概要

平成30年2月28日付け薬生機審発0228第7号として、厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課長より「医療機器の製造販売承認申請書添付資料の作成に際し留意すべき事項について」の一部改正が通知されました。本改正は、放射線滅菌に関する知見の蓄積を踏まえ、放射線滅菌済みの医療機器における安定性及び耐久性の評価方法について見直しを行ったものです。

1. 改正の背景と目的

医療機器の製造販売承認申請に際しては、平成27年1月20日付け薬食機参発0120第9号「医療機器の製造販売承認申請書添付資料の作成に際し留意すべき事項について」に基づき、必要な添付資料を作成することとされています。

今般の改正は、放射線滅菌に関する知見が蓄積されてきたことを踏まえて実施されました。本改正の主な目的は、放射線滅菌済み医療機器の安定性評価において、製造方法に関する資料に記載された線量分布の最大線量を踏まえた妥当な試験検体を使用することを明確化することにあります。

2. 安定性及び耐久性に関する改正内容

2.1 放射線滅菌済み医療機器の評価要件

承認申請添付資料留意事項通知の別添1の4.(7)⑥及び別添2の4.(5)⑥が改正されました。放射線滅菌済みの医療機器については、性状、強度試験等材質劣化に関する資料として、製造方法に関する資料に記載した線量分布の最大線量を踏まえた妥当な試験検体を使用して試験し、材質劣化に関し製品性能が担保されることを確認した旨の宣誓書を添付することが求められます。

「最大線量を踏まえた」という点が本改正の重要なポイントです。

2.2 その他の規定

医療機器の特性に応じて、審査の過程で材質劣化に関する試験成績が必要であると判断された場合は、必要な資料の提出を求められることがあります。既に材質の劣化に関する知見が得られている場合等は、当該評価が必要かつ十分なものであると判断した根拠を説明することで、別の評価方法を採用することも可能です。

再滅菌を行って使用することを前提とする医療機器については、繰返し滅菌したときの耐久性についても検討することが求められています。

3. 関連通知の改正内容

3.1 有効期間の設定と安定性試験に関する通知の改正

「医療機器の有効期間の設定と安定性試験について」(平成20年9月5日付け薬食機発第0905001号)の別添2.(3)の例示が改正され、エチレンオキサイド滅菌から放射線滅菌へ変更する場合の取扱いが追加されました。

3.2 Q&A通知の改正

「医療機器の有効期間の設定と安定性試験に関する質疑応答集(Q&A)」(平成21年8月5日付け事務連絡)のQ9及びA9が改正されました。

「医療機器製造販売承認(認証)申請に際しての有効期間の設定に係る安定性試験の取扱いに関する質疑応答集(Q&A)」(平成25年2月8日付け薬食機発0208第5号)のQ10及びA10も改正されました。

「医療機器の製造販売承認申請書及び添付資料に関する質疑応答集(Q&A)について」(平成27年6月1日付け薬食機参発0601第1号)の別添のQ32及びA32は削除されました。

4. 実務上の留意点

放射線滅菌済み医療機器の安定性評価において最も重要な点は、製造方法に関する資料に記載した線量分布の最大線量を踏まえた妥当な試験検体を使用することです。製造工程における線量分布を十分に把握し、最も厳しい条件を受ける部位や製品を試験検体として選定する必要があります。

宣誓書を作成する際には、試験検体の選定根拠、実施した試験内容、製品性能が担保されることの確認結果を明確に記載することが重要です。

まとめ

本記事では、平成30年2月28日付 薬生機審発0228第7号により改正された「医療機器の製造販売承認申請書添付資料の作成に際し留意すべき事項について」のポイントを解説しました。特に、放射線滅菌済み医療機器の安定性・耐久性評価において「線量分布の最大線量を踏まえた妥当な試験検体」を用いることが明確化された点は、今後の承認申請や変更対応において重要です。

実務では、線量分布の把握・試験検体の選定根拠・宣誓書の記載内容など、申請資料の完成度が審査のスムーズさを左右します。一方で、「最大線量を踏まえた検体」とは具体的にどの製品・どの部位を指すのか、また既存データの活用可否など、判断が難しいケースも少なくありません。社内での試験設計や根拠整理が曖昧なまま進めると、追加資料対応のリスクが高まります。

弊社(一般社団法人薬事支援機構)では、放射線滅菌済み医療機器の安定性評価・耐久性評価の考え方整理、試験検体選定の妥当性確認、宣誓書・添付資料作成支援など、承認申請に向けた実務支援を行っています。「このケースはどこまで試験が必要か」「申請資料として通る根拠にできるか」等でお困りの際は、お気軽にお問い合わせください。

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