概要
2026年8月15日〜21日の医療機器業界では、国内外でSaMD・AI医療機器をめぐる動きが相次ぎました。国内では、厚生労働省・経済産業省による「第6回 SaMD産学官連携フォーラム」の開催発表や、PMDAの簡易相談予定、外国製造業者リストの更新、地方企業向け保険適用相談会の案内など、開発・承認・事業化を支援する施策が目立ちました。
製品・事業面では、オリンパスの新型内視鏡、理研ジェネシスのコンパニオン診断薬、ExaMDの認知機能AI診断支援アプリなどに進展がありました。また、フォーカスシステムズの第二種医療機器製造販売業許可取得や、I-PEXのISO 13485取得など、異業種から医療機器分野へ参入する動きも続いています。
海外では、FDAが生成AI搭載医療機器の規制枠組みに関する議論を開始したほか、自律型ロボット採血機器のDe Novo承認など、AI・自律型医療機器の規制が新たな段階に入りつつあります。加えて、AI医療機器の臨床エビデンス不足を指摘する研究、医療ベンチャーの大型資金調達、NEDO・AMEDの支援制度など、今後の医療機器開発や薬事戦略に関わる動向をまとめます。

1. 法改正・通知関連
PMDA、2026年10月分の簡易相談実施予定を公表(医療機器等)
PMDAは2026年8月21日、医療機器・体外診断用医薬品を対象とした簡易相談の10月実施予定を掲載しました。医療機器・体外診断用医薬品の区分は予約受付が実施日2週間前の水曜13時30分から15時00分、GCP/GLP/GPSP調査およびGMP/QMS調査は火曜の同時間帯で、手数料は医療機器・体外診断用医薬品が39,400円、認証基準該当性簡易相談が79,800円となっています。認証基準該当性簡易相談は、登録認証機関に事前相談したうえで判断困難とされた品目のみが対象です。
<参照記事>
厚労省・経産省、「第6回 SaMD産学官連携フォーラム」を9月16日に開催
厚生労働省は2026年8月20日、経済産業省との共催で「第6回 SaMD産学官連携フォーラム」を9月16日に虎ノ門ヒルズフォーラムで開催すると発表しました。テーマは「SaMDスタートアップの成長加速に向けた資本戦略とエコシステム形成」と「省力化・均てん化に資するSaMDの研究開発・普及の促進に向けて」の2本立てで、医療機器審査管理課長および医療機器政策室長による施策紹介が基調講演に組み込まれています。現地500名・Web1,500名のハイブリッド開催で参加費は無料です。プログラム医療機器の審査・普及施策の最新方針を直接確認できる場となります。
<参照記事>
- 「第6回 SaMD産学官連携フォーラム」を開催します
- https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75257.html
厚労省、「医薬品・医療機器等の保険適用に関する相談会」を京都・福岡で開催
厚生労働省医政局医薬産業振興企画課は2026年8月21日、地方所在企業向けの保険適用相談会を令和8年10月2日に京都、11月24日に福岡で開催すると公表しました。定員は医薬品、医療機器・体外診断用医薬品それぞれ各日5社まで、対象は製造販売業者等の開発関係企業および大学等研究機関です。福岡会場は福岡県との共催で、医療機器・体外診断用医薬品の保険適用相談のみの受付となり、あわせて福岡県主催でQMS等をテーマとした医療機器関連セミナーとPMDA戦略出張相談も実施されます。申込期限は京都が9月17日、福岡が11月4日までとなっています。
<参照記事>
- 「医薬品・医療機器等の保険適用に関する相談会」を開催します
- https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75576.html
PMDA、認定・登録外国製造業者リストを2026年8月17日現在に更新
PMDAは2026年8月20日、医薬品医療機器等法第23条の2の4に基づく医療機器等外国製造業者の登録等を含む認定・登録外国製造業者リストを、2026年8月17日現在の内容に更新して公表しました。PDF版とエクセル版が提供され、有効期限満了日の5ヶ月前を過ぎても更新申請がされていない認定・登録は黄色セルで示されます。PMDAは、公表されている認定・登録を利用する場合でも輸入する製造販売業者等が直接当該外国製造業者に手続き状況を確認するよう求めています。
<参照記事>
PMDA、2025年度の医療機器相談受付状況を公表
PMDAは2026年8月21日、患者・一般向け医療機器相談窓口の2025年度受付状況を掲載しました。相談件数は年間193人、1日平均0.8人で、使用者の年齢層は10歳未満から80歳以上に及ぶものの50歳以上からの相談が多くなりました。品目別ではグルコースモニタシステムが22件で10.1%、家庭用電位治療器が17件で7.8%と上位を占め、相談内容は安全性に関するものが21.5%、使用目的または効果に関するものが9.4%でした。市販後の使用者側の関心がどこに集まっているかを示すデータとして、添付文書や情報提供資材の見直しの参考になります。
<参照記事>
- 医療機器相談の受付状況(2025年4月から2026年3月)
- https://www.pmda.go.jp/safety/consultation-for-patients/on-devices/state/0001.html
厚労省、危険ドラッグ成分4物質を指定薬物とする省令を公布
厚生労働省は2026年8月18日、危険ドラッグに含まれる4物質を新たに指定薬物とする省令(令和8年厚生労働省令第131号)を公布し、8月28日に施行すると発表しました。8月17日の薬事審議会指定薬物部会で指定が適当とされた物質で、健康被害の防止を理由にパブリックコメント手続きを省略しています。施行後は医療等の用途以外での製造、輸入、販売、所持、使用等が禁止され、厚労省は水際対策と無承認無許可医薬品としての指導取締りを強化する方針を示しました。
<参照記事>
- 危険ドラッグの成分4物質を新たに指定薬物に指定
- https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000212707_00056.html
厚労省、使用上の注意の改訂指示通知を発出(医薬安発0817第1号)
厚生労働省は2026年8月17日付で使用上の注意の改訂指示通知を発出し、PMDAが同日これを掲載しました。対象はドナネマブ(遺伝子組換え)およびレカネマブ(遺伝子組換え)の2成分で、それぞれ改訂内容と調査結果報告書が公開されています。2026年度指示分のページでは8月7日付のビルトラルセンに係る通知も併載されており、添付文書改訂相談に基づく改訂の取扱いとあわせて確認できます。
<参照記事>
PMDA、再生医療等製品の最適使用推進ガイドラインを更新
PMDAは2026年8月18日、再生医療等製品の最適使用推進ガイドラインのページを更新しました。最新版一覧には2026年8月12日付のテロメライシン注(根治切除および化学放射線療法の適応とならない食道癌)が加わったほか、5月19日付のアクーゴ脳内移植用注とアムシェプリ、7月14日付のアロステムシートとエドスチラドリン膀胱内注入液が並んでいます。ガイドラインは新規作用機序を有する革新的な再生医療等製品について承認審査と並行して作成され、患者および医療機関の要件を定めるもので、取扱いは薬生薬審発0930第1号・保医発0930第1号に基づいています。
