概要

本記事では、平成24年7月13日に厚生労働省医薬食品局審査管理課より発出された「歯科用インプラントの承認申請に関する取扱いについて」(薬食機発0713第1号)について解説します。

歯科用インプラントとは、歯科用骨内インプラント材、歯科用インプラントフィクスチャ、歯科用インプラントシステム及び歯科用インプラントアバットメントを指します。これらの製品については、平成21年5月25日付け「歯科用インプラント承認基準の制定について」(薬食発0525004号)及び平成23年3月30日付け「歯科用インプラントの承認基準に関する質疑応答集について(その1)」(薬食機発0330第4号)により取り扱われてきました。

本通知は、審査手続の明確化及び透明化を図り、資料作成の効率化及び審査の迅速化に資するため、承認申請に関するQ&A、一品目の範囲に関するQ&A、及びマルチピースアバットメントの取扱いをまとめたものです。本通知の施行に伴い、従前の室長通知は廃止されています。

1. 承認申請に関するQ&A

1.1 申請区分について

歯科用インプラントの承認申請における申請区分については、以下の点に留意する必要があります。

「承認基準あり・臨床なし」区分に該当する品目として、既に承認・認証・届出されたクラスII又はクラスIの品目と組み合わせたものを「承認基準あり・臨床なし」区分で承認申請することが可能です。この場合の承認申請書の記載は、「組合せ医療機器に係る製造販売承認申請、製造販売認証申請及び製造販売届出に係る取扱いについて」(平成21年3月31日付け薬食機発第0331002号)に基づく簡略記載が認められています。

ただし、組み合わせることによって承認基準への適合性に影響を及ぼさないこと、及び新たな評価が必要でないことの説明が必要となります。

旧薬事法において承認を受けていた品目について、各構成品の種類の追加のための承認事項一部変更承認申請を「承認基準あり・臨床なし」で行う際には、構成品の変更(追加・削除)を含めた申請品目が、該当する各評価項目について承認基準に適合していることを示すことで申請が可能です。既承認の構成品を含めた全ての構成品目について、該当する各評価項目について承認基準に適合していることを示す必要がある点に留意してください。

1.2 評価項目について

アバットメントスクリュ単体で申請する場合、原材料が既承認品と同一で、表面処理が同等であることを示すことができれば、承認基準に適合すると判断して差し支えありません。アバットメントスクリュは、承認基準の定義3.4より、一般的名称の「歯科用インプラントアバットメント」に含まれるため、歯科用インプラントアバットメントに該当する評価項目が基準に適合している場合は、基準適合と判断できます。

ただし、フィクスチャとアバットメントとをつなぐ機能や使用される状況を想定した評価(例えば疲労試験)をした上で、基準への適合性を評価する必要があることに留意してください。

ボールアバットメント及びキャスタブルアバットメント(いわゆるUCLAアバットメント)については、承認基準に規定する評価項目に加えて、追加の評価項目を評価する必要があります。

1.3 ボールアバットメントの評価

ボールアバットメントの申請に当たっては、「承認基準あり」及び「承認基準なし」いずれの区分の場合でも、以下の点に留意する必要があります。

寸法については、アタッチメント(フィメール)を指定し、形状欄でアバットメント(メール)のボール径とネック径を規定します。アタッチメントとの嵌合性については、指定のフィメールとボールアバットメントとの着脱が滑らかであり、かつ、ボールアバットメントとフィメールとの維持力が、既承認品と同程度であることを確認します。

疲労試験の実施に当たっては、最もリスクが高いと想定されるアバットメントとフィクスチャとの組合せにより、ISO 14801に従って行います。その際、ボールアバットメントのボール部にフィメールを介して半球荷重部(hemispherical loading member)を装着し、荷重を負荷するか、フィメールを使用せず、ボール部に半球荷重部を装着し、荷重を負荷します。既承認品との比較に当たっては、類似のボールアバットメントで同じ荷重負荷方式であることが必要です。

1.4 キャスタブルアバットメントの評価

キャスタブルアバットメントとは、金属製の嵌合部をもつアバットメント形状の既製の構成品であり、ワックス等を築盛し、ロストワックス法で金合金等を用いて鋳造し、金属製の嵌合部と鋳接することにより形態を自由に付与することができるアバットメント(いわゆるUCLAアバットメント)です。

