概要
令和7年10月1日付けで、独立行政法人医薬品医療機器総合機構から「QMS適合性調査の申請に当たって提出すべき資料について」の事務連絡が発出されました。本通知は、QMS省令への適合性調査において、PMDAが求める資料の詳細を整理したもので、製造販売業者等が効率的に調査申請を進めるための指針となります。

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1. QMS適合性調査の基本構造
1.1 調査の種類と申請時期
QMS適合性調査には承認前等適合性調査と定期適合性調査があります。承認前等適合性調査は医療機器等の承認等時等に実施され、審査の進捗等を勘案の上申請します。定期適合性調査は承認等から5年ごとに実施され、遅くとも更新期限の6か月前までに申請が必要です。
1.2 提出資料の区分と省略
提出資料は2段階に区分されています。実地・書面調査の判断時に必要な資料は調査申請時に提出します。その他の資料は全て揃っていなくても調査申請が可能です。重複する資料は参照先を記載して省略でき、過去2年以内の提出資料も省略可能ですが、オンライン提出時は省略が認められていません。
2. 承認前等適合性調査の提出資料
2.1 調査要領通知に定められた基本資料
承認前等適合性調査では5つの基本資料が求められます。申請品目の製造販売承認申請書の写し、前回調査以降の変更承認書及び軽微変更届書の写し、ISO13485認証書等の調査結果、製造工程の概要、各施設における活動の概要及び品質管理監督システムの相互関係を確認できる資料です。
2.2 調査実施者が必要とする資料
調査実施者が必要とする資料は4つのカテゴリーに分類されます。施設関連では施設の概要、配置図、平面図及び設備一覧を提出します。QMS関連では組織図、品質管理監督システム基準書、管理文書の一覧を提出します。品目関連では子品目リスト、製品標準書の概要、バリデーションの実施状況が求められます。QMS省令第3章関連では、不具合連絡手順書、国内品質業務運営責任者の宣誓書と業務手順書、登録製造所等との取り決め書が含まれます。
3. 定期適合性調査の提出資料
3.1 定期調査特有の資料
定期適合性調査では、承認前等適合性調査の資料に加えて特有の資料が求められます。前回調査以降の回収概要、医療機器等総括製造販売責任者名による宣誓書、過去3年間の年間製造販売数量を提出します。実績がない場合はその理由も記載します。
3.2 品質管理状況と変更管理
生物由来原材料等を使用する医療機器では、品質点検を示す資料が必要です。製造工程のバリデーションは、前回調査以降の実施分を報告します。調査対象施設の概要には前回調査以降の変更履歴を記載します。
4. 申請時の留意事項
4.1 実地調査と書面調査
QMS適合性調査を実地調査とするか書面調査とするかは、PMDAの責任において判断されます。判断にはISO13485認証書や他の調査報告書等が参考資料となります。書面調査で資料提出や照会対応に時間を要する場合は、医療機器調査部に連絡します。
4.2 オンライン提出とその他の留意事項
オンライン提出では、資料番号毎に1ファイルを作成し、ファイル名は「資料番号 x-x-x」とします。提出ファイルはPDF形式とします。製造所からの直接提出の場合、指定メールアドレスに送付し、システム受付番号及び製造販売業者名を記載します。MDSAPの調査結果を利用する場合は、カバーレターに施設名称及び登録番号を記載します。一変時調査では、製造販売業者等と変更により追加された登録製造所の資料のみ提出します。
まとめ
PMDAが令和7年10月1日に発出した事務連絡により、QMS適合性調査の申請時に提出すべき資料の考え方が明確化されました。承認前等適合性調査と定期適合性調査では基本的な資料構成は共通していますが、定期調査では前回調査以降の変更内容や実績に関する資料が追加で求められる点が重要なポイントです。
一方で、「どの資料を申請時点で必ず提出すべきか」「省略できる資料とできない資料の判断」「書面調査と実地調査の分かれ目」「MDSAPやISO13485認証をどう活用できるのか」など、実務では判断に迷いやすい論点も多く存在します。特にオンライン提出におけるファイル構成や命名ルール、製造所からの直接提出時の対応などは、事前整理が不十分だと申請手続が滞る原因になりかねません。
弊社(一般社団法人薬事支援機構)では、QMS適合性調査に向けた提出資料の整理・過不足チェック、承認前調査と定期調査の違いを踏まえた準備方針の整理、PMDA対応を見据えた実務的なアドバイスを行っています。
「このケースではどこまで資料を用意すべきか」「過去提出資料は本当に省略できるのか」「初めての定期適合性調査で不安がある」といったお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。