概要

本ページでは、医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(QMS省令)のうち、第20条から第25条の2までについて解説します。これらの条項は、管理監督者照査の結果、資源の管理監督、品質業務従事者の能力、教育訓練、業務運営基盤、作業環境及び汚染管理に関する要求事項を規定しています。

4. 資源の管理監督(第21条~第25条の2)

4.1 管理監督者照査に係る工程出力情報(第20条)

製造販売業者等は、管理監督者照査に用いる工程入力情報及び管理監督者照査から得られた次に掲げる事項(限定一般医療機器に係る製品にあっては、第2号に掲げる事項を除く)を記録するとともに、所要の措置をとらなければなりません。

  • 品質管理監督システム及び工程の適切性、妥当性及び実効性の維持に必要な改善
  • 製品受領者要求事項に関連した製品の改善
  • 前回の管理監督者照査の後において、新たに制定され、又は改正された法令の規定等への対応
  • 次条に規定する必要な資源

4.2 資源の確保(第21条)

製造販売業者等は、次に掲げる業務に必要な資源を明確にし、確保しなければなりません。

  • 品質管理監督システムを実施するとともに、その実効性を維持すること
  • 製品及び品質管理監督システムを法令の規定等及び製品受領者要求事項(限定第三種医療機器製造販売業者にあっては、法令の規定等に限る)に適合させること

4.3 品質業務従事者の能力(第22条)

製造販売業者等は、製品の品質に影響を及ぼす業務に従事する全ての者について、適切な教育訓練、技能及び経験に基づき、業務に必要な能力を有することを担保しなければなりません。

製造販売業者等は、構成員に対する適切な教育訓練の実施及び製品の品質に影響を及ぼす業務に対する構成員の確実な認識に係る工程を文書化しなければなりません。

4.4 能力、認識及び教育訓練(第23条)

製造販売業者等は、次に掲げる業務(限定第三種医療機器製造販売業者にあっては、第3号に掲げる業務を除く)を行わなければなりません。

  • 製品の品質に影響を及ぼす業務に従事する者にどのような能力が必要かを明確にすること
  • 前号の能力を取得又は維持させるために教育訓練の実施その他の措置をとること
  • 前号の措置の実効性を評価すること
  • 全ての構成員が、自らの業務の意味及び重要性を認識するとともに、品質目標の達成に向けて自らの貢献の方途を認識しているようにすること
  • 構成員の教育訓練、技能及び経験について適切な記録を作成し、これを保管すること

4.5 業務運営基盤(第24条)

製造販売業者等は、製品要求事項への適合の達成、製品の混同の防止及び製品の適切な取扱いの確保のために必要な業務運営基盤(次に掲げる設備又はサービスを保有又は実施している場合には、当該設備又はサービスを含む)に係る要求事項を文書化しなければなりません。ただし、限定第三種医療機器製造販売業者は、製品要求事項への適合の達成に必要な次に掲げる業務運営基盤を明確にし、確保し、及び維持すれば足りるものとします。

  • 各施設の建物及び作業室並びにこれらに附属する水道その他の設備
  • 工程に係る設備(ソフトウェアを含む)
  • 前二号に掲げるもののほか、輸送、情報の伝達等に係る製品要求事項への適合の達成、製品の混同の防止及び製品の適切な取扱いの確保を支援するサービス

製造販売業者等は、保守業務又はその欠如が製品の品質に影響を及ぼすおそれがある場合においては、当該保守業務に係る要求事項(当該保守業務の実施の間隔に係る要求事項を含み、保守業務の実施に当たって製造、作業環境の管理、監視及び測定に係る設備を用いる場合においては、当該設備に係る要求事項とする)を明確にし、当該要求事項に係る適切な運用を文書化しなければなりません。ただし、限定第三種医療機器製造販売業者にあっては、当該保守業務について適切な運用を確立するとともに、これを文書化すれば足りるものとします。

製造販売業者等(限定第三種医療機器製造販売業者を除く)は、業務運営基盤の保守業務に係る記録を作成し、これを保管しなければなりません。

4.6 作業環境(第25条)

製造販売業者等(限定第三種医療機器製造販売業者を除く。以下この条から第36条の2までにおいて同じ)は、製品(限定一般医療機器に係る製品を除く。以下この条から第36条の2までにおいて同じ)を製品要求事項に適合させるために必要な作業環境に係る当該要求事項を文書化し、管理監督しなければなりません。

製造販売業者等は、作業環境が製品の品質に悪影響を及ぼすおそれがある工程については、当該作業環境に係る要求事項を明確にし、当該要求事項に係る適切な運用を確立するとともに、当該作業環境を監視し、管理するための手順を文書化しなければなりません。ただし、第41条第1項第1号又は第2号の規定により製品の清浄化が行われる場合において、当該清浄化工程よりも前の工程については、この限りではありません。

製造販売業者等は、構成員と製品等又は作業環境との接触が当該製品に係る医療機器等の意図した用途に応じた機能、性能及び安全性に悪影響を及ぼすおそれがある工程については、構成員の健康状態、清浄の程度及び作業衣等に係る要求事項を明確にし、当該要求事項に係る適切な運用を文書化しなければなりません。ただし、第41条第1項第1号又は第2号の規定により製品の清浄化が行われる場合において、当該清浄化工程よりも前の工程については、この限りではありません。

製造販売業者等は、特殊な作業環境の条件下で一時的に作業することが求められる全ての構成員について、第23条第2号に規定する教育訓練を受けさせ、業務に必要な能力を有することを担保しなければなりません。ただし、同号に規定する教育訓練を受け、業務に必要な能力を有することを担保した構成員に他の構成員を監督させる場合においては、この限りではありません。

4.7 汚染管理(第25条の2)

製造販売業者等は、他の製品等、作業環境又は構成員の汚染を防止するために、汚染された又は汚染された可能性のある製品等の管理(第47条第1項の規定による識別を含む。以下この項において「汚染管理」という)を行う必要がない場合を除き、汚染管理に係る実施要領を策定し、これを文書化しなければなりません。

製造販売業者等は、異物又は微生物による滅菌医療機器等(製造工程において滅菌される医療機器等をいう。以下同じ)の汚染の防止を管理する要求事項を文書化し、製品の組立又は包装の工程に係る清浄の程度を維持管理しなければなりません。

次回解説内容

次回の記事では、製品現実(第26条~第53条)について解説します。

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