概要
令和7年12月12日、厚生労働省医薬局から薬機法等に基づく申請・届出等のオンライン化に係る通知が発出されました。規制改革実施計画やデジタル社会実現計画等を踏まえ、都道府県等が受け手となる手続について、国民等の利便性向上と行政事務の効率化を促進することを目的としています。
1. オンライン化の背景と対象手続
1.1 法的根拠と実施方法
デジタル手続法及び関連省令により、薬機法、毒物及び劇物取締法、麻薬関連法規等に基づく申請、届出等を電子情報処理組織で行うことが可能です。電子メールや都道府県等のオンライン申請システム等により、必要書類を提出して実施できます。
1.2 対象となる主な手続
別紙1において、オンライン化の対象となる手続が示されています。薬機法関連では、薬局開設や地域連携薬局等の許可・認定申請、医薬品・医療機器販売業の許可申請や届出、許可証等の書換え・再交付申請、登録販売者関連の申請などが含まれます。また、毒物及び劇物取締法、麻薬関連法規(麻薬及び向精神薬取締法、覚醒剤取締法、大麻草の栽培の規制に関する法律、あへん法)に基づく各種申請、届出なども対象となります。
2. 添付書類の電子ファイル化
2.1 電子ファイルによる提出
オンライン手続により申請等を実施する場合、証書等やき損等をした許可証等の原本を明瞭にスキャンしたPDF等の電子ファイルを添付できます。
2.2 取扱いと注意事項
証書等(有資格者証明書類、登記事項証明書、医師の診断書等)は、原本をスキャンした電子ファイルで添付できます。都道府県等の指示により原本の提出又は窓口提示が必要な場合があります。き損、書替えを要する、有効期間徒過の許可証等も電子ファイルで添付可能ですが、悪用防止のため後日速やかに原本を提出する必要があります。
3. 原本確認の柔軟化
3.1 原本確認の基本的な考え方
窓口で原本の提示を求めること以外の手段で原本確認を受けることができます。確認後も都道府県等の指示により原本の提出又は窓口提示が必要な場合があります。
3.2 具体的な確認方法
都道府県等が原本確認を行う手段として、以下のうちの一つ又は複数を組み合わせた方法が認められます。後日窓口に持参させて確認、実地調査時に確認、オンライン会議等で確認、原本証明を行い電子ファイルで提出、の4つの方法があります。原本証明には、写しが原本と相違ない旨、原本証明を行った年月日、証明者の氏名(法人の場合は名称及び代表者氏名)を記載します。複数枚の証書等がある場合は、一覧化した原本証明書を作成し電子ファイルで提出することも可能です。
4. 手数料徴収とその他の留意事項
4.1 オンライン決済の導入
本通知に掲げる申請等の手数料徴収については、現金や都道府県証紙に限らず、クレジットカード、QRコード決済等のオンライン決済手段を用いることが可能です。
4.2 関連通知との関係
本通知以外の手続については、関連通知(「デジタル技術を利用した申請等手続きの簡素化について」、「申請書等のオンライン提出に係る取扱い等について」、「「デジタル原則に照らした規制の一括見直しプラン」を踏まえた対応について」等)も参照が必要です。本通知は、従前より行われている都道府県等のオンライン化の取組を妨げるものではありません。
まとめ
本通知により、薬機法等に基づく申請・届出手続のオンライン化が正式に整理され、電子メールやオンライン申請システムを活用した手続が可能となりました。添付書類はPDF等の電子ファイルで提出でき、原本確認についてもオンライン会議や原本証明による対応が認められるなど、申請者の利便性向上が図られています。
一方で、対象となる手続の範囲、原本提出が必要となるケース、都道府県ごとの運用差など、実務レベルでは判断に迷う場面も少なくありません。特に、原本証明の記載方法や後日の原本提出要否については、事前の整理を怠ると差戻しや手続遅延につながる可能性があります。
弊社(一般社団法人薬事支援機構)では、オンライン申請可否の整理、添付資料・原本証明書の作成支援、都道府県対応を含めた実務サポートを行っています。「この申請はオンラインで完結できるのか」「原本確認はどこまで求められるのか」などでお悩みの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。