<参照記事>
- 最適使用推進ガイドライン(再生医療等製品)
- https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/ctp/0011.html
PMDA、国際共同治験ワンストップ窓口との連携情報を更新
PMDAは2026年8月18日、厚生労働省がドラッグラグ・ロス対策として開始した「国際共同治験ワンストップ相談窓口事業」との連携に関する情報を更新しました。新興バイオ医薬品企業の開発品を円滑に日本へ導入することを目的とし、ナショナルセンターが臨床研究中核病院等と連携して運営する事業に対し、PMDAは対面助言の優先的な取扱い等を実施します。連携の枠組みは2026年2月10日付の医政研発0210第2号、医薬薬審発0210第2号、医薬機審発0210第2号で示されています。
<参照記事>
- 国際共同治験ワンストップ窓口との連携
- https://www.pmda.go.jp/review-services/f2f-pre/8999.html
PMDA、MID-NETの利活用状況を更新
PMDAは2026年8月17日、医療情報データベースMID-NETの利活用状況ページを更新しました。行政利活用としては、2026年6月15日承認のアバコパン処方患者における肝胆道系臨床検査値推移の評価や、2026年3月23日承認のビスホスホネート製剤の後発医薬品・先発医薬品における添付文書改訂の影響に関する疫学調査などが掲載されています。利活用の可否は独立した第三者で構成される有識者会議の意見を聴いたうえで判断され、結果の公表可否も公表基準に基づき判定されます。
<参照記事>
- MID-NETの利活用状況
- https://www.pmda.go.jp/safety/mid-net/0010.html
2. 医療機器関連
オリンパス、4K・3D・IR観察に対応した先端湾曲ビデオスコープを国内発売
オリンパスは8月20日、外科手術用内視鏡システム「VISERA ELITE III」に対応するENDOEYE FLEX 3D 先端湾曲ビデオスコープ「LTF-S700-10-3D」を2026年9月から日本および欧州で発売すると発表しました。 1本のスコープで4K・3D・IR(赤外光)観察に対応し、術中にスコープを差し替えることなく多様な観察モードを切り替えられます。 先端湾曲機構により、限られた術野でも術者が必要な視野を柔軟に確保できる点を訴求しています。
<参照記事>
- オリンパス、4K・3D・IR観察に対応した先端湾曲ビデオスコープを国内発売 1本のスコープで多様な観察モードを実現し、効率的で質の高い内視鏡外科手術に貢献
- https://www.olympus.co.jp/news/2026/nr03042.html
伊藤超短波、総合電気刺激装置「エスミス ES-5201」を9月1日に発売
伊藤超短波は9月1日、低周波治療器・干渉電流型低周波治療器組み合わせ理学療法機器「エスミス ES-5201」を発売します。 長年使われてきた「イトーES-5000」の機能・性能を継承しつつ、最新の導子と電気刺激モードに対応させたフラッグシップモデルです。 立体動態波に加えハイボルテージ、EMS、MCRを1台に集約し、3D治療モードなど6種類の治療モードを搭載しています。
<参照記事>
- 【新製品】総合電気刺激装置「エスミス ES-5201」、9月1日に発売へ 伊藤超短波
- https://www.yakuji.co.jp/entry138148.html
理研ジェネシス、「AmoyDx肺癌マルチ遺伝子PCRパネル」がHER2変異のコンパニオン診断として承認
理研ジェネシスは8月17日、体外診断用医薬品「AmoyDx肺癌マルチ遺伝子PCRパネル」について、HER2遺伝子変異陽性に対する薬剤の適応判定の補助の承認を8月6日付で取得したと発表しました。 これにより同製品は、日本ベーリンガーインゲルハイムの「ヘルネクシオス錠60mg」(ゾンゲルチニブ)のコンパニオン診断薬として、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者の適応判定に使えるようになります。 今後シリーズの追加承認を経て、非小細胞肺癌の8種のドライバー遺伝子に対応するコンパニオン診断薬となる見込みです。
<参照記事>
- 【理研ジェネシス】「AmoyDx肺癌マルチ遺伝子PCRパネル」が承認‐「ヘルネクシオス錠」へのコンパニオン診断薬
- https://www.yakuji.co.jp/entry138115.html
I-PEX、ISO 13485を取得し医療機器分野へ本格参入
京都のI-PEXは8月19日、8月18日付でISO 13485認証を取得し、医療機器製造に求められる国際的な品質基準に適合した生産・品質体制を構築したと発表しました。 あわせて、エア・ウォーター・メディカルが製造販売承認を取得した呼吸器系治療機器(クラスIII)について、設計・主たる組み立て・最終保管を担う製造パートナーとして2026年6月より量産を開始しています。 コネクタで培った高密度実装・精密組立技術と量産自動化技術を医療機器の受託製造に展開する構えで、国内の医工連携型サプライヤーの動きとして注目されています。
<参照記事>
- I-PEX、ISO13485を取得し医療機器分野へ本格参入 呼吸器系治療機器の量産を開始
- https://www.atpress.ne.jp/news/623023
エクサウィザーズグループのExaMD、認知機能AI診断支援アプリでPMDA「先駆け総合評価相談」を開始
エクサウィザーズは8月20日、グループ会社ExaMDが開発中の認知機能AI診断支援アプリについて、PMDAとの「先駆け総合評価相談」を開始したと発表しました。 先駆け審査指定制度に基づく優先審査を活かし、2026年度内の製造販売承認取得を目指しています。 認知症診療の入口となる認知機能評価をアプリで支援するプログラム医療機器(SaMD)で、承認されれば国内の認知症スクリーニング領域に新たな選択肢が加わります。
<参照記事>
- エクサウィザーズグループのExaMD、認知機能AI診断支援アプリについてPMDAとの「先駆け総合評価相談」を開始 〜優先審査指定と本製品の特性を最大限活かし、2026年度内の製造販売承認取得を目指す~
- https://exawizards.com/archives/32632/
SPLYZA、3次元動作解析の「SPLYZA Motion Medical」を一般医療機器(クラスI)として届出完了
静岡県浜松市のSPLYZAは8月18日、iPad 1台で3次元動作解析ができる「SPLYZA Motion Medical」の製造販売届出を完了し、歩行分析計(一般医療機器・クラスI)として販売を開始したと発表しました(提供開始は7月30日)。 マーカー貼付や大掛かりな機材が不要で、TUGテストであれば撮影から解析まで最短1分で完了します。関節角度・角速度・トルクなどの運動学的パラメーターを記録しPDFレポートを出力します。 スポーツ教育向けの映像解析技術を医療・リハビリ領域へ転用した事例です。
<参照記事>
