は11月24日正午(厳守)です。
<参照記事>
- 令和9年度 「難治性疾患実用化研究事業」に係る公募について
- https://www.amed.go.jp/koubo/03001/02/B_00013.html
NEDO、ディープテック・スタートアップの国際共同研究開発を公募(医療機器も対象)
NEDOは10月7日、「ディープテック・スタートアップ支援基金/国際共同研究開発」の2026年度公募を開始しました。Eurekaの「Globalstars」スキームによる多国間共同公募で、ドイツ、フランス、英国、韓国、シンガポールなど15か国・地域の企業と組む日本のスタートアップを支援します。医薬品や再生医療等製品の開発は原則として対象外ですが、医療機器や医療検査技術は対象に含まれます。助成率は2/3以内、1件あたり上限1億円で、締切は2027年1月20日正午です。
<参照記事>
- 2026年度「ディープテック・スタートアップ支援基金/国際共同研究開発」の公募について
- https://www.nedo.go.jp/koubo/CA2_100541.html
NEDO、介護に特化したAIモデル・AIロボティクスの開発事業の公募を予告
NEDOは10月9日、「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」の新テーマとして、「記録レス介護実現のための介護特化モデル及びAIロボティクスの開発」の公募を予告しました。事業期間は2026〜2029年度で、本公募は11月上旬に開始し、1か月以上受け付ける予定です。申請にはJグランツとGビズIDが必要で、ID取得には2週間以上かかる場合があるため、早めの準備が求められます。
<参照記事>
- 「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/記録レス介護実現のための介護特化モデル及びAIロボティクスの開発」の公募について(予告)
- https://www.nedo.go.jp/koubo/CD1_100456.html
米ARPA-H、ウェアラブル型バイオセンサー開発「Delphi」プログラムで4チームに総額1億ドル超を助成
米国のARPA-Hは、チップレット方式のバイオセンサー開発プログラム「Delphi」で、4チームに総額1億ドル超を助成すると発表しました(10月5日報道)。最大の助成先はMITで、心不全バイオマーカーを連続測定するウェアラブルパッチの開発に最大3,790万ドルが充てられます。このほかNovelna(心筋梗塞後の炎症測定、最大3,320万ドル)、ニューヨーク大学(皮下マイクロプローブによる炎症の連続モニタリング)、ワシントン大学(汗中たんぱくによる更年期移行の追跡)が選ばれました。
<参照記事>
- ARPA-H awards more than $100M to biosensor development projects
- https://www.medtechdive.com/news/arpa-h-awards-more-than-100m-to-biosensor-development-projects/832093/
インド政府、医薬品・医療機器の研究開発支援「PRIP」第1弾で41件・約160億ルピーを承認
インド医薬品局は、医薬品・医療機器の研究開発を支援する「PRIP(Promotion of Research and Innovation in Pharma MedTech)」の第1弾として、41件に約1,600クロール(160億ルピー)の支援を承認しました。内訳は新薬27件、新規医療機器9件、複雑なジェネリック・バイオシミラー5件で、うち19件はスタートアップ・中小企業によるものです。民間投資約3,020クロールと合わせ、研究開発の総額は約4,620クロールになる見込みです。
<参照記事>
- Government Approves ₹1,600 Crore for 41 Pharma, MedTech Innovation Projects Under PRIP
- https://ehealth.eletsonline.com/2026/10/government-approves-%E2%82%B91600-crore-for-41-pharma-medtech-innovation-projects-under-prip/
6. 海外市況
Stryker、Kevin Lobo CEOが年末で退任 後任はCOOのSpencer Stiles氏
米Strykerは、15年超にわたりCEOを務めたKevin Lobo氏が2026年12月31日付で退任し、2027年1月1日付でCOOのSpencer Stiles氏がCEOに就くと発表しました。Lobo氏は取締役会の執行会長に移り、取締役会は10名から11名に増えます。同社は計画的な段階移行と説明しています。
<参照記事>
- Stryker CEO Kevin Lobo to resign
- https://www.medtechdive.com/news/stryker-ceo-kevin-lobo-to-resign/832258/
Abbott、植込み型心不全モニタCardioMEMS HFの機能追加でFDA承認
