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概要

2026年3月第3週は、Strykerへの大規模サイバー攻撃、JenaValve TrilogyのFDA承認、Alcon-LENSAR買収阻止が主要トピックとなりました。医療機器メーカーを標的とした攻撃に対しCISA・FBIが対応し、業界全体でサイバーセキュリティ強化の必要性が高まりました。

国内ではAMEDによる医療機器開発・AI実装事業の公募開始、再生医療向け3Dプリンタ開発、救急医療DX展開など実装フェーズの動きが進展しました。加えてFDA承認・510(k)取得や資金調達、M&Aも相次ぎ、革新的デバイス・AI・再生医療・公的支援が同時に進んだ週となりました。

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1. 規制変更・通知

PMDA/医療機器回収(クラスII)

PMDAがメディア株式会社のRENO低温プラズマ滅菌システム、ケーシーアイ株式会社のPREVENA切開創管理システム、インテュイティブサージカル合同会社のEndoWristステープラーリロード、メドライン・ジャパン合同会社のNAMICアクセサリーセットについてクラスII回収情報を公開しました。

<参照記事>

PMDA/システムメンテナンス:添付文書等情報検索システム停止予告

PMDAは2026年3月28日(土)終日、添付文書等情報検索システムの停止を予告しました。業務上の計画的対応が必要となります。

<参照記事>

米EPA/医療機器滅菌:エチレンオキシド滅菌基準の緩和提案

米国環境保護庁(EPA)が商業用滅菌施設向けの新基準案を発表しました。医療機器の安定供給確保を名目にエチレンオキシド排出規制を一部緩和する内容であり、滅菌コスト低減が期待される一方、環境・健康影響への懸念も残ります。

<参照記事>

米FTC/競合規制:Alcon-LENSAR買収の阻止

米連邦取引委員会(FTC)が眼科手術機器の主要メーカー同士であるAlconとLENSARの合併を独占禁止法上の懸念を理由に阻止しました。白内障手術市場における競争維持を重視した判断で、医療機器業界のM&A審査が一層厳格化されることが示されました。

<参照記事>

米CISA/サイバーセキュリティ:エンドポイント管理システム強化の緊急勧告

CISAはStrykerへのサイバー攻撃を受け、エンドポイント管理システムの強化を全米組織に緊急勧告しました。医療機器メーカーを含む製造業・医療機関全体がMicrosoftのエンドポイント管理ツールを見直す対応を迫られました。

<参照記事>

米FDA/リコール:Insulet Omnipod 5インスリンポンプ自主回収開始

FDAがInsuletによるOmnipod 5ポッドの自主回収(コレクション)を掲載しました。内部チューブの亀裂によるインスリン漏れリスクが報告されており、18件の重篤な有害事象が確認されました。修正費用は最大4,000万ドルと見込まれています。

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2. 国内医療機器関連

海外展開/ロート製薬:中国で過活動膀胱治療ウェアラブル医療機器を発売へ

ロート製薬が過活動膀胱症状の管理を行うウェアラブル医療機器「In-Confidence」を中国市場で2026年6月より販売開始すると発表しました。中国NMPAのクラスII承認を取得済みであり、同社初の医療機器海外展開として注目されています。

<参照記事>

再生医療デバイス/サイフューズ×NSK:新型バイオ3Dプリンタを共同開発

サイフューズと日本精工(NSK)が、再生医療・3D細胞製品の商業生産を見据えた新型バイオ3Dプリンタを共同開発したと発表しました。日本再生医療学会総会での展示を通じ、医療機器×精密機械メーカーの連携による製造技術高度化が示されました。

<参照記事>

救急医療DX/TXP Medical:仙台市で救急医療DXを全市展開

TXP Medicalが提供する救急医療デジタルトランスフォーメーションプラットフォームが仙台市全域に展開されることが発表されました。救急隊と救急病院間でリアルタイムに患者情報を共有する仕組みにより、搬送時間の短縮と救命率向上が期待されます。

<参照記事>

小児医療/神奈川県立こども医療センター:最新医療機器導入クラウドファンディング開始

神奈川県立こども医療センターが最新医療機器の導入を目的とするクラウドファンディングを開始しました。公的医療機関における機器調達の新たな資金調達手段として注目されています。

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3. SaMD関連(プログラム医療機器)

在宅医療AI/Tukusi:たろうクリニックの在宅医療ワークフローをAIで刷新

TukusiのAIシステムがたろうクリニックに導入され、在宅医療のワークフローをAIで刷新する取り組みが開始されました。訪問診療記録の自動化や予約管理の最適化など、在宅医療現場への医療AIの浸透を示す事例となっています。