キャスタブルアバットメントの申請に当たっては、「承認基準あり」及び「承認基準なし」いずれの区分の場合であっても、嵌合部の寸法安定性について留意する必要があります。具体的には、指定された歯科用合金を鋳接し、これに当該合金の指定陶材の焼付け操作に伴う熱履歴を加えたアバットメントに対して、嵌合部の寸法(例えば、六角対辺と接合部の直径)を測定し、各測定値が、図面で指示された公差の範囲内でなければなりません。

疲労試験については、「歯科用インプラント承認基準の制定について」の別紙1「歯科用インプラント承認基準における技術基準」の4.4.1b疲労試験のとおり各最終製品を用いて規定の条件で組み立てて実施するとあることから、鋳接の範囲内で最もリスクが高いと想定されるアバットメントとフィクスチャとの組合せにより行います。上部構造一体型のアバットメントについては、そのリスクに鑑み考察することとでセメント固定用カスタムアバットメントとして鋳造される範囲において評価を行うことで差し支えありません。

1.5 承認基準における技術基準

技術基準の4.2 b) 寸法における歯科用インプラントアバットメントについては、角度のみが規定されています。既承認品と比較する場合に、角度以外について同等性に関する評価を行わなくてもよいかという点については、技術基準の4.2 b) 寸法の要求事項は角度のみであるものの、承認申請書の「形状、構造及び原理」欄には、少なくとも製品を特定する形状及び寸法を記載し、これらの部分についての同等性評価が必要です。

技術基準の4.4 物理的・化学的性質について、「試験方法等を変更した場合には、試験方法及び試験選択の妥当性を示す。」と記載されていますが、原材料製造業者が行っている試験方法を使用することも可能です。技術基準の4.4.1 物理的性質及び4.4.2 化学的性質においては、最終製品に関する試験又は情報を求められていますが、原材料を用いた試験により最終製品に関する評価を行うことができる場合であって、かつ、本基準で求められる試験の代わりに評価に用いることの科学的妥当性を示すことができる場合には、原材料製造業者が行っている試験方法を使用することができます。

1.6 表面処理の写真提示

技術基準の4.4.1 物理的性質 a)表面処理の3)最終処理品の写真において、「ただし、2)-7及び2)-8の粗面化以外の表面処理については、最終製品全体の鮮明なカラー写真のみを提示する。」と記載されていますが、具体的には以下のような写真を提示します。

2)-7 窒化チタンによる着色処理については、処理部分の着色状態が分かる最終製品全体の写真を提示します。2)-8 干渉色を発現させるための陽極酸化処理については、処理部分の着色状態が分かる最終製品全体の写真を提示します。また、2)-1の無処理の場合は、承認申請書及び添付資料に添付する最終製品全体の写真を提示することで対応します。なお、電子顕微鏡写真の提示は不要です。

1.7 疲労試験の省略と実施

技術基準の4.4.1 b) 疲労試験は、「原則として実施し」とされていますが、本試験の実施の省略が可能な事例としては、既承認品との同等性により疲労強度が適切に評価できる場合があります。その科学的妥当性を示すことにより既承認品のデータを本品の試験データに代えることで差し支えありません。

技術基準の4.4.1 b) 疲労試験は、製造販売業者が使用方法の中で指定する歯科用インプラントフィクスチャ(又は歯科用骨内インプラント材)、歯科用インプラントアバットメント及び専用のアバットメントスクリュの各最終製品の組合せについて4.8リスク評価を行い、最もリスクが高いと分析された形状・寸法等の組合せで試験を行うこととされています。

リスク評価に当たっては、製品の設計・デザインに加えて、製品を使用する部位から見て想定される荷重の大きさ、方向及び種類も考慮する必要があります。また、インプラントフィクスチャの径のみならず、インプラントフィクスチャ並びにインプラントアバットメントの長さ及び嵌合部の設計・構造等に関するリスク評価も必要となることに留意してください。その際、有限要素解析(Finite Element Analysis:FEA)又はその他の方法によりリスク評価を行う場合は、解析結果に係る資料提出の上で、解析の設定条件を含む解析方法の妥当性を示すことが求められます。

システムの構成品が多くある場合の試験検体の選択については、ストレートタイプとアングルタイプがある場合は、各タイプの中での最もリスクの高いもので評価を行うこととなります。ただし、ストレートタイプとアングルタイプの設計検証において、臨床的な使用環境の差異も考慮の上で、同等の疲労強度を有する仕様である場合は、両者を代表する構成品を選択することで差し支えありません。

