概要

国内では厚生労働省による薬機法改正経過措置政令の公布が唯一の重要な法規制情報であり、医療ベンチャーではF.MED社が国際的なアクセラレータープログラムのファイナリストに選出されました。一方、海外市況は非常に活発で、Boston ScientificとHologicの大型M&A、Intuitive SurgicalとBoston Scientificの好調な四半期決算など、重要な動きが複数確認されました。特にロボット支援手術、AI対応プラットフォーム、非侵襲的治療技術への投資が活発化しています。

1. 法改正・通知関連

薬機法改正に伴う経過措置政令の公布

厚生労働省は、2025年5月21日に公布された薬機法改正法の施行に伴う経過措置を定めた政令を公布しました。この改正は、医薬品の供給不足や創薬環境の変化等に対応し、医薬品等の品質及び安全性の確保の強化、医療用医薬品等の安定供給体制の強化等を目的としています。

<参照記事>

  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う経過措置に関する政令の公布及び施行について
  • https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58083.html

医療機器回収情報(クラスII)

PMDAは、シスメックス株式会社の血液像自動分析装置 DI-60および株式会社フィリップス・ジャパンの据置型デジタル式循環器用X線透視診断装置についてクラスII回収情報を掲載しました。

<参照記事>

2. 医療ベンチャー関連

F.MED社がMedTech Innovator Asia Pacific 2025ファイナリストに選出

福岡市に本社を置くF.MED株式会社が、世界最大規模の医療機器アクセラレータープログラム「MedTech Innovator Asia Pacific 2025」のファイナリスト4社に選出されました。世界550社超の応募から最終選考に残る快挙です。同社はマイクロサージャリー(顕微鏡下手術)支援ロボットを開発中で、2025年10月28日にシンガポールで開催される最終プレゼンテーション審査に登壇予定です。

<参照記事>

3. 海外市況

Boston Scientific社がNalu Medical社を約5億3,300万ドルで買収合意

Boston Scientific社は、慢性疼痛治療用の末梢神経刺激システムを開発するNalu Medical社を約5億3,300万ドルで買収することを発表しました。Nalu Neurostimulation Systemは、肩、腰、膝などの末梢神経由来の重度で難治性の慢性疼痛を持つ成人患者に対し標的化された痛みの緩和を提供します。取引は2026年上半期に完了予定です。

<参照記事>

BD社がAI対応クラウドベース医療機器データプラットフォーム「Incada」を発表

ニュージャージー州に本社を置くBD社は、AI対応でスケーラブルなクラウドベースのコネクテッドケアプラットフォーム「Incada」を発表しました。このプラットフォームは、BDデバイスのデータを1つのインテリジェントなエコシステムに統合し、約300万台のスマート接続BDデバイスが生成するデータ量に対応できるスケーラビリティを持ちます。

<参照記事>

Hologic社がBlackstoneとTPGにより最大183億ドルで買収へ

女性の健康診断および医療画像診断装置メーカーのHologic社は、BlackstoneとTPGが管理するファンドによって最大1株当たり79ドル、企業価値最大183億ドルで買収される決定的な契約を締結しました。この取引価格は、2025年5月23日のHologicの終値に対して約46%のプレミアムを表します。取引は2026年上半期に完了予定です。

<参照記事>

Intuitive Surgical社が2025年第3四半期決算で予想を上回る業績を報告

カリフォルニア州サニーベールに本社を置くIntuitive Surgical社は、2025年第3四半期の売上高が25億1,000万ドルで前年同期比23%増加したと発表しました。da VinciおよびIonシステムを合わせた世界の手術件数は約20%増加し、da Vinci手術は約19%、Ion手術は約52%増加しました。第3四半期のGAAP純利益は7億400万ドルでした。

<参照記事>

Boston Scientific社が2025年第3四半期決算で予想上回る業績

Boston Scientific社は第3四半期決算で売上高50億6,500万ドル、純利益7億5,500万ドルを記録しました。前年同期比で売上高20.3%増、純利益61%増となり、ウォール街の予測を上回りました。循環器事業は前年同期比22.4%増、MedSurg事業は16.4%増の売上成長を報告しました。

<参照記事>

2025年MedTech会議:取引減少、価値上昇、初期段階投資への焦点

Medical Device Networkは、2025年10月5-8日にサンディエゴで開催されたMedTech会議に関する分析記事を掲載しました。GlobalDataの分析によると、上位15社の医療機器企業における2021~2025年のM&A取引の中央値は8億9,500万ドルで、2016~2020年の中央値の4倍以上に増加しています。業界は取引数の減少、取引額の上昇、および初期段階への投資重視に焦点を当てています。

<参照記事>

Glaukos社がEpioxa(リボフラビン5′-リン酸)の円錐角膜治療薬承認を取得

Glaukos Corporationは、円錐角膜治療のための次世代角膜クロスリンキング療法であるEpioxa(リボフラビン5′-リン酸)のFDA承認を2025年10月17日に取得しました。Epioxaは円錐角膜治療のための医療機器クラスの治療薬であり、角膜コラーゲンクロスリンキング手順に使用される点眼液です。

<参照記事>

弊社について

一般社団法人薬事支援機構(RSO)は、「未来の医療を支える技術の実現をサポート」というビジョンのもと、医療機器の薬事領域に特化したコンサルティングサービスを提供しています。

SaMD(Software as Medical Device)、レーザー等の能動機器、カテーテルをはじめとした非能動医療機器など、幅広い医療機器を対象に、開発初期段階から承認申請後までの一貫した伴走型コンサルティングを行っています。

医療機器業界の複雑な規制環境において、お客様の製品が円滑に承認を得るためのプロフェッショナルなサポートを国内向けに展開。製品の特性や開発フェーズに合わせた最適なアドバイスと戦略を提供しています。
詳細なサービス内容や個別のご相談については、当サイト下部の問い合わせページよりお気軽にご連絡ください。

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    一般社団法人薬事支援機構は医療機器専門の薬事コンサルティング会社です。
    医療機器の薬事申請やQMSでお困りの際にはこちらからお問い合わせください。

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