- スポーツ教育で培ったAI動作解析技術を医療へ。SPLYZA、歩行分析計として一般医療機器(クラスⅠ)の届出を完了
- https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000073.000012922.html
フォーカスシステムズ、第二種医療機器製造販売業許可を取得し褥瘡AIの事業化を加速
フォーカスシステムズは8月20日、第二種医療機器製造販売業許可を取得したと発表しました。 管理医療機器(クラスII)やプログラム医療機器(SaMD)の製造販売に向けた体制を整え、開発中の「褥瘡AI」をはじめとする医療向けAIの研究・事業化を進めています。 褥瘡AIは褥瘡の画像をAIで解析し、医療従事者による評価を支援するシステムです。IT企業が許可取得を経て医療機器事業へ踏み出す典型的な動きといえます。
<参照記事>
- フォーカスシステムズ、第二種医療機器製造販売業許可を取得 褥瘡AIの事業化加速
- https://medicaltech-news.com/medical-support/12459/
AMED「革新的な医療機器創出プロジェクト」採択、うつ病治療反応性予測AIの共同研究が始動
UNB住吉神社前クリニック(福岡市)は8月18日、AMEDの令和7年度「次世代型医療機器開発等促進事業(革新的な医療機器創出プロジェクト)」に採択された「脳機能指標に基づいたうつ病治療反応性予測AIの開発」の共同研究に参画すると発表しました。 ユニバーサル・ブレインを中心に、九州大学病院精神科神経科、国立病院機構肥前精神医療センター、国立精神・神経医療研究センターの産学医5機関が参加します。 同社が独自開発した8チャンネル非侵襲的脳波計「UB ERP System」を用い、事象関連電位(ERP)を治療モニタリングへ応用する臨床的有用性を検証しつつ、同システムの薬機法承認取得も視野に入れています。
<参照記事>
- AMED「革新的な医療機器創出プロジェクト」採択の共同研究へ参画
- https://www.jiji.com/jc/article?k=000000002.000183436&g=prt
長野県医工連携技術展示商談会、9月3日に東京・日本橋で開催
長野県産業振興機構(NICE)信州医療機器事業化開発センターとプレモパートナーは8月19日、9月3日に日本橋ライフサイエンスハブで「長野県医工連携技術展示商談会」を開催すると発表しました。参加費は無料です。 医療機器・ヘルスケア分野のスタートアップや研究者、開発担当者を対象に、精密加工・電子機器・金属加工・樹脂成形などに強みを持つ長野県内のものづくり企業と、試作・量産・部材調達・製造委託・共同開発を商談する場を設けます。 当日は薬事やQMSを含む事業化課題についての無料相談会も併催されます。
<参照記事>
- 長野県内の「ものづくり企業」と「医療機器開発者」をつなぐ展示商談会を9月3日に東京・日本橋で開催
- https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000036.000059971.html
3. SaMD関連(プログラム医療機器)
エクサウィザーズ子会社ExaMD、認知機能AI診断支援アプリでPMDA「先駆け総合評価相談」を開始
ExaMDが開発中の、スマートフォンの音声から認知機能を分析するプログラム医療機器(SaMD)について、PMDAへの先駆け総合評価相談の申込みが2026年8月20日付で受理されました。本製品は2025年2月に厚生労働省の優先審査対象品目に指定されており、治験は2026年8月に全症例の観察を終了しています。約1分の自由会話で判定でき、探索的試験では約95%の判定精度を確認したとしています。承認申請に先立ち臨床・非臨床・QMS・信頼性の評価を受けることで論点を事前整理し、2026年度内の製造販売承認取得を目指しています。在宅利用に関する相談も今回の相談に含まれます。
<参照記事>
- エクサウィザーズグループのExaMD、認知機能AI診断支援アプリについてPMDAとの「先駆け総合評価相談」を開始
- https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000486.000030192.html
FDA、生成AI搭載医療機器の規制枠組みでディスカッションペーパーを公表しパブリックコメントを開始
FDAは2026年8月18日にパブリックドケットを開設し、生成AIを用いた医療機器の市販前評価・リスク評価・市販後監視のあり方について、製造業者・臨床医・研究者らから意見を募り始めました。締切は2026年10月19日です。デジタルヘルス卓越センターが主導するこの文書は、リスク評価を二軸で捉える枠組みを提示し、市販前評価では医師の研修・資格認定になぞらえた「コンピテンシー評価」(非臨床のベンチマーキングと臨床での確認)を提案しています。基盤モデルやエージェント型AIの扱い、進化し続けるシステムに対するリスク比例型の市販後監視も論点に挙がっています。FDAが生成AI固有の規制枠組みづくりに正面から取り組む初の公式な動きとなります。
<参照記事>
- FDA Seeks Input on Regulatory Framework for GenAI Medical Devices
- https://www.mddionline.com/artificial-intelligence/fda-seeks-input-on-regulatory-framework-for-genai-medical-devices
FDA承認済みAI医療機器1,357件のうち、患者アウトカムを評価したのはわずか3件
PLOS Digital Health誌に掲載された研究が、AI/ML搭載機器の規制上の承認・認証と臨床的検証との間に大きな隔たりがあることを示しました。1,357機器のうち登録済み臨床試験と紐づくものは3%未満(34件)、ClinicalTrials.govに結果が掲載されたものは12件にとどまり、罹病・再入院・死亡といった患者中心アウトカムを評価したものは3件(0.2%)だけでした。エビデンスの多くは後ろ向きの精度指標や代替エンドポイントに依存し、登録試験の68%は米国内のみで実施されています。著者らは、多様なデータセットでの後ろ向き検証、500例以上の前向き業務組込み試験、2,000例以上の多施設試験という段階的な検証枠組みを提案しています。
<参照記事>
- Only three of 1,357 FDA-cleared AI devices tested patient outcomes
- https://www.news-medical.net/news/20260820/Only-three-of-1357-FDA-cleared-AI-devices-tested-patient-outcomes.aspx
FDA、PCCP(事前変更管理計画)を単なる手続き簡略化ではなく機器の「便益」と位置づける動き
