概要
小児用医療機器に関する研究班のアンケート調査について、協力を依頼する通知です。厚生労働省医薬局医療機器審査管理課長が、各都道府県の衛生主管部(局)長あてに発出しました。規制や手続きを変えるものではなく、事業者に新たな義務は生じません。
アンケートの対象は、医療機器の製造販売業許可または製造業登録を持つ全国の企業です。都道府県には、管内の製造販売業者等へ調査を情報提供するよう求めています。回答期間は令和7年9月1日から9月30日までで、受付はすでに終了しています。
研究は、AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)の医薬品等規制調和・評価研究事業として行われています。調査結果は、厚生労働省などへの政策提言の基礎資料に使われます。小児の心臓病治療に使う血管内治療機器を扱う企業にとって、今後の制度の動きにつながる調査です。

1. 背景と目的
1.1 小児用医療機器の導入が遅れている
海外では使われていても、国内で承認されていない新生児・小児用の医療機器があります。国はこれまで、「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」によるニーズ指定などで、早期導入に取り組んできました。
それでも、市場規模の小ささや不採算性を背景に、医療上必要な小児用医療機器の導入の遅れや販売中止が起きています。別紙の依頼文も、小児の心臓病治療に欠かせない機器について指摘しています。新たな開発が進まないものや、製造・販売が中止されるものが少なくないというものです。
1.2 研究がめざす環境整備
研究は、小児用医療機器の開発環境を改善して、この課題の解決を図るものです。通知が挙げる柱は、産官学の緊密な連携のもとでの基盤的レジストリの構築です。高品質な臨床情報を製品の市販前から市販後まで取得できるようにし、製造販売後調査等に利活用できる体制を整えます。
レジストリとは、特定の疾患や治療を受けた患者のデータを継続的に登録・蓄積するデータベースです。患者数の少ない小児領域では、一社だけで十分な臨床データを集めることは容易ではありません。
2. 研究とアンケート調査の内容
2.1 研究の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 研究名 | 小児用医療機器開発を推進する環境整備に関する研究 |
| 事業 | 令和5年度 AMED 医薬品等規制調和・評価研究事業 |
| 研究代表者 | 昭和医科大学病院 小児循環器・成人先天性心疾患センター 藤井隆成氏 |
別紙の末尾では、研究代表者の所属として日本先天性心疾患インターベンション学会(JCIC)と日本小児循環器学会も並記されています。今回の調査は、小児用血管内治療医療機器の早期国内導入と安定供給を目指した政策提言に向けたものです。
2.2 何を聞く調査か
アンケートでは、医療機器の製造・販売に携わる企業が直面している課題を具体的に尋ねます。別紙は課題の例として、採算性・規制・開発体制などを挙げています。
回答は企業名を匿名化したうえで集計し、統計的に分析されます。分析結果は、厚生労働省や関連省庁への具体的な政策提言の基礎資料になります。
2.3 回答者情報と結果の共有
アンケートの冒頭には、回答者の氏名・電話番号・電子メールアドレスの記入欄があります。分割して回答する場合の識別と、回答内容について問い合わせる際の連絡に使うためのものです。回答の集計作業には使われません。
回答内容は厳重に管理され、企業名が特定できる形で公表されることはないとされています。調査結果の概要は、希望に応じて共有されます。
3. 実務対応
3.1 回答期間は終了している
回答期間は令和7年9月1日(月)から9月30日(火)まででした。通知の宛先は都道府県で、企業には都道府県を通じて情報提供される形がとられました。通知は協力の依頼であり、回答の義務や罰則の定めはありません。
3.2 回答した企業が確認しておくこと
調査結果の概要は、希望に応じて共有すると別紙に記載されています。回答時に共有を希望した企業は、届いた概要を自社の事業判断の参考にできます。
3.3 小児用医療機器を扱う企業が追っておくこと
この研究は政策提言を目的としています。レジストリの構築や製造販売後調査等への利活用が進めば、小児用医療機器の市販前後のデータ取得に関わってきます。対象になるのは、小児用の血管内治療機器を扱う企業や、海外で販売中の小児用機器の国内導入を検討している企業です。研究の成果と、それを受けた厚生労働省の検討の動きを確認してください。
まとめ
今回の通知は、AMEDの研究班が実施した小児用医療機器の開発・国内導入に関する企業アンケートについて、都道府県を通じて協力を求めたものです。回答期間はすでに終了していますが、調査結果は今後の政策提言に活用される予定であり、小児用医療機器の早期国内導入や安定供給、レジストリを活用した市販前・市販後のデータ収集に関する制度の動きは引き続き注視する必要があります。
特に、海外で販売されている小児用医療機器の国内導入を検討している企業では、日本での承認申請に必要な評価資料、臨床データの収集方法、PMDA相談、製造販売後調査までを見据えた薬事戦略が重要です。患者数が限られる小児領域では十分な臨床データの確保が課題となりやすいため、開発の早い段階から承認までの道筋を整理しておくことがポイントになります。
弊社(一般社団法人薬事支援機構)では、小児用医療機器を含む医療機器の国内導入、承認・認証申請、PMDA相談、申請資料の作成・レビューなどの薬事支援を行っています。「海外の小児用医療機器を日本で承認・販売したい」「必要な臨床データや申請資料が分からない」「PMDA相談から支援してほしい」といった場合は、開発・申請の初期段階からお気軽に弊社へご相談ください。