Abbottは、CardioMEMS HFシステムの更新についてFDA承認を取得しました。米国の患者が「CardioGuide HF」アプリ(iOS/Android)で自分の肺動脈圧を確認でき、医師が圧の変化に応じた服薬調整計画(Dynamic Treatment Plan)をアプリ経由で患者に届けられます。提供開始は2026年後半の予定です。
<参照記事>
- Abbott receives US FDA approval for new CardioMEMS HF System capabilities that help patients engage in the care of their heart condition
- https://www.pharmabiz.com/ArticleDetails.aspx?aid=191086&sid=2
統合失調症の陰性症状を対象とするデジタル治療アプリ「Motivista」がFDAクリアランス取得
スマートフォンで心理社会的療法の要素を提供する処方デジタル治療アプリMotivista(Click TherapeuticsのCT-155)が、統合失調症の陰性症状を対象にFDAクリアランスを取得しました。陰性症状に対して認可された初の治療とされています。ただし保険償還の扱いはまだ決まっておらず、普及の課題として挙げられています。
<参照記事>
- FDA Grants Clearance to Motivista, the First Authorized Treatment for Negative Symptoms of Schizophrenia
- https://www.psychiatrictimes.com/view/fda-grants-clearance-to-motivista-the-first-authorized-treatment-for-negative-symptoms-of-schizophrenia
Argus Cognitive、AI自閉症診断支援ソフト「Neurora」でFDAクリアランス
Argus Cognitiveは10月8日、18か月〜12歳の小児を対象とする自閉スペクトラム症の診断支援ソフトウェアNeurora(クラスII SaMD)がFDAクリアランスを取得したと発表しました。標準的な行動評価の映像・音声から100以上の音声・表情・視線の指標を解析します。単独での診断ではなく、臨床医の判断と併せて用いる位置づけです。
<参照記事>
- FDA Clears Argus Cognitive’s Neurora to Support Autism Diagnosis in Children Ages 18 Months Through 12 Years
- https://www.morningstar.com/news/business-wire/20261008763773/fda-clears-argus-cognitives-neurora-to-support-autism-diagnosis-in-children-ages-18-months-through-12-years
Barclays、米医療機器大手のカバレッジを一斉開始 Stryker・Intuitiveは「Overweight」
Barclaysは10月7日、医療機器株25銘柄のカバレッジを開始しました。Stryker(目標株価375ドル)、Intuitive Surgical(485ドル)、Edwards Lifesciences、GE HealthCare、Dexcomなどを「Overweight」、Medtronic(95ドル)、Boston Scientific(48ドル)、Zimmer Biometを「Equal Weight」、BD・Baxterを「Underweight」としました。10月下旬からの7-9月期決算発表を前に、大手間で評価が分かれました。
<参照記事>
- U.S. Analyst Updates: October 7th, 2026
- https://theglobeandmail.com/investing/markets/stocks/ZS/pressreleases/5027742/us-analyst-updates-october-7th-2026
7. 弊社ブログ記事
【小児用医療機器】国内導入・開発が進まない理由とは?厚労省の調査と今後の制度動向を解説
AMEDの研究班が実施した、小児用医療機器の開発・国内導入に関する企業アンケートへの協力依頼通知を解説しました。市場規模の小ささや不採算性を背景に、小児用医療機器の導入の遅れや販売中止が起きています。研究班は、産官学の連携による基盤的レジストリの構築と、市販前から市販後までの臨床データの活用を目指しています。小児用の血管内治療機器を扱う企業が今後追うべき制度の動きをまとめています。
<参照記事>
- 【小児用医療機器】国内導入・開発が進まない理由とは?厚労省の調査と今後の制度動向を解説
- https://blog.rso.or.jp/%e3%80%90%e5%b0%8f%e5%85%90%e7%94%a8%e5%8c%bb%e7%99%82%e6%a9%9f%e5%99%a8%e3%80%91%e5%9b%bd%e5%86%85%e5%b0%8e%e5%85%a5%e3%83%bb%e9%96%8b%e7%99%ba%e3%81%8c%e9%80%b2%e3%81%be%e3%81%aa%e3%81%84%e7%90%86/
【医療機器メーカー必見】医用テレメータの電波管理ガイドを解説|メーカーが確認すべき対応とは?