ユーザーフィー交渉のドラフトコミットメントレターとある de novo 決定から、FDAがPCCPをAI機器規制の中核に据えようとしている実態が読み取れる、との法律事務所の分析です。FDAは生成AI・適応型アルゴリズム・エージェント型AI等の技術専門人材を拡充し、その専門性をPCCP審査に充てると明記しました。またCaption Health社のEF自動計測ソフトのde novoでは、「事前変更管理計画を伴う放射線用機械学習ベース定量画像ソフトウェア」という、PCCPの存在自体を定義に組み込んだ新しい一般的名称が新設されました。既存の510(k)品との唯一の違いがPCCPの追加だった点、そして決定サマリーが「性能が改善し続けること」を probable benefit として評価している点が注目されています。過去2年でPCCP付きの承認・認証は200件を超えました。
<参照記事>
- Premarket Review of AI Medical Devices: FDA Hints at Larger Role for Regulatory Tool that Predicts How A Device May Learn and Evolve
- https://www.jdsupra.com/legalnews/premarket-review-of-ai-medical-devices-7817685/
フォーカスシステムズ、第2種医療機器製造販売業許可を取得し褥瘡AIの事業化へ
情報システム大手のフォーカスシステムズが第2種医療機器製造販売業許可を取得したと2026年8月21日に発表しました。管理医療機器(クラスII)およびプログラム医療機器(SaMD)の製造販売に向けた体制基盤を構築するものです。医療現場の重要課題とされる褥瘡に関するAI開発を起点に、AI医療機器の研究開発・事業化を進めるとしています。IT事業者がSaMD参入にあたりまず業許可から固める典型的な流れといえます。
<参照記事>
- フォーカスシステムズ 第2種医療機器製造販売業許可を取得、褥瘡AI事業化を推進
- https://zaikei.co.jp/article/20260821/866833.html
タウンズ、Craifの約53億円シリーズDを共同主導——膵がんSaMDの薬事承認へ
タウンズは2026年8月18日、資本業務提携先のCraifが総額約53億円のシリーズDラウンドを実施し、Granite Integral Capitalとともに共同主幹投資家となったと発表しました。内訳は第三者割当増資・セカンダリー取引が約48億円、融資が5億円となっています。Craifは尿中マイクロRNA解析技術を基盤に尿がんリスク検査「マイシグナル」と膵がん医療機器プログラムを開発しており、調達資金の一部を膵がんSaMDの薬事承認に向けた臨床開発に充てます。タウンズは開発中の膵がんSaMDについて国内独占販売権を持ち、他がん種向けSaMDにも優先交渉権を有しています。
<参照記事>
- タウンズ、Craifの53億円シリーズDを共同主導、膵がんSaMD連携を推進
- https://zaikei.co.jp/article/20260819/866423.html
近畿大学・京都大学ら、8種類の色素性皮膚病変を判別し診断根拠を可視化するAIを開発
近畿大学医学部皮膚科学教室を中心に、京都大学・札幌医科大学・広島大学が共同で、通常のカメラで撮影した皮膚画像から、しみ・ほくろ・皮膚がんなど8種類の色素性皮膚病変を自動判別するAIを開発しました(発表は2026年8月17日)。従来のAI画像診断は精度が高くても判断理由がブラックボックスである点が臨床導入の障壁だったが、本AIは画像のどこに注目したかを濃淡のヒートマップで描き出し、判別の根拠を人が目で確認できます。高い診断精度と説明可能性を同時に実現した点に意義があるとしている。論文は2026年7月23日に “JAAD International” に掲載されました。
<参照記事>
- 8種類の色素性皮膚病変を高精度で判別―診断根拠を可視化するAIを開発、医療現場への導入に期待―
- https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2026-08-17-0
J&J MedTech、気管支鏡ロボット「Monarch」の新ソフトウェアがFDAクリアランスを取得
Johnson & Johnson MedTechは2026年8月17日、気管支鏡ロボット支援プラットフォームMonarch向けの最新ソフトウェア「Monarch Quest 3」を発表しました。レジストレーション精度を改善し、スコープ先端の向きを把握しやすくする3Dコンパスのオーバーレイ表示を新たに導入しました。加えて、術前画像と術中の実際の解剖が一致しない CT-to-body divergence に対処するため、移動型・据置型のコーンビームCTとの互換性を拡大しています。ハードウェアではなくソフトウェアのアップデート単独で規制当局の許可を取る、プラットフォーム型医療機器の典型的な進化の形です。
<参照記事>
- Johnson & Johnson wins FDA clearance for new robotic bronchoscopy software
- https://www.massdevice.com/johnson-johnson-wins-fda-clearance-for-new-robotic-bronchoscopy-software/
AI搭載SaMDが規制ルートを塗り替えている——De Novoから510(k)へのシフト
2026年4月時点でFDAが認めたAI搭載医療機器は1,500件を超え、その97%が直近10年、68%が2022年以降の認可だそうです。領域別では放射線科が76%と圧倒的で、循環器10%、神経内科4%が続いています。かつてAI搭載SaMDは、同等性を主張できる既存品がないためDe Novo区分で扱われることが多かったが、De Novoによって新たな一般的名称が設定された結果、後発品はそれを予測対象機器として510(k)で申請できるようになりつつあります。同時に各国規制当局は枠組みの現代化を進めており、開発者にとっては選べるルートが増える一方で要求も複雑化しています。
<参照記事>
4. 医療ベンチャー関連
VRデジタル療法のBiPSEE、シリーズA 2ndクローズで累計9.9億円に
うつ病を対象としたVRデジタル療法(VRx)を開発するBiPSEEが、JICベンチャー・グロース・インベストメンツと京都大学イノベーションキャピタルを引受先とする第三者割当増資を実施し、NEDOのディープテック・スタートアップ支援事業の助成金と合わせて累計調達額が9.9億円に達しました。 同社のVRxは厚生労働省の「プログラム医療機器に係る優先的な審査等の対象品目」に指定されており、現在うつ病患者を対象とした検証的試験を実施中です。調達資金は治験の推進と薬事承認取得に向けた体制強化に充てます。
<参照記事>
- VRデジタル療法のBiPSEE、シリーズAの2ndクローズを完了。累計の資金調達金額は9.9億円に。
- https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000033812.html
東証グロース上場のMRT、糖尿病足病変のセカンドハートと資本業務提携
