概要

厚生労働省は令和8年3月31日、医療機器の製造販売承認申請書及び添付資料に関するQ&A(平成27年6月1日付け通知)を一部改正しました(医薬機審発0331第10号)。今回の改正は、添付文書の届出対象でない品目の添付文書(案)の取扱いを定めていたQ33・A33を削除するものです。添付文書の準備方法に関わる変更のため、承認申請を予定する薬事担当者は取扱いの前提を確認しておく必要があります。改正は新旧対照表の形式で示され、Q33・A33が丸ごと削除されました。

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1. 背景と目的

1.1 対象となった元Q&A

改正の対象は、平成27年6月1日付けの承認申請書・添付資料に関するQ&Aです。医療機器の承認申請では、申請書の各欄の書き方や添付資料の構成について実務上の疑問が多く、このQ&Aが判断のよりどころとされてきました。承認申請書は基本要件基準への適合性や添付資料との整合が求められ、細かな記載方法の統一が実務上重要になります。今回、そのうちの一つであるQ33・A33が削除されました。

1.2 削除されたQ33・A33の内容

削除前のQ33は、添付文書の届出対象とされていない品目について、添付文書(案)は備考欄に添付し、添付資料5項で設定根拠等を説明することでよいか、という問いでした。これに対するA33は、この取扱いを認めたうえで、次の点を示していました。添付文書の届出対象である品目の場合は、添付資料チの別添として添付文書(案)を添付し、添付資料5項に設定根拠等を記載すること。改良医療機器(臨床なし)または後発医療機器の場合は、添付資料5項において「警告」欄、「禁忌・禁止」欄、「使用上の注意」欄について既承認品の添付文書との対比を行うこと。今回の改正でこの一問一答が削除されました。

2. 改正のポイント

2.1 なぜ削除されたのか

Q33・A33は、添付文書の届出対象でない品目の添付文書(案)の添付場所(備考欄)と、設定根拠の記載場所(添付資料5項)を示したものでした。この論点は、添付文書制度や申請書の記載要領に関する後続の通知・運用の整備が進む中で、個別のQ&Aとして残す必要性が薄れたと考えられます。医療機器の添付文書は、届出制の導入など制度面の見直しが重ねられてきました。そうした流れの中で、平成27年時点の一問一答が現状にそぐわなくなったため、整理されたものと位置づけられます。

2.2 削除の実務上の意味

Q&Aの削除は、そこで示していた取扱いを一律に否定するものとは限りません。ただし、これまでQ33・A33を根拠に添付文書(案)を備考欄へ添付するなどの運用をしていた場合、今後は現行の添付文書制度や申請書記載要領、関連するQ&Aに沿って取扱いを確認する必要があります。特に、どの添付資料項目にどの資料を配置するかは審査の効率にも関わるため、最新の記載要領を根拠に整理し直すことが望まれます。判断に迷う場合は、都道府県薬務主管課やPMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)への照会が確実です。

2.3 添付文書と添付資料の関係を押さえる

医療機器の承認申請では、添付文書(案)と添付資料5項(設定根拠等)は密接に結びついています。削除前のQ33・A33は、この2つをどこに置き、どう説明するかを届出対象の有無で整理したものでした。添付文書は使用者へ安全性情報を伝える重要文書であり、その記載内容の根拠を添付資料で説明する構造は、Q&Aの削除後も変わりません。したがって、記載場所の細目が個別Q&Aから外れても、添付文書(案)と設定根拠をセットで整えるという基本は維持して準備を進めます。

3. 実務対応

3.1 申請中・準備中の品目での確認

承認申請の準備段階にある品目では、添付文書(案)の添付場所や設定根拠の記載欄について、削除されたQ33・A33に依拠していないかを点検します。特に、添付文書の届出対象でない品目を扱う場合は、現行の記載要領に照らして添付文書(案)と設定根拠の扱いを整理し直すことが求められます。過去の申請書式をテンプレートとして流用している場合は、参照した根拠が現行かどうかも確認します。

3.2 改良・後発医療機器での留意点

削除前のA33後段は、改良医療機器(臨床なし)や後発医療機器について、既承認品の添付文書と「警告」「禁忌・禁止」「使用上の注意」の各欄を対比する記載を求めていました。この対比自体は、既承認品との差分を明確にするうえで実務的に有用な考え方です。Q&Aの削除後も、審査での説明の充実という観点から、既承認品との対比整理を準備しておくことが望まれます。対比により、変更点や同等性の説明が明確になり、照会対応の負担軽減にもつながります。

3.3 最新の運用に合わせる

医療機器の承認申請書・添付資料の記載要領は、複数の通知やQ&Aで構成され、随時見直されています。今回のように個別のQ&Aが削除・改正されることがあるため、申請書類を作成する際は、参照している通知が現行版かを確認する習慣が重要です。厚生労働省やPMDAの通知一覧を定期的に確認し、社内の申請様式・チェックリストを更新しておくと、古い運用に基づく手戻りを防げます。

まとめ

今回の改正では、医療機器の製造販売承認申請書及び添付資料に関するQ&Aから、添付文書(案)の取扱いを定めていたQ33・A33が削除されました。改正内容自体は限定的ですが、これまで当該Q&Aを根拠として承認申請書や添付資料を作成していた場合は、現行の通知や記載要領に基づいて運用を見直すことが重要です。

特に、医療機器の承認申請では、添付文書(案)の作成方法や添付資料の構成、既承認品との対比資料の整理など、細かな記載内容が審査や照会対応に影響することがあります。最新の通知やPMDAの運用を踏まえ、社内テンプレートやチェックリストもあわせて見直しておくことで、申請時の手戻りや審査対応の負担軽減につながります。

弊社(一般社団法人薬事支援機構)では、医療機器の製造販売承認申請に関する薬事コンサルティングをはじめ、承認申請書・添付資料の作成支援、PMDA相談資料のレビュー、照会事項への対応支援まで幅広くサポートしています。医療機器の承認申請や添付文書、薬事戦略でお困りの際は、お気軽に弊社までお問い合わせください。

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