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医療AI基盤/NVIDIA GTC 2026:ヘルスケアAIの産業化フェーズ到来を宣言

3月16〜19日にサンノゼで開催されたNVIDIA GTC 2026において、ヘルスケア・ライフサイエンス分野の大型発表が集中しました。臨床VLAモデル「GR00T-H」、病院デジタルツイン「Rheo」、医療グレードエッジAIプラットフォーム「IGX Thor」の一般提供開始が発表され、ロシュとのAIファクトリー構築など医療AIの「研究」から「実装」への本格転換が示されました。

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画像診断AI/PIUR IMAGING:AI搭載甲状腺超音波ソフトウェアを新発売

PIUR IMAGINGがAIを活用した甲状腺超音波検査ソフトウェアのアップグレード版を発売しました。甲状腺超音波ワークフローを最大60%短縮できるとされており、放射線科・内分泌科における業務効率化が期待されています。

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4. 医療ベンチャー・スタートアップ関連

資金調達/Ruten Inc:埋め込み型BMI医療機器ベンチャーが追加資金調達

嚥下障害治療を対象とした埋め込み型Brain-Machine Interface(BMI)の開発に取り組む医療機器ベンチャーRuten Incが、Coral Capitalを引受先として200万米ドルの追加資金調達を実施したと発表しました。BMI技術の医療機器応用に向けた開発加速が見込まれます。

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製品開発/サイフューズ×NSK:再生医療向け新型バイオ3Dプリンタ共同開発

サイフューズと日本精工(NSK)が、再生医療・3D細胞製品の商業生産に向けた新型バイオ3Dプリンタを共同開発しました。日本精工の精密機械技術とサイフューズのバイオファブリケーション技術を組み合わせており、再生医療デバイスの量産化に向けた重要な一歩となります。

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FDA承認/Perfuze:脳卒中治療用Millipede88吸引カテーテルがFDA 510(k)取得

アイルランド発スタートアップPerfuzeのMillipede88吸引カテーテルがFDA 510(k)クリアランスを取得しました。独立した直接吸引用途としてのクリアランスは業界初とされており、MARRS臨床試験で77%の初回パス再灌流率を達成したと報告されています。

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FDA承認/Endo Tools Therapeutics:次世代Endomina EZFuseシステムがFDA 510(k)取得

ベルギー発のEndo Tools TherapeuticsがEndomina EZFuseシステムのFDA 510(k)クリアランスを取得しました。次世代の内視鏡縫合プラットフォームとして、消化管治療における低侵襲手術の選択肢拡大が期待されています。

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経営/Field Medical:Mark Turco医師をCEOに任命

心房細動治療向けパルスフィールドアブレーション(PFA)デバイスを開発するField MedicalがMark A. Turco医師をCEOに任命しました。同社はFDAブレイクスルーデバイス指定を取得済みであり、臨床開発・製品承認に向けた体制強化を図っています。

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財務/Kestra Medical:第3四半期売上高63%増・通期ガイダンス上方修正

着用型除細動器(WCD)を手がけるKestra Medical Technologiesが第3四半期FY2026決算を発表しました。売上高は2,460万ドル(前年同期比+63%)、粗利率52.6%を達成し、通期ガイダンスを9,300万ドルに上方修正しました。

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上場戦略/Vicarious Surgical:Nasdaq上場申請・キャッシュバーン削減

手術ロボット開発企業Vicarious SurgicalがNasdaq上場申請とともに2026年の年間キャッシュバーンを1,900万ドルに削減する計画を発表しました。資金効率の改善と資本市場アクセスの両立を目指す動きとして注目されています。

<参照記事>

国際展開/Peijia Medical:DCwireマイクロガイドワイヤーがFDA 510(k)取得・米国市場参入

中国の医療機器メーカーPeijia MedicalのDCwireマイクロガイドワイヤーがFDA 510(k)クリアランスを取得しました。同社として初のFDA承認製品となり、米国市場への本格参入の足がかりとなります。

<参照記事>

買収/Embecta:Owen Mumfordを最大1億9,940万ドルで買収合意

薬剤送達デバイスメーカーのEmbectaがOwen Mumford Holdingsを最大1億9,940万ドルで買収することで合意しました。Owen Mumfordのオートインジェクター「Aidaptus」をはじめとする薬剤送達デバイスポートフォリオを取得し、事業拡大を図っています。

