概要

平成11年3月30日、厚生省医薬安全局長通知(医薬発第399号)により、「塩化ビニル樹脂製血液セット基準」「月経処理用タンポン基準」「非吸収性プラスチック製縫合糸基準」の3つの新基準が制定されました。同日付で旧来の薬事法第42条第2項に基づく各告示基準が廃止され、新基準が承認の準拠基準となっています。対象製品を製造・輸入する業者は、今後の承認申請において原則としてこの新基準に従う必要があります。

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1. 背景と目的

1.1 旧42条基準の廃止

これまで「塩化ビニル樹脂製血液セット基準」(昭和40年厚生省告示第448号)、「月経処理用タンポン基準」(昭和45年厚生省告示第303号)、「プラスチック製縫合糸基準」(昭和45年厚生省告示第444号)の3つが薬事法第42条第2項に基づく告示基準として運用されていました。これらは昭和40年代に制定された基準であり、医療機器の技術進歩や国際標準化の動向に追いつかない部分が生じていました。

平成11年3月30日をもってこれら3つの旧基準は廃止され、同日付けで新たな基準が通知として制定されました。承認申請の根拠となる法的位置づけが変わった点が重要です。旧基準は薬事法上の告示(強制基準)でしたが、新基準は承認を行う際に準ずべき基準として通知で定められたものです。

1.2 ISO規格との整合

新しい塩化ビニル樹脂製血液セット基準では、ISO 3826(人間の血液及び血液成分用のプラスチック製軟質容器)を引用規格として採用しています。また、非吸収性プラスチック製縫合糸基準では米国薬局方(USP)およびヨーロッパ薬局方(EP)との整合が図られています。国際標準への対応が新基準制定の主要な動機のひとつです。

2. 各基準の主要内容

2.1 塩化ビニル樹脂製血液セット基準

血液および血液成分を採取・分離・保存・処理・輸送・投与するために使用する折り畳み可能な塩化ビニル樹脂製血液セットが対象です。

主な要求事項として、物理的要求事項(空気含有量・採血能・導管強度・透明性・熱安定性等)と化学的要求事項(強熱残分・重金属・鉛・塩化ビニルモノマー・溶出物等)が定められています。生物学的安全性については「医療用具及び医用材料の基礎的な生物学的試験のガイドライン」に基づいて評価します。

無菌性の保証については、滅菌バリデーション基準またはこれと同等以上の外国基準に基づいた対応が求められます。エンドトキシン試験も義務付けられており、試験液で0.5EU/mL未満であることが要件です。

表示については、本体・一次包装・二次包装それぞれに記載すべき事項が詳細に規定されています。注目すべき点として、一次包装には天然ゴムを原料として使用している場合にその旨を記載することが求められています。

2.2 月経処理用タンポン基準

膣内に挿入して経血を吸収処理する月経処理用タンポンが対象です。取り出し用コードの長さは80mm以上とし、30Nの荷重に対して1分以内に切断しないことが求められます。また、吸収体の重量の6倍以上の水を吸収できることが吸収量の要件です。

化学的要求事項では色素の溶出や蛍光の有無、脱落物質量等が規定されています。無菌性の保証も要件に含まれます。

2.3 非吸収性プラスチック製縫合糸基準

1回限り使い捨ての滅菌済みまたは未滅菌の非吸収性プラスチック製縫合糸が対象です。モノフィラメント(単繊維)とマルチフィラメント(複数繊維)の両方が含まれます。

寸法(長さ・直径)と引張り強さについては公称号数ごとに許容値が別表で定められており、USPまたはEPの規定への適合も認められます。針付縫合糸については引き抜き強さの要件もあります。

3. 実務上の取扱いと留意点

3.1 新基準不適合製品の取扱い

各基準の適用範囲に該当する医療用具であっても、当該基準に適合しないものについては、個別に有効性・安全性・品質等についての資料を提出し、審査を受けることで承認を得ることができます。ただしこれは例外的な扱いであり、原則として新基準への適合が求められます。

3.2 既承認品の対応

すでに薬事法第14条第1項等に基づく承認を受けているもので、規格および試験方法が新基準と異なるものについては、直ちに承認事項一部変更承認申請を行う必要はありません。ただし、今後何らかの承認事項一部変更承認申請を行う機会があれば、その際に合わせて新基準に準じた整備を行うことが求められます。

3.3 表示に関する指導

各基準の「表示」規定は承認に直接関連する事項ではありません。しかし、基準に適合しない製品も含め、製品表示については新基準の表示規定に適合するよう指導が行われます。製品ラベルや添付文書の表示内容を今回の基準と照合した上で、必要に応じて見直しを行うことが重要です。

まとめ

今回の通知により、血液セット・タンポン・縫合糸の承認基準は、旧来の告示基準から国際標準に整合した新基準へと大きく転換しました。特にISO・USP・EPとの整合により、承認申請における試験項目・規格設定・表示内容の見直しが実務上の重要ポイントとなります。

また、既承認品については直ちに対応が必要なわけではないものの、今後の一部変更承認申請時には新基準への適合が実質的に必須となるため、早期のギャップ分析と対応計画の策定が求められます。対応が遅れると、申請遅延や追加試験の発生リスクにもつながります。

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