医師人材プラットフォームを展開するMRTが、糖尿病による足切断ゼロを掲げるセカンドハートへ499万円(発行済株式の約1.33%)を出資し、資本業務提携を締結しました。セカンドハートはスマートフォンで足の状態を撮影・記録し医療機関と共有するクラウド型遠隔フットチェックサービス「Steplife」を提供しています。 提携はまずマレーシアを対象としています。同国は20〜79歳の糖尿病有病率が21.1%(約475万人)と高く、MRTがベトナムで培った医療プラットフォーム基盤とセカンドハートの糖尿病ケア知見を組み合わせ、ASEAN域内への展開を図っています。
<参照記事>
- MRTが糖尿病による足切断ゼロを目指すセカンドハートと資本業務提携契約を締結
- https://digitalpr.jp/r/141434
栗原医療器械店、長野の医療機器ディーラー共栄医科器械の株式取得で最終契約
関東・信越エリアで医療機器販売を手掛ける栗原医療器械店(群馬県太田市)が、2026年8月21日付で共栄医科器械(長野県長野市)の株式取得に関する最終契約を締結しました。2025年10月23日の基本合意を経ての最終合意で、株式取得の実行は2026年10月1日を予定しています。 共栄医科器械は長野県を地盤とし、一般医療材料に加え整形外科・血管内治療などの専門分野製品を扱うディーラーです。取得後は両社の顧客基盤と営業力を統合し、長野県を中心とする地域医療向けの供給体制を強化します。
<参照記事>
- 共栄医科器械株式会社の株式取得に関する最終契約締結のお知らせ
- https://www.asahi.com/and/pressrelease/16825797
全身スキャン×AIの予防医療サービスAI Dock、シードで約2.6億円を調達
DWIBS(全身MRI拡散強調画像)を含む画像検査・血液検査・ライフスタイル情報を統合する予防医療プラットフォームを開発するAI Dockが、シードラウンドで約2.6億円を調達しました。人間ドック予約プラットフォームを運営するマーソが戦略パートナーとして参画し、TOKI1号投資事業有限責任組合や複数の医師・起業家も出資しています。 同社は2025年4月にMed X株式会社として設立され、DWIBS法の発案者である放射線科専門医の高原太郎氏が医学監修を担っています。調達資金は製品開発、提携医療機関の拡大、人材採用に充てます。
<参照記事>
- BECのカンパニークリエーション第一弾、AI Dock社が全身スキャン×AIの予防医療サービス「AI Dock」正式提供を開始、シードラウンド約2.6億円を調達
- https://www.jiji.com/jc/article?k=000000022.000144993&g=prt
前立腺治療デバイスのMaxQ Medical、オリンパス系VC参加のシリーズAで3,150万ドル
経尿道的に前立腺の超音波イメージングと標的治療を一体で行う外来向けシステムを開発するイスラエル拠点のMaxQ Medicalが、シリーズAラウンドで3,150万ドルを調達しました。Atlantic Blue Ventures、S3 Ventures、Olympus Innovation Venturesがリードし、既存投資家のHillside Capitalも参加しました。 尿道を温存しながら組織選択的な治療を1回の手技で行う設計で、まず前立腺肥大症(BPH)を対象とし、その後は前立腺がんの局所療法や前立腺診断領域への展開を計画しています。医療機器大手オリンパスのコーポレートVCが参加した点が注目されています。
<参照記事>
- MaxQ Medical Raises $31.5 Million Series A, Backed by Olympus, to Advance its Prostate Care Platform
- https://finance.yahoo.com/healthcare/articles/maxq-medical-raises-31-5-111100369.html
疾患特異的AIプラットフォームのNetwork Bio、5,000万ドルを調達
ヒト生体データを解析する疾患特異的AIプラットフォームを開発する米Network Bio(カリフォルニア州パロアルト)が、5,000万ドルの資金調達を実施しました。Section 32、Thiel Bio、Founders Fund、Breyer Capitalが参加し、Blue Venture FundとJSL Health Capitalも加わりました。 同社は従来手法では見落とされる疾患パターンを大規模な患者データから検出することを狙い、呼吸器疾患・卵巣疾患・骨疾患などの領域で研究成果を公表しています。
<参照記事>
- Network Bio Raises $50M to Expand Disease-Specific AI Platform
- https://ventureburn.com/network-bio-raises-50m-ai-platform/
精神科向けAI基盤のAisel Health、170万ユーロのプレシードを調達
デンマークのヘルステック企業Aisel Healthが、精神科・メンタルヘルス診療に特化したオペレーティングシステムの開発に向け、プレシードラウンドで170万ユーロを調達しました。Caesar Venturesがリードし、Nordic Web Ventures、LifeX、Angel Investに加え既存投資家のRockstartとEIFOが参加しました。 一般的なAI音声記録ツールが文書化の自動化にとどまるのに対し、同社は問診・既存記録・患者からの申告など複数ソースの情報を統合し、臨床医が必要とするタイミングで文脈化された示唆を提示します。情報収集と記録レビューに費やす時間を圧縮し、精神科の待機リスト解消につなげる狙いです。
<参照記事>
- Beyond AI scribes: Aisel raises €1.7M to tackle psychiatry’s capacity crisis
- https://tech.eu/2026/08/19/beyond-ai-scribes-aisel-raises-eur17m-to-tackle-psychiatrys-capacity-crisis/
5. 医療機器が関連する補助金
2026年度「ディープテック・スタートアップ支援基金/国際共同研究開発」の公募について(予告)
NEDOが2026年8月21日に公募予告を掲載した。日本のディープテック・スタートアップが海外企業と行う共同研究開発を、NEDOと相手国の支援機関が並行して補助する枠組みで、対象技術分野に医療機器・医療検査技術が明記されています(医薬品開発と再生医療等製品の開発は原則対象外だが、創薬支援技術や複合技術は補助対象)。 補助率は補助対象費用の3分の2以内、上限は1件あたり1億円、補助対象期間は原則2〜3年となっています。対象国はオーストリア、ドイツ、フランス、イスラエル、韓国、シンガポール、英国など15カ国で、EurekaのGlobalstarsスキームを活用した多国間共同公募方式をとっています。公募期間は2026年10月7日から2027年1月20日まで、応募はJグランツ経由となるためGビズIDの事前取得が必要です。
<参照記事>
- 2026年度「ディープテック・スタートアップ支援基金/国際共同研究開発」の公募について(予告)