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5. 補助金・助成金関連

AMED公募/次世代型医療機器開発等促進事業(革新的な医療機器創出プロジェクト)

AMEDが令和8年度「次世代型医療機器開発等促進事業(革新的な医療機器創出プロジェクト)」の公募を開始しました。グローバル市場獲得を見据えた革新的医療機器の開発支援を目的とし、中小企業・スタートアップへの支援も含みます。締切は2026年4月20日です。

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国内規制・公募/AMED:医工連携・AI実装研究事業 令和8年度公募開始

AMEDが「令和8年度 医工連携・人工知能実装研究事業」の公募を開始しました。AI技術を活用した医療機器・診断システムの実装推進を目的とした研究開発支援事業であり、プログラム医療機器開発を志向するスタートアップ・研究機関にとって重要な公募となっています。締切は2026年4月21日です。

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6. 海外市況

FDA承認/JenaValve:大動脈弁閉鎖不全症に対する初のTAVRがFDA承認取得

JenaValveのTrilogy経カテーテル心臓弁システムが、症候性重症大動脈弁閉鎖不全症(ssAR)に対する米国初のTAVRとしてFDA PMA承認を取得しました。従来TAVR適応が大動脈弁狭窄症に限られていた中、閉鎖不全症への適応拡大は構造的心疾患治療の大きな転換点となります。

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FDA承認/MiniMed:スマートフォン制御型最小インスリンポンプ「MiniMed Flex」がFDA承認

MedtronicからスピンオフしたMiniMedが、同社として初のFDA承認製品となる「MiniMed Flex」インスリンポンプを取得しました。同社史上最小サイズで、スマートフォンによる制御を初めて実装した製品となります。

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FDA承認/Spinal Elements:3DプリントチタンALIFシステム「Ventana A」がFDA 510(k)取得・初症例実施

Spinal Elementsが3Dプリント製チタン椎体間固定インプラント「Ventana A ALIF System」のFDA 510(k)クリアランス取得と初症例実施を発表しました。VentanaプラットフォームのALIF領域への拡張であり、脊椎手術の術式選択肢を広げます。

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M&A撤回/Alcon:LENSAR買収合意を破棄

AlconはFTCの競合阻止を受け、眼科手術用レーザー企業LENSARとの3億5,600万ドルの買収合意を撤回しました。白内障手術機器市場における競争維持を優先したFTCの判断は、医療機器業界のM&A戦略に大きな影響を与えるとみられます。

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サイバー攻撃/Stryker:親イラン派ハッカーによる大規模ワイパー攻撃からシステム復旧中

医療機器大手Strykerが3月11日に発生した親イラン派ハクティビスト「Handala」によるサイバー攻撃から復旧中であると発表しました。Microsoft管理システムを標的としたワイパー攻撃により数千台の従業員デバイスのデータが消去され、受注処理・製造・出荷に重大な障害が生じました。

<参照記事>

サイバーセキュリティ対応/FBI:Stryker攻撃関連サイトを押収

FBIがStrykerへのサイバー攻撃に関連するHandalaのウェブサイトを押収したことが報じられました。政府機関レベルの対応が医療機器企業へのサイバー攻撃に対して発動された初の事例となり、業界全体のセキュリティ対策強化が加速するとみられます。

<参照記事>

臨床成果/SynCardia全人工心臓:4年以上の装着後に心臓移植成功

Picard Medical / SynCardiaが、SynCardia全人工心臓(Total Artificial Heart)で1,636日間(約4.5年)にわたる橋渡し治療の末に心臓移植に成功した症例を発表しました。同週にはUCSF Healthでの2例目の成功例も報告され、重症心不全治療における全人工心臓の長期使用実績が蓄積されつつあります。

<参照記事>

弊社について

一般社団法人薬事支援機構(RSO)は、「未来の医療を支える技術の実現をサポート」というビジョンのもと、医療機器の薬事領域に特化したコンサルティングサービスを提供しています。

SaMD(Software as Medical Device)、レーザー等の能動機器、カテーテルをはじめとした非能動医療機器など、幅広い医療機器を対象に、開発初期段階から承認申請後までの一貫した伴走型コンサルティングを行っています。

医療機器業界の複雑な規制環境において、お客様の製品が円滑に承認を得るためのプロフェッショナルなサポートを国内向けに展開。製品の特性や開発フェーズに合わせた最適なアドバイスと戦略を提供しています。
詳細なサービス内容や個別のご相談については、当サイト下部の問い合わせページよりお気軽にご連絡ください。

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