概要

2025年12月5日〜11日の医療機器関連ニュースでは、FDAによる臨床試験要件緩和やデジタルヘルス向けTEMPOパイロットプログラム開始など、規制面での大きな動きが注目されました。これにより、SaMDやAI医療機器の開発・市場投入の加速が期待されます。製品面では心血管、不整脈診断、手術ロボットなど幅広い分野でFDA 510(k)クリアランス取得が相次ぎ、医療ベンチャーの資金調達や研究提携も活発化しました。本記事では、最新の規制・承認・市場動向を整理します。

1. 法改正・通知関連

FDA/臨床試験要件の緩和方針を発表

FDAのMarty Makary長官は、医薬品・医療機器の承認に必要な臨床試験数を従来の2試験から1試験に変更する方針を発表しました。適切に設計・管理された1試験で同等の統計的検出力を達成できるとの見解を示しました。

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FDA/TEMPOパイロットプログラムを発表

FDAはデジタルヘルス機器へのアクセス促進を目的とした「TEMPO for Digital Health Devices Pilot」を発表しました。CMSのACCESSモデルと連携し、慢性疾患管理用デジタルヘルス機器に対して市販前承認要件等の執行裁量を適用します。心腎代謝、筋骨格系、行動健康の4分野で最大10社/分野を選定予定です。

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2. 医療機器関連

Vesalio/冠動脈血栓除去デバイスenVastがFDA 510(k)クリアランス取得

心臓循環における機械的血栓除去用として初めて承認されたステント型血栓回収デバイスです。独自のDrop Zone技術により、軟性から高密度フィブリン血栓まで幅広い血栓に対応可能です。

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Vektor Medical/次世代vMap心臓マッピング技術がFDA 510(k)クリアランス取得

心房粗動マッピング機能の追加、心電図データストリーミング機能、SaMDへの変換等の機能強化が承認されました。非侵襲的な不整脈源特定技術の適用範囲が拡大されました。

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HeartBeam/ケーブルフリー12誘導ECG合成ソフトウェアがFDA 510(k)クリアランス取得

不整脈評価用の12誘導ECG合成ソフトウェア。ケーブルを使用せず3次元で心臓の電気信号を捕捉し、12誘導ECGを合成する世界初の技術です。2026年第1四半期に米国で限定発売予定です。

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Ceribell/せん妄モニタリングソリューションがFDA 510(k)クリアランス取得

せん妄スクリーニング・モニタリングデバイスとして初のFDA承認しました。先月の新生児患者向け発作モニタリング次世代アルゴリズム承認に続く成果です。

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Medical Microinstruments/NanoWrist手術ロボット器具がFDA 510(k)クリアランス取得

Symani手術ロボット用のNanoWristハサミおよび鉗子が承認されました。軟部組織切開における微細組織操作・切開が可能になり、吻合術以外の手術ロボット機能が拡大しました。

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ResMed/Smart Comfortパーソナライズド療法がFDA 510(k)クリアランス取得

患者個別に最適化された睡眠時無呼吸治療を提供するパーソナライズド療法システムです。

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Joint Preservation Innovations/Articulator関節鏡バーがFDA 510(k)クリアランス取得

関節鏡手術用として初めて承認された関節式回転切削器具です。従来の固定式バーと比較して601%多い切削面積を実現しました。

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3. SaMD関連(プログラム医療機器)

Vektor Medical/vMapがSaMDとして承認

次世代vMap技術のFDA 510(k)クリアランスにおいてSaMDへの変換が承認されました。ハードウェア不要のソフトウェア単独での展開が可能となり、医療機関への導入が容易になります。

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4. 医療ベンチャー関連

Saluda Medical/オーストラリア証券取引所でIPO、1.5億ドル調達

ミネアポリスを拠点とするSaluda Medicalは、オーストラリア証券取引所での新規株式公開を通じて1億5,000万ドルを調達しました。

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InBrain Neuroelectronics/新取締役会長にScott Huennekens氏就任

バルセロナを拠点とする同社は、Johnson & JohnsonとGoogleの手術ロボティクス合弁会社Verb SurgicalのCEO経験者を取締役会長に任命しました。

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Mirai Medical/EU破壊的技術革新基金から720万ユーロ獲得

PIONEERプロジェクトのリードアプリカントおよびコーディネーティングパートナーとして採択しました。

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Pulse Biosciences/MD Anderson Cancer Centerとパルスフィールドアブレーション共同研究

テキサス大学MDアンダーソンがんセンターとPFA技術の甲状腺がん治療への応用に関する研究提携を発表しました。

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5. 海外市況

Francis Medical/前立腺がん用水蒸気アブレーションシステムがFDAクリアランス取得

Vanquish水蒸気アブレーションシステムのFDA 510(k)クリアランスを取得しました。商業展開に向けた重要なマイルストーンです。

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日本医療機器市場/2035年に859億ドル規模へ成長予測

2025年に502億米ドル、2035年までに859億米ドルに成長見込みです(CAGR約5.7%)。高齢化社会、AI診断・遠隔モニタリング等のデジタルヘルス導入が成長を牽引します。

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弊社について

一般社団法人薬事支援機構(RSO)は、「未来の医療を支える技術の実現をサポート」というビジョンのもと、医療機器の薬事領域に特化したコンサルティングサービスを提供しています。

SaMD(Software as Medical Device)、レーザー等の能動機器、カテーテルをはじめとした非能動医療機器など、幅広い医療機器を対象に、開発初期段階から承認申請後までの一貫した伴走型コンサルティングを行っています。

医療機器業界の複雑な規制環境において、お客様の製品が円滑に承認を得るためのプロフェッショナルなサポートを国内向けに展開。製品の特性や開発フェーズに合わせた最適なアドバイスと戦略を提供しています。
詳細なサービス内容や個別のご相談については、当サイト下部の問い合わせページよりお気軽にご連絡ください。

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