- https://www.nedo.go.jp/koubo/CA1_100541.html
「ディープテック・スタートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)」第10回公募(情報更新)
NEDOが2026年8月20日、DTSU事業第10回公募およびGX事業第7回公募のページを更新し、評価者一覧の掲載と財務状況確認シートの差し替えを行いました。 補助対象事業には医療機器とライフサイエンスが明示されており、医療機器スタートアップが直接応募できる大型の補助制度です。STSフェーズ(実用化研究開発前期)は3億円または5億円以内、PCAフェーズ(同後期)は5億円または10億円以内、DMPフェーズ(量産化実証)は25億円以内で、いずれもNEDO負担率は2/3以内が基本です。ステージゲート審査を経たフェーズ移行を含め、1件あたりの補助金上限は30億円、事業期間の上限は6年となります。
<参照記事>
- 「ディープテック・スタートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)」の第10回公募及び「GX分野のディープテック・スタートアップに対する実用化研究開発・量産化実証支援事業(GX)」の第7回公募について
- https://www.nedo.go.jp/koubo/CA2_100521.html
「革新的医療技術研究開発推進事業(産官学共同型)グローバルタイプ(難病・希少疾病治療グローバル研究開発支援事業)」に係る公募について
AMEDが2026年8月20日、本公募のヒアリング日時を掲載しました。難病・希少疾病を対象とする医薬品・再生医療等製品の国際共同治験を支援する補助事業で、採択予定は0〜10課題程度です。 フィージビリティスタディは総額2億円まで(補助率10/10、補助金上限2億円)、国際共同治験は原則30億円まで(補助率1/2、補助金上限15億円)と、AMEDの補助事業のなかでも規模が大きくなっています。ここでいう希少疾病は国内の治療対象者数が5万人未満のものを指し、希少疾病用医薬品等の指定を受けているかは問われません。研究開発期間は原則3年以内です。
<参照記事>
- 「革新的医療技術研究開発推進事業(産官学共同型)グローバルタイプ (難病・希少疾病治療グローバル研究開発支援事業)」に係る公募について
- https://www.amed.go.jp/koubo/03008/01/B_00005.html
令和9年度「医療分野国際科学技術共同研究開発推進事業(SATREPS)」に係る公募について
AMEDが2026年8月18日、地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)感染症分野の令和9年度公募を開始しました。公募期間は2026年8月18日から10月19日正午までです。 開発途上国のニーズを踏まえた感染症対策研究がテーマで、採択予定は0〜2課題程度です。AMEDの委託研究開発費は間接経費30%込みで1課題あたり年3,200万円上限(最終年度2,000万円上限)、これに加えてJICAのODA技術協力経費が5年間で上限3億円まで充てられます。研究開発は令和10年4月から3〜最大5年間で、令和9年度には相手国政府との協議を行う暫定期間が置かれます。診断技術を含む感染症領域の国際共同研究を狙う機関にとって選択肢となります。
<参照記事>
- 令和9年度 「医療分野国際科学技術共同研究開発推進事業(地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム SATREPS)」に係る公募について
- https://www.amed.go.jp/koubo/03006/04/B_00004.html
AMED「革新的な医療機器創出プロジェクト」採択の共同研究へ参画
2026年8月18日、UNB住吉神社前クリニック(福岡市博多区)は、AMEDの令和7年度「次世代型医療機器開発等促進事業(革新的な医療機器創出プロジェクト)」に採択された「脳機能指標に基づいたうつ病治療反応性予測AIの開発」の共同研究に参画すると発表しました。 研究はユニバーサル・ブレインを中心に、九州大学病院精神科神経科、国立病院機構肥前精神医療センター、国立精神・神経医療研究センターが加わる産学医5機関の体制で進めています。うつ病では初回投薬で十分な効果が得られる患者が約30〜40%にとどまり、適切な治療に至るまで平均11.5カ月を要するとされています。治療前に最適な治療を客観的に示す指標がない現状に対し、脳神経科学的エビデンスに基づく精密精神医療の実現を狙っています。
<参照記事>
- AMED「革新的な医療機器創出プロジェクト」採択の共同研究へ参画
- https://www.sankei.com/pressrelease/prtimes/YGR2425YXZMYBFRSAYEOJ4ECTY/
6. 海外市況
FDA、生成AI搭載医療機器の規制枠組みでディスカッションペーパーを公表しパブコメ募集
FDA CDRHは2026年8月18日、生成AI(GenAI)を組み込んだ医療機器の規制アプローチを示すディスカッションペーパーを公表し、意見募集を開始しました。情報提供にとどまるソフトウェアから臨床判断を自律的に下す機器までのリスク階層化、市販前の「コンピテンシーベース(医師の能力評価に近い)」ベンチマーク評価、製造販売業者による市販後の実世界性能モニタリングという三本柱を提示しています。出力の可変性やハルシネーション、使用目的の境界の曖昧さを固有の課題として挙げました。正式なガイダンスではなく論点整理の位置づけで、コメント期限は2026年10月19日までです。FDAが承認・認証したAI搭載機器は1,000件を超えるが、その大半は生成AIを用いていません。
<参照記事>
- FDA seeks feedback on generative AI regulations
- https://www.medtechdive.com/news/fda-seeks-feedback-on-generative-ai-regulations/828274/
FDA、自律型ロボット採血機器 Vitestro「Aletta」をDe Novoで初承認
FDAは2026年8月19日、オランダのVitestro社の自律型ロボット採血デバイス「Aletta」をDe Novo経路で承認しました。この種の機器としては初です。近赤外光とドップラー超音波で静脈を同定し、成人の外来環境で穿刺から採血までを自律実行します。採血訓練を受けた医療従事者の監督下で使用し、1人が最大3台まで監視できます。FDAの評価では、血管確保が難しい患者や多様な肌色を含む集団で成功率がヒトの採血技師と同等以上、有害事象は軽微かつまれとされました。同社は2024年に欧州でCEマークを取得済みで、2026年3月に米国参入と製造拡張のため7,000万ドルを調達しています。
<参照記事>
- FDA authorizes first-of-its-kind autonomous robotic blood draw device
- https://www.massdevice.com/fda-authorizes-first-of-its-kind-robotic-blood-draw-device-vitestro-aletta/
