概要
薬事法施行規則の別表第1が大幅に改正され、承認不要医療用具の品目が再編されました。平成10年3月30日付の本通知(医薬審第310号)は、厚生省医薬安全局審査管理課長から各都道府県衛生主管部局長宛てに発出されたものです。同日付の厚生省令第43号による施行規則改正に伴う内容です。別表第1からの削除品目に関する承認申請の取扱いが定められました。また、家庭用マッサージ器、家庭用電気磁気治療器、家庭用永久磁石磁気治療器の3基準の運用上の留意事項も示されています。承認不要医療用具の製造・輸入を行う事業者は、品目の再分類と新基準への適合を確認する必要があります。

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1. 背景と改正の全体像
1.1 改正の経緯
本改正は平成10年3月30日付の厚生省令第43号により行われ、同日付の医薬安全局長通知(医薬発第318号)で基本的な取扱いが示されました。本通知はその細部を定めるものであり、施行規則改正に伴う実務的な対応を網羅的に整理しています。
改正の主な内容は大きく2つに分かれます。第一に、施行規則別表第1(承認不要医療用具のリスト)の品目を大幅に再編し、一部品目を削除(承認必要に移行)するとともに、新たな品目を追加しました。第二に、家庭用の医療機器について3つの新しい基準を告示として定めました。
1.2 別表第1の再編の意義
別表第1に掲げられた医療用具は、薬事法に基づく製造(輸入)承認が不要とされていました。今回の改正では、エックス線関連装置、保育器、縫合器具、視力補正用レンズなど多数の品目区分を整理しています。一部の品目は承認不要から承認必要へと移行し、安全性管理の強化が図られました。リスクに応じた規制の適正化が改正の基本方針です。
一方で、新たに承認不要となった品目もあります。体液検査用器具(専用分析装置で主たる反応系を内蔵するものを除く)、放射線障害防護用器具、歯科用印象材料の一部などが別表第1に追加されました。
また、外国製造医療用具の製造承認承継届書の様式(様式第十三の九)も新設され、外国製造業者による承認の承継手続きが制度化されています。
2. 削除品目の承認申請手続き
2.1 承認申請時の必要書類
別表第1から削除された品目を引き続き製造・輸入する場合は、新たに承認申請が必要です。申請にあたっては以下の対応が求められます。
- 当該品目に係る許可書の写しを添付する
- 承認申請書の備考欄に「薬事法施行規則別表第1削除品目に係る承認申請である」旨を記載する
- 承認申請書の進達にあたっては「J 削除」の表示を朱書きする
2.2 経過措置
改正前に別表第1に掲げられていた品目について、承認を受けずに製造・輸入していた事業者には経過措置が設けられています。平成10年9月30日までは、承認を受けることなく製造・輸入を継続できます。この期間内に承認申請を完了する必要があります。
なお、日本工業規格が改正された場合の経過措置として、改正後18ヶ月間は旧規格適合医療用具を承認なしに製造・輸入できる規定も別途設けられています。
3. 家庭用医療機器3基準の新設
3.1 家庭用マッサージ器及び家庭用指圧代用器基準
厚生省告示第117号として定められた基準です。振動、揉み、たたき等によってマッサージを行う電動式の家庭用機器と、患部に対し局所的に押圧する電動式の家庭用指圧代用器が対象です。
効能・効果は、マッサージ器はあんま又はマッサージの代用、指圧代用器は指圧の代用と規定されています。使用形態は4種類に分類されています。
- 手持ち型 — 手で持って押し当てて使用
- 装着型 — 身体に装着して使用
- 可搬型 — 容易に持ち運び可能で、床や椅子に置いて使用
- 据置き型 — 椅子やベッドに回転部・駆動部等の運動部を内蔵
主な要件は以下のとおりです。
- 漏えい電流は正常状態でクラスII機器は0.25mA以下、それ以外は0.5mA以下
- 装着型・可搬型・据置き型は30分以内に電源回路を遮断する装置を搭載
- 一度に複数人が使用できない構造とする
- 据置き型および定格電圧150V超の機器はアース等による電撃保護が必要
- 皮膚に接触する部分の材料は刺激性等の評価が必要
3.2 家庭用電気磁気治療器基準
厚生省告示第118号として定められた基準です。効能・効果は「装着部位のこり及び血行」と規定されています。
性能要件として、最大磁束密度は35mT以上180mT以下、発生する磁界の波形はほぼ正弦波で周波数は50Hzまたは60Hzでなければなりません。漏えい電流の基準はマッサージ器基準と同様です。
運用上の留意事項として、「患部に接触する部分」の解釈が示されています。製品表面において患部に接触する部分を指します。布団やマット等の表面が布等で覆われている場合は、当該布等の表面が該当します。「最大磁束密度」は磁束密度(実効値表示)の最大値を意味するものと定義されています。
3.3 家庭用永久磁石磁気治療器基準
厚生省告示第119号として定められた基準です。使用形態は6種類(粒状・シート状のもの、布団・マット等に磁石を配列したもの、サポーター型、サンダル・靴型、腹巻き等衣類型、ネックレス型)が定められています。
性能要件として、最大磁束密度は35mT以上200mT以下とされています。電気磁気治療器の上限が180mTであるのに対し、永久磁石型は200mTまで許容されている点が異なります。電動式ではないため漏えい電流の規定はなく、構造面では「粗い表面、鋭い角及び縁等によって人体を傷つけるおそれのない」ことが主な要件です。電気的安全性よりも物理的安全性が重視されています。
運用上の留意事項として、指輪等手指に使用するもの、ブレスレット等手首に使用するもの、足首に使用するものは使用形態に含まれないとされています。
まとめ
今回の通知は、薬事法施行規則別表第1の大幅改正に伴い、承認不要医療用具の品目区分の再編と、家庭用医療機器3基準(家庭用マッサージ器、家庭用電気磁気治療器、家庭用永久磁石磁気治療器)の具体的な運用要件を整理したものです。特に、別表第1から削除された品目を取り扱う場合は承認申請が必要となるため、経過措置期間内の対応や申請書の記載方法など、実務上の確認が欠かせません。また、家庭用医療機器については磁束密度、漏えい電流、電撃保護構造など、設計段階から考慮すべき基準が明確化されています。
医療機器の製造販売業者や輸入事業者にとって、自社製品が承認不要品目に該当するか、または承認申請が必要となるかの判断は非常に重要なポイントです。基準適合の確認や承認申請の進め方を誤ると、販売開始の遅れや追加対応が必要になる可能性もあります。
自社製品が今回の改正でどの区分に該当するのか知りたい場合や、承認申請の必要性・申請資料の準備について不明点がある場合は、専門家への確認をおすすめします。
弊社(一般社団法人薬事支援機構)では、医療機器の薬機法対応、PMDA相談、承認申請戦略の立案、QMS体制構築まで幅広くサポートしています。家庭用医療機器の基準適合の確認や承認申請の進め方についてご不明な点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。