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概要

2026年3月第2週は、iPS細胞由来再生医療製品2品目の世界初承認が最大のトピックとなりました。国内では第三者認証制度関連通知の発出、SaMDにおける生成AI制度整備の議論、大学発の医療ロボット・無線脳波技術の研究開発などが進展しました。補助金ではAMED・東京都・経産省による医療機器・DX支援が相次ぎ、スタートアップ資金調達も活発でした。海外ではMiniMedのIPO、Medtronicの買収、FDA承認の連続、Strykerへのサイバー攻撃、Insulet回収など、事業再編・安全・デジタル医療が同時に動いた1週間となりました。

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1. 規制変更・通知(MHLW/PMDA)

承認/iPS細胞由来再生医療製品2品目が世界初の正式承認

厚生労働大臣は3月6日、iPS細胞を使った再生医療等製品2品目の条件・期限付き製造販売承認を正式に行いました。承認されたのは、クオリプスのヒトiPS細胞由来心筋細胞シート「リハート」(重症心不全対象、7年以内に75例の全例調査が条件)と、住友ファーマのiPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞「アムシェプリ」(パーキンソン病対象、7年以内に35例の調査が条件)の2品目です。iPS細胞を使った治療用製品の承認は世界初であり、いずれも2026年夏頃の販売開始が見込まれます。

<参照記事>

通知/登録認証機関に関する通知2件を発出

厚生労働省は3月6日付で、医療機器の第三者認証制度に関連する通知を2件発出しました。1件目「登録認証機関の登録申請等の取扱いについて」(医薬機審発0306第1号)は登録申請手続きの運用を整理したものです。2件目「登録認証機関等に対する立会検査の実施要領の設置及び立入検査の実施要領の一部改正について」(医薬機審発0306第4号)は、立会検査の新たな実施要領を設置するとともに、既存の立入検査実施要領を一部改正した内容で、認証機関への監視強化の方向性を示しています。

<参照記事>

安全情報/PMDA安全性情報No.427および医療事故警鐘レポートNo.5を公表

PMDAは3月10日に「医薬品・医療機器等安全性情報 No.427」を掲載し、医療機器等の安全使用に関する最新情報を提供しました。3月11日には「医療事故の再発防止に向けた警鐘レポートNo.5」を公表し注意喚起を行いました。また3月9日には「2025年度 新再生医療等製品の承認品目一覧」を掲載し、リハート・アムシェプリの承認情報を含む最新品目情報を公開しました。

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2. 国内医療機器

研究開発/名古屋大学がMRI内で遠隔操作可能な非金属製ロボットを開発

名古屋大学の研究チームは3月10日、MRI装置内で遠隔操作可能な非金属製ロボットの開発に成功し穿刺実証を行ったと発表しました。MRI撮影中のリアルタイム画像ガイド下でのインターベンション手技を可能にする技術であり、がん治療や生検における精度向上が期待されています。

<参照記事>

研究開発/大阪大学が外部電源不要の無線脳波伝送システムを開発

大阪大学の研究チームは3月9日、外部電源を一切必要としない無線脳波伝送システムの開発に成功したと発表しました。医療分野での長時間脳波モニタリングや、将来的なブレイン・コンピューター・インターフェース(BCI)への応用が期待される技術であり、医療機器への活用可能性が注目されています。

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3. SaMD(プログラム医療機器)

協業/富士通×DTアクシスがSaMD開発支援の協業を開始

富士通とDTアクシスは3月9日、プログラム医療機器(SaMD)の承認申請から販売までを一貫して支援するための覚書を締結し、協業を開始しました。研究開発機関や医療機器・製薬企業向けに、開発初期から製造販売後の運用保守までを見据えたシステム開発体制を提供します。富士通は医療分野の業務知見とシステム開発ノウハウを、DTアクシスはSaMD承認取得の実績を活かして支援を行います。将来的にはSaMD流通プラットフォームの構築も検討しています。

<参照記事>

制度整備/厚労省課長がSaMDにおける生成AI活用の課題と制度整備を解説

3月9日開催のJPIセミナーにて、厚生労働省医薬局医療機器審査管理課長が「プログラム医療機器(SaMD)における生成AI活用の課題と早期実用化に向けた制度整備」と題する講演を行いました。生成AIを組み込んだSaMDの規制の在り方という最先端の課題について、規制当局の担当者が直接説明を行ったものであり、制度整備の方向性を示す重要な機会となりました。

<参照記事>

  • 厚生労働省:プログラム医療機器(SaMD)における生成AI活用の課題と 早期実用化に向けた制度整備について
  • https://www.jpi.co.jp/seminar/17706

サイト更新/PMDAがプログラム医療機器関連ページを更新

PMDAは3月9日付でプログラム医療機器の承認審査に関連するウェブサイトを更新し、「プログラム医療機器に係る優先的な審査等の対象品目一覧表」(2026年2月13日現在版)を公開しました。DASH for SaMD戦略に基づく審査体制の整備状況が反映されており、PMDA対面助言の調整可能時期は2026年6月以降となっています。