電波環境協議会の「医用テレメータの電波管理実践ガイド」の周知を求める厚労省通知を、製造販売業者の視点で解説しました。病院の電波トラブルで最も多いのは「特定の場所で電波が十分に届かない」(79.2%)です。ガイドはメーカの役割として、アンテナ配線図や無線チャネル管理表の提供、C/N 30dB未満時の点検と改善策の提案、アンテナ工事の施工などを挙げています。納入時に渡す情報の点検や、新築・改修案件への設計段階からの関与など、メーカーが取るべき実務対応を紹介しています。
<参照記事>
- 【医療機器メーカー必見】医用テレメータの電波管理ガイドを解説|メーカーが確認すべき対応とは?
- https://blog.rso.or.jp/%e3%80%90%e5%8c%bb%e7%99%82%e6%a9%9f%e5%99%a8%e3%83%a1%e3%83%bc%e3%82%ab%e3%83%bc%e5%bf%85%e8%a6%8b%e3%80%91%e5%8c%bb%e7%94%a8%e3%83%86%e3%83%ac%e3%83%a1%e3%83%bc%e3%82%bf%e3%81%ae%e9%9b%bb%e6%b3%a2/
カルタヘナ法Q&Aが全面改訂|輸入・第一種使用の報告不要、第二種使用の確認期限とは?
令和8年9月1日付けで、カルタヘナ法に関する新しい質疑応答集(全49問)が示され、令和5年の旧Q&Aは廃止されました。輸入の報告と第一種使用等の状況報告が不要になり、状況報告は第二種使用等をする者に一本化されました。第一種使用規程の承認期限が「最初の国内被験者組入れまで」であることや、第二種使用等の確認期限が「出荷の可能性があるバッチの製造前」であることも明確になっています。遺伝子治療用製品や組換えウイルスを用いる再生医療等製品の関係者向けに、実務上の要点を解説しています。
<参照記事>
- カルタヘナ法Q&Aが全面改訂|輸入・第一種使用の報告不要、第二種使用の確認期限とは?
- https://blog.rso.or.jp/%e3%82%ab%e3%83%ab%e3%82%bf%e3%83%98%e3%83%8a%e6%b3%95qa%e3%81%8c%e5%85%a8%e9%9d%a2%e6%94%b9%e8%a8%82%ef%bd%9c%e8%bc%b8%e5%85%a5%e3%83%bb%e7%ac%ac%e4%b8%80%e7%a8%ae%e4%bd%bf%e7%94%a8%e3%81%ae/
弊社について
一般社団法人薬事支援機構(RSO)は、「未来の医療を支える技術の実現をサポート」というビジョンのもと、医療機器の薬事領域に特化したコンサルティングサービスを提供しています。
SaMD(Software as Medical Device)、レーザー等の能動機器、カテーテルをはじめとした非能動医療機器など、幅広い医療機器を対象に、開発初期段階から承認申請後までの一貫した伴走型コンサルティングを行っています。
医療機器業界の複雑な規制環境において、お客様の製品が円滑に承認を得るためのプロフェッショナルなサポートを国内向けに展開。製品の特性や開発フェーズに合わせた最適なアドバイスと戦略を提供しています。