試験検体数の設定については、ISO 14801に規定する試験検体数とすることが基本です。試験検体数がこれとは異なる場合には、設定理由及びその妥当性を承認申請資料で説明する必要があります。荷重条件の設定については、ISO 14801に規定する荷重条件の設定が基本となります。これとは異なる前試験を実施し、その試験結果から疲労試験の荷重条件を設定する場合は、荷重条件の設定方法及びその妥当性を承認申請資料で説明してください。類似医療機器の規格値等を用いて設定する場合には、その妥当性を承認申請資料で説明することが必要です。

インプラントフィクスチャの長さについては、ISO 14801による歯科用インプラントの疲労試験では、インプラントフィクスチャの長さが疲労強度に及ぼす影響を評価できないため、この影響を技術基準の4.8リスク評価により考察することが必要です。

中間サイズを試験検体として試験する場合、どのような評価を行う必要があるか、また、承認基準への適合性はどのように考えるべきかについては、中間サイズの試験検体のリスクが最も高いことを科学的に実証できる場合においては、基準適合と判断されます。試験開始前にリスク評価を適切に行い、最もリスクが高いと分析されたもので試験を行うことに留意してください。

1.8 表面処理と耐食性の評価

承認基準への適合性を判断するに当たって、表面処理に関する同等性は、技術基準の表2-1~表2-3に記載された組合せを満足することで判断されます。表面処理の製造条件は、申請書に記載しますが、表面処理に関する同等性については、技術基準の表2-1~表2-3に記載された組合せであること、及び表面粗さが基準の範囲又は既承認品と同等であることによって判断します。なお、技術基準の表2-1~表2-3に記載した表面処理以外の表面処理をしたものについては、承認基準に適合しないことになります。

口腔内で使用される前に切削加工されて用いる仕様のアバットメント(ミリング又はプレパブルアバットメント)について、技術基準の4.4.1 b)の疲労試験を行う場合には、切削加工の範囲内で最もリスクが高いと想定されるアバットメントとフィクスチャとの組合せにより疲労試験を実施する必要があります。切削加工されて用いる仕様のアバットメントとは、技工操作にて軸面形成を要するものであり、通常、軸面に回転防止機構のないものや、テーパがないもの又はごく僅かなものを指し、長さの調整、歯肉貫通部のマージンの微調整以外の技工操作を伴うものです。切削加工の範囲については、操作方法又は使用方法欄、添付文書に反映することとなります。なお、一般に切削加工して用いられるものと類似の形状で、切削加工を意図しない製品に関しては、現場での誤使用を避けるため、切削加工用ではない旨を、操作方法又は使用方法欄、添付文書に明記してください。

当該インプラントが技術基準の3.9 表面処理に該当する加工を施している場合、4.4.2化学的性質 c) 耐食性の評価における留意点として、歯科用インプラント承認基準において、耐食性については、最終製品又は最終製品と同一の条件で作製された試験片に対し、JIS T 6002の4.1 静的浸漬試験又はISO 10271の4.1に準じて溶出量の測定を行うことで評価することとしています。金属材料からの溶出は、原材料のみならず、表面の性状にも影響を受けるため、JIS T 6002の4.1.4 試験片 a) 作製 2) 既製品、及び4.1.4 d) 調製 3) 既製部品・既成装置によって、試験片の作製、調製を行うこととなります。試験片を「4.1.4 d) 2)」の条件によって1000番の耐水研磨紙で研磨した場合、当該本品の表面処理層が除去されるため、母材そのものの溶出量を測定したことになり、最終製品の耐食性評価が困難となります。したがって、最終製品と同一の表面処理を施した状態で耐食性の評価を行うことが必要である点に留意してください。

1.9 規格移行時の試験結果の取扱い

ISO 1567がISO 20795-1に移行された例のように、承認基準に引用されている規格が移行された場合、旧規格に基づいて実施した試験結果を使用することは可能です。規格が改正又は移行された場合、承認基準の改正版が通知されるまで、承認基準に引用されている規格は、自動的にその改正又は移行された規格に読み替えるものであることから、速やかな対応が望ましいとされています。

なお、規格改正後おおむね3年間は、旧規格に基づいて実施した試験結果を用いて承認申請することで差し支えありませんが、承認申請を行う前に独立行政法人医薬品医療機器総合機構に相談することが推奨されています。

2. 一品目の範囲に関するQ&A

2.1 滅菌品と非滅菌品の取扱い

フィクスチャ及びアバットメントが滅菌品の場合や、フィクスチャが滅菌品でアバットメントが非滅菌品の場合、いずれも1品目として承認申請して差し支えありません。ただし、同じ構成品で滅菌品と非滅菌品とが混在する場合にあっては、誤って使用される恐れがあるため、別品目として承認申請する必要があります。この考え方は「承認基準あり」、「承認基準なし」のいずれの申請においても共通です。