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4. 医療機器ベンチャー・スタートアップ

資金調達/N.B.Medicalが脳血管治療デバイス開発でシリーズB 8.5億円調達、累計33.5億円に

脳血管疾患治療用医療デバイス開発スタートアップN.B.Medical株式会社は、シリーズBセカンドクローズとして8.5億円の資金調達を完了しました。NEDO DTSU助成金5億円を含むラウンド総額は33億5,000万円に達しました。引受先はAIST Solutions、ANRI、ジャフコグループ、三菱UFJキャピタル、ヨコオ、レアゾン・ホールディングス、Red Capital、国内大手医療機器メーカー等。調達資金は脳血管疾患治療用デバイスの研究開発加速およびDX・AI活用の設計・シミュレーション基盤の高度化に充当されます。

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5. 補助金・助成金

AMED/医療機器等研究成果展開事業のヒアリング審査を実施

AMEDは「医療機器等研究成果展開事業(チャレンジタイプ【若手・女性育成枠】)」のヒアリング審査を3月10日・11日にWEB開催で実施しました。革新的・独創的な技術シーズの基礎・応用研究開発を支援する本事業は若手・女性研究者を対象としており、採択結果の公表を待つ状況となっています。

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AMED/次世代ヘルステック・スタートアップ育成支援事業が応募締切

AMEDが実施する「次世代ヘルステック・スタートアップ育成支援事業」は3月9日に応募を締め切りました。令和7年度予算規模は6.0億円で、医療機器スタートアップの事業化を一貫して支援するプログラムです。

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東京都/医療機器産業参入促進助成事業(第23回)の事前ヒアリング実施中

東京都は第23回(令和8年度第1回)「医療機器産業参入促進助成事業」の事前ヒアリングを2月17日〜3月31日の期間で実施中(ヒアリングシート提出期限は3月23日)です。都内ものづくり中小企業と医療機器製造販売企業等の連携が対象で、事業化支援の助成限度額は最大5,000万円です。本申請受付は4月1日〜14日を予定しています。

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経産省/「デジタル化・AI導入補助金2026」の交付申請受付を3月30日から開始予定

経済産業省は旧「IT導入補助金」を「デジタル化・AI導入補助金2026」に名称変更し、公募要領を2月27日に公開しました。補助上限は最大450万円/者(補助率1/2、小規模事業者は最大4/5)で、対象を「ソフトウェア(AIを含む)」と明確化しAI活用を推進しています。交付申請受付は3月30日開始予定であり、医療機器企業のDX・AI導入にも活用可能です。

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6. 海外市場動向

IPO/MiniMedは6億4400万ドルの新規株式公開(IPO)を完了する見込み

Medtronicの糖尿病事業を分離して設立されたMiniMedは、IPOの公開価格を1株20ドルに設定し、最大約6億4,400万ドルを調達する見通しとなりました。今回の上場はMedtronicからの分離計画の一環で、MiniMedはNASDAQに上場し独立企業として事業を展開する予定です。調達資金は一般的な企業運営目的などに充てられ、Medtronicは上場後も大部分の株式を保有する見込みとされています。

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M&A/MedtronicがScientia Vascularを5.5億ドルで買収、脳血管デバイスを強化

Medtronicは3月10日、脳血管デバイス企業Scientia Vascular(米ソルトレイクシティ)の買収に関する最終合意を発表しました。買収額は約5億5,000万ドル(マイルストーンペイメント含む)です。Scientia Vascularのガイドワイヤー・カテーテルポートフォリオにより、Medtronicは出血性・急性虚血性脳卒中の両方に対応するフル製品ラインナップを確保します。2026年度下半期のクロージングを見込んでおり、2月のCathWorks買収に続く2026年2件目の買収となりました。

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承認/MiniMedが780G+Abbott InstinctセンサーでEU CEマークを取得

MiniMed Groupは3月10日、MiniMed 780G自動インスリン投与システムとAbbottの連続血糖モニタリングセンサー「Instinct」の組み合わせに対する欧州CEマーク承認を取得したと発表しました。Instinctセンサーは15日間装着可能な世界最小・最薄の統合型CGMとされ、既存のGuardian 4およびSimplera Syncに加えて3番目のセンサー選択肢となります。欧州での商用開始は2026年夏を予定しています。

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承認/GE HealthCareが放射線診断ビューワー「View」でFDA 510(k)承認を取得

GE HealthCareは3月9日、Genesis Radiology Workspace内の診断ビューワー「View」のFDA 510(k)承認を取得したと発表しました。ゼロフットプリントのクラウドネイティブソリューションであり、放射線科医がどこからでもフル診断機能を利用できる遠隔対応型の設計となっています。HIMSS 2026(3月9〜12日、ラスベガス)に合わせて発表されました。