J&J MedTech、気管支鏡ロボット「MONARCH QUEST 3」が510(k)クリアランス取得
Johnson & Johnson MedTechは、ロボット支援気管支鏡プラットフォームの4回目のソフトウェア更新となる「MONARCH QUEST 3」でFDA 510(k)を取得しました。18か月で4度目の更新となります。AIによる結節セグメンテーションで術前計画を強化し、新たな3Dコンパス・オーバーレイでスコープの向きを把握しやすくしたほか、レジストレーション精度の改善とモバイル/固定型イメージング装置との互換性拡大でCT-to-body divergenceに対処します。同社のPolyphonicデジタルエコシステムと連携し、症例レビューや施設間コラボレーションに対応します。J&J MedTech部門は2026年Q2に全社売上253億ドルの3分の1超を占めました。
<参照記事>
- J&J secures FDA clearance for MONARCH QUEST 3 bronchoscopy system
- https://www.medicaldevice-network.com/news/jj-secures-fda-clearance-monarch-quest-3/
2026年の医療機器業界を襲うサイバー攻撃、Strykerは四半期業績に「大きな影響」
2026年に入ってから、Stryker、Intuitive Surgical、Medtronic、Abbott、iRhythm、AdaptHealth、Cook Medical、Baylor Genetics、UFP Technologiesと、医療機器メーカーのサイバー攻撃被害の開示が相次いでいます。中でも3月に最初の大型インシデントに見舞われたStrykerは、グローバルのMicrosoft環境が標的となり、製造・受注・出荷が数週間にわたり混乱しました。CEOは第1四半期業績への「大きな影響」があったと述べ、7月時点でも復旧途上と報告していました。Intuitive Surgicalは従業員・顧客情報が流出したフィッシング、AdaptHealthはソーシャルエンジニアリングによる被害がありました。Baylor Geneticsでは検査結果や社会保障番号、金融口座情報に第三者がアクセスした可能性が開示されました。
<参照記事>
- Cyberattacks have plagued the medtech industry in 2026
- https://www.medtechdive.com/news/cyberattacks-have-plagued-the-medtech-industry-in-2026/828489/
Accuray、2026年度Q4は売上1億90万ドル・190万ドルの赤字に転落
放射線腫瘍学装置のAccurayは2026年8月19日、2026年度第4四半期決算を発表しました。売上高は1億90万ドル、純損益は190万ドル(1株当たり2セント)の赤字で、前年同期の黒字から悪化しました。通期では売上高4億190万ドルに対し、純損失が4,920万ドル(1株当たり40セント)へ拡大しています。株価は決算発表当日の終値で29セントと、1年前の1.51ドルから81%下落した水準にあります。翌20日には、2027年度に年換算1,500万ドルのコスト・マージン改善を織り込む一方で通期ガイダンスの提示を見送る方針が伝えられました。
<参照記事>
- Accuray: Fiscal Q4 Earnings Snapshot
- https://wtop.com/news/2026/08/accuray-fiscal-q4-earnings-snapshot/
Empatica、パーキンソン病モニタリングプラットフォームで510(k)取得(同社12件目)
Empaticaは2026年8月19日、パーキンソン病向けHealth Monitoring PlatformのFDA 510(k)クリアランス取得を発表しました。同社にとって12件目のクリアランスとなります。医療グレードのウェアラブル、患者用アプリ、クラウド基盤、臨床医ポータルを組み合わせ、動作緩慢(ブラジキネジア)、ジスキネジア、振戦、睡眠の質、服薬アドヒアランスを継続的に計測します。Northwell HealthのRitesh Ramdhani医師らの研究では、ウェアラブルデータを加えることで薬剤レジメンの予測精度が33%向上し86.9%に達したと報告されています。2025年のPKG Health買収を土台としたもので、基盤アルゴリズムは70本超の査読論文で検証され、世界150以上の医療機関・臨床サイトで運用実績があります。
<参照記事>
- Empatica Receives FDA Clearance for Parkinson’s Monitoring
- https://www.prnewswire.com/news-releases/empatica-receives-fda-clearance-for-parkinsons-monitoring-302854529.html
Abbott、未熟児用調製乳訴訟を約6億7,000万ドルで和解
Abbott Laboratoriesは2026年8月20日、未熟児用調製乳(NEC=壊死性腸炎との関連が争われた製品)をめぐる訴訟で約6億7,000万ドルを支払う和解に合意しました。2024年7月にセントルイスの陪審が下し2026年5月に州控訴裁が支持した4億9,500万ドルのGill判決と、約2,000人の乳児に関する追加請求を包括的に解決する内容です。利息を含め6億ドルに膨らんだ判決額の支払いや上訴継続よりも和解が経済合理的と判断しました。同社は責任を認めるものではないとしています。連邦・州裁判所には依然として約1,700件(乳児約1万2,700人分)の訴訟が係属中です。FDA・CDC・NIHは2024年10月の共同見解で「未熟児用調製乳がNECを引き起こすという決定的な証拠はない」としています。
<参照記事>
- Abbott Settles Preterm Formula Claims for $670 Million
- https://www.securities.io/abbott-settles-preterm-formula-claims-for-670-million/
Stryker、患者モニタリング機器で米国防兵站局から1億ドル規模の契約オプションを獲得
Strykerのミシガン州拠点の販売部門が、米国防兵站局(DLA)から患者モニタリング機器に関する1億ドル規模の契約変更(オプション行使)を獲得したことが2026年8月19〜20日に伝わり、株価は2.7%上昇しました。同社株はPER35倍と医療機器業界平均の28倍を上回る水準で、直近1か月は+6.53%、3か月は+8.45%と持ち直す一方、1年では-12.36%と依然マイナス圏にあります。3月のサイバー攻撃による業績悪化からの回復局面にあり、政府調達という安定需要の上積みをどう評価するかで見方が割れています。
<参照記事>
- Stryker (SYK) Secured A $100 Million Contract, Is The Upside Already Priced In?