2.2 一品目として申請できる範囲

「承認基準あり」、「承認基準なし」のいずれの申請においても、歯科用インプラントにおいて1品目として申請できる範囲は原則以下の考えによります。

歯科用インプラントのシステムについては、同一の設計コンセプト(骨との接合のための原材料、形状、表面処理、術式)の下で設計され、一つの臨床症例に対して一つの組合せ(フィクスチャ、アバットメント、アバットメントスクリュ等の組合せ)が確定するものについては、1品目として承認申請して差し支えありません。この場合、適用、使用方法が異なっても複数の組合せにならないことに留意する必要があります。

フィクスチャについては、原材料が異なること、及び形状・構造が大きく異なることに、1品目として承認申請することが必要となります。アバットメントについては、1品目として承認申請できるフィクスチャに締結される同一シリーズのアバットメントであって、同一の開発コンセプトの下で開発され、臨床における使い分けが明確であるものについては、形状・構造や、原材料が異なっていても、1品目として承認申請して差し支えありません。

フィクスチャの種類数とアバットメントの種類数を掛け合わせた数の組合せについて、疲労強度の評価が必要です。別紙にフィクスチャ、アバットメントに関する1品目の範囲を例示していますので参照してください。この例示から判断が難しい場合は、申請前に独立行政法人医薬品医療機器総合機構に相談することが推奨されています。

2.3 一品目として承認申請が可能な例

フィクスチャについては、以下のような場合に1品目として承認申請が可能です。原材料、形状・嵌合部、表面処理、術式が同一であり、径と長さのみが異なる場合です。具体的には、インターナル/テーパ、エクスターナル/テーパ、インターナル/ストレート、エクスターナル/ストレートといった構成品の組合せで、上記の条件を満たせば1品目として申請できます。

また、1品目として承認申請が可能な組合せ例として、テーパとストレートの組合せでは、骨接触部分の形状・構造の違いが軽微であれば認められます。インターナルとエクスターナルの組合せでも、骨接触部分の形状・構造が同じであれば認められます。上部でピッチが変わるものとスレッドのピッチが一定のものの組合せ、表面処理の範囲が異なるもの(一部・全体)で承認基準の表面処理方法に限る場合の組合せも、それぞれの条件の下で1品目として申請が可能です。

2.4 別品目として承認申請が必要な例

以下のような場合には、別品目として承認申請が必要となります。

原材料が異なる場合として、チタンとチタン6-アルミニウム4-バナジウム合金の組合せがあります。形状又は構造が大きく異なる場合として、1ピースと2ピースの組合せ、スレッドとシリンダの組合せがあります。開発コンセプトが異なる場合(骨接触部分の構造が異なる)として、無処理と表面処理の組合せ、インターナル/ストレートとエクスターナル/テーパの組合せ(骨接触部分の形状・構造が異なる上に、嵌合部形状も異なる)があります。

アバットメントについても同様の考え方が適用され、同一の構成品において強度規格の異なる原材料(例えばASTM F 67 Grade 2とGrade 4)を用いる場合や、滅菌品と非滅菌品が混在する場合、アバットメントスクリュにおいて滅菌品と非滅菌品が同時に梱包されている構成品と梱包されていない場合には、それぞれ別品目として申請する必要があります。

3. マルチピースアバットメントの取扱い

3.1 アバットメントの範囲について

マルチピースアバットメントにおいて、⑤~⑧のアバットメントの範囲については、一般的名称「歯科用インプラントアバットメント」「歯科インプラント用上部構造材」の定義に従い判断します。A線及びA1線が、歯肉より上部に位置していることが前提であり、それ以外は別途整理が必要です。

⑥⑦⑧は、A線の下側がアバットメントとなります。Aとして、皿状構成品(1段目)をスクリュ(2段目)でフィクスチャに固定する場合があります。⑤は、A1又はA2線の下側がアバットメントの場合の2通りとなります。A1として、円筒状構成品(1段目)をフィクスチャに固定し、その上に2段目構成品をスクリュ(3段目)で固定する場合、1段目迄がアバットメントとなります。A2として、1段目を使用せず、2段目の構成品をスクリュ(3段目)でフィクスチャに固定する場合、又は1段目にねじがなく、スクリュ(3段目)が1段目と2段目の構成品を貫通してフィクスチャに固定する場合、スクリュ(3段目)迄がアバットメントとなります。

