概要
令和7年8月4日、厚生労働省医薬局医療機器審査管理課長より「プログラム医療機器等に係る優先的な審査等の試行的実施(第四回)について」(医薬機審発0804第1号)が発出されました。本通知は、令和4年度から継続実施されているプログラム医療機器の優先審査制度について、本年度より対象範囲を拡大するものです。従来のプログラム医療機器に加え、医療機器相当のプログラム機能を有する有体物の医療機器も対象となりました。公募期間は令和7年8月4日から同年9月15日までです。

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1. 制度の背景と対象範囲の拡大
プログラム医療機器の優先審査制度は令和4年度から試行的に実施されており、今回が第四回となります。最も重要な変更点は対象範囲の拡大です。従来はプログラム医療機器のみが対象でしたが、本年度からは医療機器相当のプログラム機能を有する有体物の医療機器も含まれることになりました。
2. 指定の3つの要件
優先審査の指定を受けるには、以下の3つの要件をすべて満たす必要があります。
2.1 治療法、診断法又は予防法の画期性
プログラム又は搭載されたプログラム機能の原理が、既存の医療機器や標準的な治療法、診断法、予防法と明らかに異なり、画期的であることが求められます。単なる改良ではなく、原理そのものが異なる必要があります。なお、医療現場の患者指導等と同様の内容で行動変容を促すプログラム等は、画期性があるとは認められません。
2.2 対象疾患に係る医療上の有用性
以下のいずれかに該当することが必要です。根治療法や既存の予防法・診断法がない疾患で臨床上の必要性が高く、臨床試験等で有効性及び安全性が見込まれること。既存の治療法等に比べて高い有効性及び安全性が見込まれること。既存の治療法等と同等以上の有効性・安全性に加え、患者の負担軽減の観点から医療上有用であると見込まれることのいずれかです。
2.3 世界に先駆けて日本で早期開発及び承認申請する意思並びに体制
世界に先駆けて又は同時(起算日から3か月以内)に日本で承認申請される予定であること、PMDAの先駆け総合評価相談を活用し承認申請できる体制及び迅速な審査に対応できる体制を有していることが必要です。同様の原理による類似製品が世界で既に流通している場合は対象外です。
3. 指定の手続き
指定を希望する場合、令和7年8月4日から同年9月15日までに様式1により厚生労働省医薬局医療機器審査管理課に登録申込みを行います。ヒアリング後、「予備的審査」が行われ、令和7年10月31日までに結果が連絡されます。予備的審査を通過した場合、令和7年11月10日までに様式2及び根拠資料を提出します。医療機器審査管理課はPMDAの評価を踏まえ最終審査を行い、優れていると判断されたものを選定します。
4. 優先的な取扱いと指定の取消し
指定を受けた医療機器には、優先相談、事前評価の充実、優先審査、コンシェルジュ対応等が適用され、承認申請から承認まで全申請区分で6か月以内とされます。PMDAの対面助言等で優先した取扱いを受けることができ、指定後から承認申請までに先駆け総合評価相談を利用することが求められます。
指定の取消しについては、指定要件に該当しなくなった場合、想定した程度の有用性が見込まれない場合、大幅なプログラム変更が必要となった場合等に取消しが行われます。
まとめ
今回の「プログラム医療機器等に係る優先的な審査等の試行的実施(第四回)」では、対象範囲が拡大され、有体物医療機器も含めた優先審査制度として再始動しました。承認申請から承認まで6か月以内という大きなメリットがある一方で、「画期性」「医療上の有用性」「世界同時申請体制」という3要件をすべて満たす必要があり、申請戦略・開発計画・PMDA相談の組み立てが極めて重要になります。
特にSaMDやAI医療機器では、「本当に画期性として評価されるのか」「既存治療との差別化をどう示すか」「世界同時申請の体制をどう説明するか」といった点が、指定可否を左右します。形式的な申込みでは通過が難しく、初期段階からの戦略設計が不可欠です。
弊社(一般社団法人薬事支援機構)では、プログラム医療機器の優先審査指定に向けた要件整理、画期性・有用性のロジック構築、PMDA先駆け総合評価相談の活用戦略立案、申請資料作成支援まで一貫して対応しています。「自社製品は対象になるのか」「指定を狙うべきか通常申請にすべきか」といった検討段階からご相談可能です。優先審査の活用をご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。