- https://www.sahmcapital.com/news/content/stryker-syk-secured-a-100-million-contract-is-the-upside-already-priced-in-2026-08-20
7. 弊社ブログ記事
【手数料90%軽減】令和8年度の拡大治験支援事業を解説|PMDA相談は予算上限・先着順
薬機発第8号(令和8年4月1日)により、令和8年度も「人道的見地からの治験支援事業」としてPMDAの拡大治験開始前相談の手数料が規定額の1割に軽減されます。対象は医薬品・医療機器・再生医療等製品の3区分で、令和8年4月1日から令和9年3月31日までに「実施される」相談が基準となります。 軽減の原資は国庫補助のため、適正な申込みを受け付けた順に交付決定され、予算額に達した以降は規定額を全額納付することになります。さらに、申込者の都合で取り下げた場合は納付済みの1割が還付されず、対面助言の半額還付ルールも適用されない点に注意が必要です。
<参照記事>
- 【手数料90%軽減】令和8年度の拡大治験支援事業を解説|PMDA相談は予算上限・先着順
- https://blog.rso.or.jp/%e3%80%90%e6%89%8b%e6%95%b0%e6%96%9990%ef%bc%85%e8%bb%bd%e6%b8%9b%e3%80%91%e4%bb%a4%e5%92%8c8%e5%b9%b4%e5%ba%a6%e3%81%ae%e6%8b%a1%e5%a4%a7%e6%b2%bb%e9%a8%93%e6%94%af%e6%8f%b4%e4%ba%8b%e6%a5%ad/
医療機器のSTED作成ルールが変更|注意事項等情報・RWD活用のポイントを解説
令和8年3月31日付け医薬機審発0331第7号により、承認申請書の添付資料留意事項通知(平成27年1月20日付け薬食機参発0120第9号)が一部改正されました。整備省令(令和7年厚生労働省令第117号)で施行規則第114条の19の添付資料規定が見直されたことに対応するもので、令和8年5月1日以降の申請から適用されます。 STED第5項が「添付文書(案)」から「注意事項等情報を記載した文書(案)」へ改められ、従来は添付文書届出対象品目に限られていた添付範囲の考え方が変わりました。臨床評価におけるリアルワールドデータ関連の記載も見直されており、新医療機器・改良医療機器(臨床あり)は別添1、改良(臨床なし)・後発医療機器は別添2に構成が示されています。
<参照記事>
- 医療機器のSTED作成ルールが変更|注意事項等情報・RWD活用のポイントを解説
- https://blog.rso.or.jp/%e5%8c%bb%e7%99%82%e6%a9%9f%e5%99%a8%e3%81%aested%e4%bd%9c%e6%88%90%e3%83%ab%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%81%8c%e5%a4%89%e6%9b%b4%ef%bd%9c%e6%b3%a8%e6%84%8f%e4%ba%8b%e9%a0%85%e7%ad%89%e6%83%85%e5%a0%b1/
医療機器の承認申請書が改正|2026年5月から変わる記載事項とは?
令和8年3月31日付け医薬機審発0331第4号により、承認申請書の作成留意事項通知(いわゆる参事官通知、平成26年11月20日付け薬食機参発1120第1号)が一部改正されました。適用は令和8年5月1日以降の申請からで、備考欄(8)の「添付文書(案)を添付すること」が削除され、以降の番号が繰り上がって(1)〜(15)の15項目構成となります。 審査用資料送付書の添付資料欄も見直され、臨床試験の試験成績に関する資料にリアルワールドデータ由来資料が含まれることが明記されたほか、「注意事項等情報に関する資料」への差し替えが行われました。一部変更承認申請の根拠条文が法第23条の2の5第11項から第13項へ繰り上がるなど条文引用も更新されており、社内の申請書テンプレートとチェックリストの改訂が必要となります。
<参照記事>
- 医療機器の承認申請書が改正|2026年5月から変わる記載事項とは?
- https://blog.rso.or.jp/%e5%8c%bb%e7%99%82%e6%a9%9f%e5%99%a8%e3%81%ae%e6%89%bf%e8%aa%8d%e7%94%b3%e8%ab%8b%e6%9b%b8%e3%81%8c%e6%94%b9%e6%ad%a3%ef%bd%9c2026%e5%b9%b45%e6%9c%88%e3%81%8b%e3%82%89%e5%a4%89%e3%82%8f%e3%82%8b/
弊社について
一般社団法人薬事支援機構(RSO)は、「未来の医療を支える技術の実現をサポート」というビジョンのもと、医療機器の薬事領域に特化したコンサルティングサービスを提供しています。
SaMD(Software as Medical Device)、レーザー等の能動機器、カテーテルをはじめとした非能動医療機器など、幅広い医療機器を対象に、開発初期段階から承認申請後までの一貫した伴走型コンサルティングを行っています。
医療機器業界の複雑な規制環境において、お客様の製品が円滑に承認を得るためのプロフェッショナルなサポートを国内向けに展開。製品の特性や開発フェーズに合わせた最適なアドバイスと戦略を提供しています。