⑥は、A2までの構成でシステムのリスクを評価します。

3.2 疲労試験の試験体の構成について

⑥⑦⑧は、上部構造材[シリンダ類(3段目)+スクリュ(4段目)]迄の構成でシステムのリスクを評価します。原則として、上部構造材のスクリュ(4段目)での破折等を含め、システム全体の強度評価のため上部構造材迄の構成で試験することとなります。

この構成で疲労試験を行ったとき、同等の構成の既承認品の試験結果(上部構造材迄の構成による試験結果)と同等以上の疲労強度である場合は、この評価により疲労強度を満足すると判断することができます。これ以外の構成で試験する場合においては、その試験成績に併せ、上部構造材のスクリュ(4段目)までを含めたシステムの強度評価として、既承認品と同等以上であることを確認する必要がある場合があります。

⑦⑧のシリンダ類(3段目)については、承認申請に関するQ&A4「(2) キャスタブルアバットメント」を参考に、③④と同様、鋳接の範囲内で最もリスクが高いと想定される形状にて疲労試験を実施することとなります。

⑥は、A2までの構成で試験します。円筒状構成品(1段目)を使用し、スクリュ(3段目)での破折等を含め、システム全体の強度評価のためA2迄の構成で試験します。1段目を使用せず、2段目の構成品をスクリュ(3段目)でフィクスチャに固定する場合、又は1段目にねじがなく、スクリュ(3段目)が1段目と2段目の構成品を貫通してフィクスチャに固定する場合においても、A2迄の構成で試験します。この構成で疲労試験を行ったとき、同等の構成の既承認品の試験結果(A2迄の構成による試験結果)と同等以上の疲労強度である場合は、この評価により疲労強度を満足すると判断することができます。

3.3 参考:一般的名称と定義

歯科用インプラントアバットメントとは、歯科用インプラントフィクスチャに固定して上部構造体の支台となるもの又は歯肉が治癒するまでの暫間的に使用するものをいいます。

歯科インプラント用上部構造材とは、埋植後の歯科用インプラントから口腔内へ露出したアバットメントに固定するために用いる歯科補綴物及び固定器具をいいます。

4. 実務上の留意事項

4.1 申請前相談の活用

本通知で示されている各Q&Aの内容については、個別の製品特性や設計仕様により判断が異なる場合があります。特に以下のような場合には、申請前に独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)への相談を行うことが推奨されています。

一品目の範囲に関する判断が困難な場合、疲労試験の試験検体選択や試験条件設定に関する判断が必要な場合、規格移行時の旧規格による試験結果の使用を検討する場合、マルチピースアバットメントの構成に関する判断が必要な場合などが該当します。

4.2 承認基準との関係

本通知は、歯科用インプラント承認基準(平成21年5月25日付け薬食発0525004号)を補完するものとして位置付けられています。承認基準に適合することを示すための具体的な評価方法や、申請時の留意事項を明確化したものです。

承認基準の技術基準に規定されている各評価項目について、本Q&Aで示された考え方に基づき適切な評価を行い、その結果を承認申請資料として提出することが求められます。

4.3 関連通知との整合性

本通知の発出により、平成23年3月30日付け「歯科用インプラントの承認基準に関する質疑応答集について(その1)」(薬食機発0330第4号厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室長通知、室長通知)は廃止されています。過去の室長通知に基づいて準備を進めていた申請については、本通知の内容に照らして見直しを行う必要があります。

まとめ

本通知「歯科用インプラントの承認申請に関する取扱いについて」は、承認申請区分の判断、表面処理や疲労試験の評価方法、一品目の範囲、マルチピースアバットメントの取扱いなど、多岐にわたる審査ポイントを明確化した実務上重要なガイドラインです。
特に、技術基準への適合性の示し方、最もリスクが高い組合せの選定、既承認品との同等性評価などは、申請成否に直結するため、最新通知の理解と適切な資料作成が不可欠です。

歯科用インプラントの承認申請は、構成品の組合せや表面処理の種類により判断が大きく変わり、個別の製品仕様に応じた精密な評価設計が必要となります。本通知の内容を踏まえた申請資料の作成や、疲労試験・同等性評価の妥当性検討に不安がある場合は、専門的なサポートを活用することで、審査の円滑化につながります。

弊社一般社団法人薬事支援機)では、歯科用インプラントの承認申請、表面処理評価、疲労試験設計、一品目の範囲判断などについて専門的なサポートを提供しています。
製品ごとの最適な申請戦略の立案から資料作成まで幅広く支援しておりますので、具体的な案件やご相談がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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