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承認/Philips AIソリューション「SmartHeart」が心臓MRI自動プランニングでFDA承認

Philipsは3月10日頃、AI搭載の心臓MRIプランニングソリューション「SmartHeart」のFDA 510(k)承認を取得したと発表しました。1,200件以上の心臓MRデータセットで学習されたAIが、14の標準・高度心臓ビューを30秒未満で自動プランニングし、息止め回数を最大75%削減します。技術的に難易度の高い心臓MRI検査を大幅に簡素化する技術として注目されています。

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承認/QT ImagingがBreast Acoustic CTスキャナーの改良構成でFDA承認を取得

QT Imaging Holdingsは3月10日、3D超音波断層撮影による乳房イメージングシステム「Breast Acoustic CT」の改良構成についてFDA 510(k)承認を取得しました。傾斜送信器ジオメトリーの採用により、胸壁近傍の後方乳房組織の画像化範囲が従来機に比べ大幅に改善されています。

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承認/Toro Neurovascularが脳卒中治療用カテーテル「Toro 88」でFDA承認を取得

Toro Neurovascular(米カリフォルニア州アーバイン)は3月11日、同社初の独自開発製品である大口径アクセスカテーテル「Toro 88 Superbore」のFDA 510(k)承認を取得したと発表しました。現代の脳卒中ニューロインターベンション向けに設計された吸引ベースの製品であり、Kaneka Medical Americaとの提携を通じて米国での段階的展開が計画されています。

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サイバー攻撃/Strykerが大規模サイバー攻撃を受けグローバル業務に障害

医療機器大手Strykerは3月11日、同社のMicrosoft環境全体に影響する大規模サイバー攻撃を受けました。親イラン派ハクティビストグループ「Handala」が犯行声明を出し、20万台のシステムへの影響と50TBのデータ抽出を主張しました。Strykerはインシデントは封じ込められランサムウェアではないと説明したが、製造・出荷業務に支障が生じました。CISAが調査を開始しており、2026年の成長ガイダンスへの影響が懸念されています。

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臨床データ/Insuletが完全クローズドループインスリン投与システムの試験結果を発表

Insulet CorporationはATTD 2026(3月11〜12日、バルセロナ)でEVOLUTION 2試験の結果を発表しました。2型糖尿病患者24名を対象とした完全クローズドループ(食事時のボーラス投与不要)自動インスリン投与システムで、目標血糖範囲内の時間が平均68%(標準注射療法比24%改善)を達成し、重篤な低血糖やDKAは発生しませんでした。同社は2026年中にピボタル試験開始、2028年の商用開始を計画しています。

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回収/InsuletがOmnipod 5ポッドの特定ロットを自主回収

Insulet Corporationは3月12日、Omnipod 5インスリンパッチポンプの特定ロットについて自主的な医療機器修正(回収)を開始しました。内部チューブに小さな亀裂が生じインスリンがポッド内部で漏出して患者に投与されない可能性がある不具合が特定され、18件の重篤な有害事象(入院・DKAを含む)が報告されています。対象ロットは年間グローバル生産量の約1.5%に相当し、同社は最大4,000万ドルの関連費用を見込むが2026年の売上成長ガイダンスは維持するとしています。

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臨床データ/Zimmer BiometがスマートニーインプラントPersona IQの臨床結果をAAOSで発表

Zimmer Biometは3月6日、AAOS(米国整形外科学会)年次総会において、センサー内蔵型スマートニーインプラント「Persona IQ」の臨床データを発表しました。世界初のスマートニーとされる本製品を使用した患者は、従来型インプラントの患者と比較して再置換率および理学療法利用率が低いことが示されました。

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警告書/FDAがAdvita Orthoへの警告書を公表

FDAは3月12日、Advita Ortho(旧Exactechの資産を取得して2025年11月設立)に対し、同社のEquinoxe Reverse Shoulder Systemに関連する警告書を公表しました。製品仕様の未定義、QC検査手順書の不備、不適合記録の不完全さ、環境管理の逸脱などの問題が指摘されています。

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弊社について

一般社団法人薬事支援機構(RSO)は、「未来の医療を支える技術の実現をサポート」というビジョンのもと、医療機器の薬事領域に特化したコンサルティングサービスを提供しています。

SaMD(Software as Medical Device)、レーザー等の能動機器、カテーテルをはじめとした非能動医療機器など、幅広い医療機器を対象に、開発初期段階から承認申請後までの一貫した伴走型コンサルティングを行っています。

医療機器業界の複雑な規制環境において、お客様の製品が円滑に承認を得るためのプロフェッショナルなサポートを国内向けに展開。製品の特性や開発フェーズに合わせた最適なアドバイスと戦略を提供しています。
詳細なサービス内容や個別のご相談については、当サイト下部の問い合わせページよりお気軽にご連絡ください。

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