概要

PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)が、小児用医療機器の承認申請にかかる手数料の9割を補助する事業を令和7年度も実施しました。対象となるのは、小児専用・先天性疾患向け・特定の小児疾患に必要とされる医療機器の承認申請を行う企業です。補助対象期間は令和7年4月1日から令和8年1月31日まで。申請期限は令和8年1月31日必着で、PMDAへの補助金申請が必要となります。

通知本体は薬機発第6650号(令和7年10月16日)、PMDA理事長から日本医療機器産業連合会など8団体宛てに発出されました。

医療機器の申請・QMS構築に無料相談|初回30分の無料相談を承ります

1. 背景と目的

1.1 小児用医療機器の開発が進まない構造的な事情

小児の治療には、体格の小ささや先天性疾患への対応のため専用の医療機器が欠かせません。一方で、市場規模が成人用と比べて小さく、開発コストの回収が難しいという構造的な課題があります。結果として、海外で承認されている小児用医療機器が国内では使えない、いわゆる「ドラッグ・デバイスラグ」が長く指摘されてきました。

1.2 手数料減免による開発インセンティブの付与

国は、開発コストの問題に対して申請手数料の財政負担を軽減する形で開発を後押しする方針を打ち出しています。今回の通知はその一環で、令和7年4月1日付の厚生労働省発医薬0401第110号「医薬品副作用等被害救済事務費等補助金(革新的医療機器等相談承認申請支援事業等)の国庫補助について」に基づき、交付要綱の一部改正を反映したものです。

1.3 令和6年度からの継続事業

本事業は単年度の臨時措置ではなく、令和6年度に続いて令和7年度も実施されます。前年度に交付決定を受けたものの、令和7年1月31日の申請締切以降に追加で手数料を納付した品目も、今年度の対象に含めることが可能です。

2. 主要要件と補助の中身

2.1 対象となる医療機器(3類型)

補助の対象品目は、製造販売後に国内で供給する医療機器であることを前提に、次の3類型のいずれかに該当する必要があります。

  1. 小児専用の医療機器として承認申請された品目
  2. 小児期患者が主な対象患者となる先天性疾患のための医療機器
  3. 小児期から成人期まで使用可能で、特定の小児疾患に対して必要とされる医療機器

例えば、新生児や乳幼児向けに体格を合わせた人工心肺、先天性心疾患のためのカテーテルやステント、小児の先天性難聴に用いる人工内耳などがイメージしやすい対象です。3類型目は成人にも使えるものの「特定の小児疾患のために必要」という位置づけが鍵になります。

2.2 対象手数料は審査・信頼性調査・QMS適合性調査の3種類

PMDAへ納付した次の手数料が補助対象となります。

  • 審査手数料
  • 信頼性調査(適合性書面調査/GCP調査)手数料
  • QMS適合性調査手数料

収入印紙で納めた国宛ての手数料は補助対象外となる点に注意が必要です。あくまでPMDAへ振込で納付した手数料に限られます。

2.3 補助率は手数料の9割(千円未満切り捨て)

補助率は対象手数料の9割相当です。各手数料の金額に0.9を乗じ、千円未満を切り捨てた金額が支給されます。例えば、審査手数料が500万円であれば、450万円が補助されるイメージです。予算額に達した時点で残額のみが補助されるため、補助率が9割を下回る可能性も残ります。

2.4 対象期間と申請期限

対象期間は令和7年4月1日から令和8年1月31日まで。次のいずれかに該当する必要があります。

  • 令和7年2月1日から令和8年1月31日までに、対象品目の承認申請を受け付けたもの
  • 前年度に交付決定を受けたもののうち、令和7年1月31日の翌日以降に追加で対象手数料を納付したもの

3. 実務対応と申請フロー

3.1 補助対象の優先順位

予算額には限りがあるため、補助対象は次の優先順位で決定されます。

  1. 「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」で選定された開発要請品目、または特定用途医療機器の申請企業
  2. 希少疾病用医療機器および条件付き承認制度の該当品目
  3. 上記以外で、小児期患者への貢献度や医療ニーズを考慮した品目

それぞれのカテゴリ内では承認申請日順に決定されます。早期導入要請品目や特定用途医療機器の指定を受けている企業は優先度が高くなっています

3.2 申請から支給までの4ステップ

手続きの流れは次のとおりです。

  1. 対象品目の承認申請にかかる手数料をPMDAへ全額納付し、承認申請を行う
  2. 別紙様式1により、承認申請と同時または後日に補助金申請を行う
  3. PMDAから別紙様式2による交付決定通知を受領
  4. 別紙様式3により補助金交付請求を行い、支給を受ける

補助金は当該年度末までに支給されます。

3.3 添付書類と他補助金との関係

補助金申請には、承認申請書等鑑の写し、審査調査申請書の写し、手数料納付を証明できる書類の写しの添付が必要です。前年度の交付決定を引き継ぐ場合は、当該交付決定通知書の写しも添付します。

注意点として、国・AMED・地方自治体等の他の補助金等を受給している場合は、合算して補助対象額を上回って受け取ることはできません。様式1に併せて、他補助金の受給状況を申告する必要があります。応募予定・応募済み・採択済みの段階を問わず、該当があれば必ず記載してください。

3.4 問い合わせ先

提出先と問い合わせ先は次のとおりです。

  • 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 審査業務部 業務第二課
  • 〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル
  • 電話: 03-3506-9509(ダイヤルイン)
  • メール: kiki-tetsuzuki@pmda.go.jp

3.5 不正申請のリスク

補助金申請の内容に虚偽があった場合、補助金の支給取止め、返還、公表の対象となります。様式1にも明記されており、申請者本人がこれに同意した上での申請となります。社内の確認体制を整えた上で提出してください。

まとめ

令和7年度の小児用医療機器の承認申請支援事業は、PMDAに支払う審査手数料やQMS適合性調査手数料などの最大9割が補助される非常に活用価値の高い制度です。小児専用医療機器や先天性疾患向け医療機器を開発している企業にとって、承認申請時のコスト負担を大幅に軽減できる可能性があります。

一方で、補助対象となる品目の該当性判断、承認申請のタイミング、補助金申請書類の準備、他の補助金との重複確認など、実務上は事前に整理すべきポイントが少なくありません。特に特定用途医療機器や希少疾病用医療機器に該当する場合は、優先採択の対象となるため、早期の検討が重要です。

弊社(一般社団法人薬事支援機構)では、小児用医療機器の薬事戦略立案から承認申請資料の作成支援、PMDA対応、QMS適合性調査対応まで総合的にサポートしています。自社製品が補助対象となるか確認したい方、承認申請と補助金申請を効率的に進めたい方は、お気軽に弊社までお問い合わせください。

    お問い合わせはこちらから

    一般社団法人薬事支援機構は医療機器専門の薬事コンサルティング会社です。
    医療機器の薬事申請やQMSでお困りの際にはこちらからお問い合わせください。

    ご相談内容
    必須

    お名前
    必須

    メールアドレス
    必須

    お電話番号

    御社名
    必須

    メッセージ本文
    必須